セミアクティブサスペンション
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セミアクティブサスペンションとは、振動抑制装置付きサスペンション、アクティブサスペンションの一種である。 フルアクティブサスペンションとは異なり振動抑制のために特別な動力源を用いず、外部から入力する振動エネルギーの一部を利用して作動する。そのためサスペンション駆動に必要なエネルギーを節約できるため省エネルギーになる。また制御失陥時にも通常のダンパーとして機能するため安全であること、そして構造が簡単かつコンパクトなため 比較的安価で搭載性に優れるという特徴がある。 しかしながら、発生できる力が限られている(例えば、制止状態から加振することはできない)ため、スカイフック理論をそのまま適用しても、アクティブサスペンションと同等の性能は得られない。それを克服するため、近年、非線形H∞制御理論に基づく制御手法が開発され、トヨタ自動車の一部の乗用車にH∞TEMSとして装備されている。
実際の構造としては、車体と車輪(台車)の間にダンパ(セミアクティブダンパ)が設置されており、ダンパの減衰係数を時々刻々変化させることにより、車体の振動を最適に抑制する。
セミアクティブサスペンションを搭載する車両
- 新幹線車両
- 両先頭車とグリーン車とパンタグラフ搭載車
- 500系 ※W1編成の両先頭車はアクティブサスペンションを装着。
- 700系
- 300系 ※一部編成を除く(2006年2月までに43編成へ搭載済み)。
- 両先頭車とグリーン車以外の全車両
- E2系 ※両先頭車とグリーン車はフルアクティブサスペンションを装着
- グランクラス以外の全車両
- E7系・W7系 ※グランクラスはフルアクティブサスペンションを装着
- 全車両に搭載
- 在来線車両
- 先頭車両に搭載
- 全車両に搭載
- ヤマハ発動機
- YZR500 ※1991年~92年頃にチーム・ロバーツにて使用実績がある(提供はオーリンズ (自動車部品メーカー))
F1におけるセミアクティブサスペンション
1992年に、ウィリアムズF1が車高調整用として最初に実戦投入した。登場当時は、ライドハイトコントロールシステム(車高制御システム)と呼ばれていた。
翌年には、フルアクティブアクティブサスペンションを開発できないチームが主に使用(各チームで独自に開発)していたが、その年の末に可動する空力パーツとみなされて使用が禁止されている。