ディープ・インパクト (映画)
テンプレート:Infobox Film 『ディープ・インパクト』(Deep Impact)は1998年のアメリカ合衆国の映画。
概要
ミミ・レダーが監督、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮。ドリームワークス・パラマウント映画共同配給。一般的にはこの手のパニック映画では派手なCG演出で逃げ惑う人々の混乱などを描くことが多いが、本作では世界的な危機に陥った状況下での各登場人物の周辺の人間関係を主軸として描いている[1]。
二ヶ月後に公開された『アルマゲドン』も先行した本作に類似しており、地球に隕石あるいは彗星が衝突するという設定も同様である。
あらすじ
天文部に所属する高校生、リオ・ビーダーマンは天体観測中に彗星を発見。その情報を天文台のウルフ博士に伝える。計算の結果、彗星が地球に衝突するとの結果を弾き出し、博士は情報を持って移動するが交通事故で亡くなってしまう。数年後、アメリカ大統領は1年後の彗星衝突と衝突回避の「メサイア計画」を発表。アポロ計画に参加したベテランパイロット、フィッシュをはじめとしたアメリカとロシアの乗組員が彗星に向かう。しかし計画は失敗、彗星は大小二つに分裂してなお地球へと進み続ける。
政府は「ノアの方舟」となる地下居住施設を建設するが、そこに入れる人はわずかだった。リオは恋人のサラとその家族を救おうとするが果たせず、地下シェルターへ入る権利を捨て、サラを助けるために地上に残ることを決意する。メサイア報道でキャスターに昇格したテレビ局のジェニー、そして宇宙飛行士たちも、生死や人生について悩み、思いをはせてゆく。
彗星が地球に近づいたころ、メサイアからふたたび通信が入った。残された核弾頭と共に大彗星に突入し、せめて大彗星だけでも破壊する、その計画に向けての準備が始まった。
そのころ、小彗星は地球大気圏に突入、ハッテラス岬沖に落下した。立ち上がる津波、沈む都市。リオとサラ、ジェニー、そして飛行士たちは、思い思いの意思を持って、運命へと突き進んでいく。
キャスト
役名 | 役柄 | 俳優 | 日本語吹替 |
---|---|---|---|
スパージョン・“フィッシュ”・タナー | 船長、元宇宙飛行士 | ロバート・デュヴァル | 坂口芳貞 |
ジェニー・ラーナー | ニュースレポーター | ティア・レオーニ | 渡辺美佐 |
リオ・ビーダーマン | 彗星発見者 | イライジャ・ウッド | 石田彰 |
ロビン・ラーナー | ジェニーの母 | ヴァネッサ・レッドグレーヴ | 翠準子 |
ジェイソン・ラーナー | ジェニーの父 | マクシミリアン・シェル | 益富信孝 |
サラ・ホッチナー | リオの恋人 | リーリー・ソビエスキー | 小島幸子 |
トム・ベック | 合衆国大統領 | モーガン・フリーマン | 前田昌明 |
アラン・リッテンハウス | 元財務長官 | ジェームズ・クロムウェル | 稲葉実 |
アンドレア・ベイカー | 宇宙船メサイア号責任者 | メアリー・マコーマック | 田中敦子 |
マーク・サイモン | メサイア号ナビゲーター | ブレア・アンダーウッド | 落合弘治 |
オーレン・モナッシュ | メサイア号飛行指揮官 | ロン・エルダード | 森川智之 |
ガス・パーテンザ | メサイア号軍医 | ジョン・ファヴロー | 荒川太郎 |
マーカス・ウルフ | 天文学者 | チャールズ・マーティン・スミス | 辻親八 |
ドン・ビーダーマン | リオの父 | リチャード・シフ | 大川透 |
ヴィッキー・ホッチナー | サラの母 | デニーズ・クロスビー | 鈴木紀子 |
ミハイル・タルチンスキー | ロシアの宇宙飛行士 | アレキサンダー・バルエフ | 麦人 |
エリック・ヴェネカー | TVカメラマン | ダグレイ・スコット | 川中子雅人 |
ベス・スタンレー | ローラ・イネス | はやみけい | |
チャック・ホッチナー | ゲイリー・ワーンツ | ||
スチュアート・ケイリー | ブルース・ウェイツ | ||
エレン・ビーダーマン | ベッツィ・ブラントリー | ||
モーテン・エントレキン | オニール・コンプトン | ||
クロエ・ラーナー | リア・キルステッド | ||
マリアンヌ・デュクロス | ウナ・デーモン | ||
ティム・アーバンスキー | マーク・モーゼス | ||
テオ・ヴァン・セルテマ | デレク・デ・リント | ||
マクロード | W・アール・ブラウン | ||
オーティス・ヘフター | カートウッド・スミス | ||
ウェンディ・モージェル | キンバリー・ヒューイ | ||
ボビー・ルー | アリミ・バラード |
製作
撮影開始までの経緯
テンプレート:出典の明記 本作の起源は、フィリップ・ワイリーとエドウィン・バーマーが1933年に共著で発表したSF小説『地球最後の日』(When Worlds Collide)、および1951年にパラマウント映画によって製作されたその同名の映画化版(邦題は『地球最后の日』)である。1970年代の中頃、映画プロデューサーのリチャード・ザナックとデビッド・ブラウンがこの映画のリメイク権をパラマウント映画から取得。監督ジョン・フランケンハイマー、アントニー・バージェス脚本で製作準備に入ったが作業が進まず、結局計画休止状態に陥ることとなった。
一方、彼らとは別にアーサー・C・クラークの短編SF小説『神の鉄槌』(The Hammer of God)の映画化をスティーヴン・スピルバーグ率いるドリームワークスが計画していた。スピルバーグは『続・激突! カージャック』や『ジョーズ』でザナックらと面識があった。
これら2つの作品はいずれも地球へ迫り来る天体の恐怖を描いているため、同時期に完成すれば激しい競合を招くことになると容易に想像できた。このため2作の製作計画は最終的に統合され、製作はザナックとブラウン、監督はスピルバーグ、配給はドリームワークス・パラマウント共同というかたちで再スタートした。新たな脚本は、1993年にブルース・ジョエル・ルービンが執筆を開始し、さらにルービンから引き継いだマイケル・トルキンによって完成された。
しかし、監督として予定されていたスピルバーグは同じ頃『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、『アミスタッド』、『プライベート・ライアン』とスケジュールが埋まっており、本作に時間を割くことが非常に困難であった。こうした事情から、彼は監督を辞退してエグゼクティブプロデューサー(製作総指揮)に退き、かわりにドリームワークス第一作『ピースメーカー』を監督したミミ・レダーが新たに迎え入れられた。約20年にもわたる紆余曲折を経た本作はここにきてようやく、撮影開始にこぎつけたのである。
スタッフ
- 監督:ミミ・レダー
- 製作:リチャード・D・ザナック、デヴィッド・ブラウン
- 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、ジョーン・ブラッドショウ、ウォルター・F・パークス
- 脚本:マイケル・トルキン、ブルース・ジョエル・ルービン
- 撮影:ディートリッヒ・ローマン[2]
- 美術:レスリー・ディレイ
- 衣装デザイン:ルース・マイヤーズ
- 編集:ポール・チチョッキ、デヴィッド・ローゼンブルーム
- キャスティング:アリソン・ジョーンズ
- 音楽:ジェームズ・ホーナー