チマチョゴリ
チマチョゴリ(テンプレート:Ko、テンプレート:En)は、朝鮮の民族衣装である朝鮮服の一種で、チマとチョゴリを着た女性の装いである。
概要
女性用朝鮮服は、男女共通の上着であるチョゴリ(襦)と、巻きスカートであるチマ(裳)によって構成される。
韓国では、袖のやわらかな曲線、全体を引きしめる白地のトンジョン(半襟)、合わせ着のように着る形が、「民族衣装韓服の3大美」とされている。しかし、近年では合わせ襟でない形式のチョゴリも登場している。
日本国内にある朝鮮学校では、女子学生の制服としてチマチョゴリの様式を取り入れている(→朝鮮学校#制服の項参照)。これは白いチョゴリと黒いチマを着用するものだが、北朝鮮ではこの色彩のチマチョゴリが女性の正装になっている。なお、韓国ではこの色彩のチマチョゴリは一般に見られない。
歴史
李氏朝鮮前期には華奢な上体と豊満な下体が美しいとされ、チョゴリの身丈は急速に短くなってチマは長く幅広くなった。やがて妓女服の影響で身丈の短いチョゴリと狭い幅の袖が流行し、服の着脱の度に袖をほどかなければならないほどになったこともあった。
チョゴリが乳房を覆えなくなるほど身丈が短くなると、両班の女性は通常胸覆いを使ったが、下級階層、特に男児を生んだ女性は乳房を露出することもあり、李朝時代に描かれた風俗画や李朝末期から20世紀半ばにかけての朝鮮風俗を撮った写真には、乳房を露出した女性の姿が多く見られる。
日韓併合後には、女性が乳房を露出する事を禁止され、1900年代から女性の社会進出が始まるとチョゴリの身丈は長くなり始めた。しかし、禁止されたにも関わらず、乳房の露出は朝鮮戦争の直後まで続いた。
現在一般に見られるチマチョゴリは原色を使い派手な物が多い。しかし、朝鮮民族が「白衣民族」と自称してきたように、昔は通常白い服を着用し、常にその白さを保ち、かつより白くする事に努めていた。この背景には朝廷による庶民に対する色付きの服の着用の制限の影響もある。ただし女性のチマはこの限りでは無く、少女と未婚女性および花嫁は赤いチマ、既婚女性や中年女性は藍色のチマ、老女はあさぎ色や灰色のチマ、未亡人や喪中の女性は生成りの漂白されていないチマとチョゴリを着用した。日韓併合期に色彩は更に多様化し、従来使用しない色合いや複数色・細かい装飾を施されたチマチョゴリを「倭色」と呼んだ。これは日本の和服の影響や、明治維新以降に大量生産され始めた織物の流入によるものである。
チマチョゴリ用語
- チョゴリ / 저고리
- 上着。男女共通ではあるが、女性用チョゴリの身丈は男性用より短い。
- オッコルム / 옷고름
- 装飾用のリボン状の紐。本来は着用のためについていた服の結び紐。
- チマ / 치마
- 巻きスカート。胸からくるぶしまでの長さがある。
- ソッチョゴリ / 속저고리
- チョゴリの下に着用する下着。
- ソッチマ / 속치마
- スリップ状の下着。本来はチマと同型。
- ソッパジ / 속바지
- ズボン状の下着。
- ポソン / 버선
- 靴下、足袋。男女共通。
着用方法
- ソッパジを着る
- ポソンを履く
- ソッチマを着る
- チマを着る:ひもは胸の下で結び、固定する。
- ソッチョゴリを着る
- チョゴリを着る:内側のひも又はボタンで留める。
- オッコルムを結ぶ:片方が輪になるように結ぶ。
- (動画[1])