ズサ

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ズサ (ZSSA) は、テレビアニメ機動戦士ガンダムΖΖ』、小説およびOVA機動戦士ガンダムUC』に登場する架空の兵器

ネオ・ジオン軍の中距離支援用量産型モビルスーツ (MS) 。

本項では、バリエーション機やテレビアニメ『∀ガンダム』に登場するズサンも解説も併記する。

機体解説

テンプレート:機動兵器 近接戦闘用MSであるガルスJの後方支援を目的とした機体。第一次ネオ・ジオン抗争初頭にマシュマー・セロの手によって実戦試験が行われ、その結果が良好であったことから量産化が決定。ネオ・ジオン軍の地球圏侵攻作戦に合わせ、相当数が配備された。

大型化が著しいU.C.0090年代前後のMSの中では全高15メートルという小型機であるが、火器を内装した大型複合ブースターユニットを背面に装着することで、当時の一般的なMSを凌駕する火力と推力を発揮する。最大の武器は脚部やブースターに大量に内蔵されたミサイルであり、弾幕による中距離飽和攻撃において威力を発揮する。腹部には高出力の拡散ビーム1門を備え、一撃の破壊力にも秀でている。基本的には支援用だが、両脚に合計4基のビーム・サーベルを格納しており、ブースターを排除することで接近戦にも対応できる。さらにブースターの大推力を活用した一撃離脱戦法による強襲攻撃や爆撃、拠点防衛など、終戦に至るまで多岐に渡り運用された。

ブースターはほかのネオ・ジオン製MSとも一定の互換性を持ち、MS本体の推進剤を節約しつつ戦場に輸送するサブフライトシステム的な運用も想定されている。さらに内部には標準的なリニアシート型コクピットを備えており[1]、単体の宇宙突撃艇としての運用が可能となっている。また、積載されたミサイルを炸薬としてそのまま敵機に体当たりする特攻運用も考慮されていた[1]

『ZZ』本編中ではブースター単体運用はされないが、後年のゲーム作品でズサ・ブースターという名称で登場している。

劇中での活躍
スペースコロニー「シャングリラ」で、マシュマー機がジュドー・アーシタ搭乗のΖガンダムと交戦。コロニー内でのマシュマー機は肩部にミサイルポッドのみを装着して出撃するが、設定画やプラモデルでは肩部ミサイルポッドはバックパックに接続される構造であるため、どのようにして装着していたかは不明。
カラーリングは通常のイエローとグレミー軍仕様のグレーの2種類が存在。『機動戦士ガンダムΖΖ』第46話では、バウ用のビーム・ライフルを装備した機体が登場する。
『機動戦士ガンダムUC』では、ジオン的なグリーンへの再塗装および、「袖付き」所属を示すエングレーブ調の装飾が両手首に施され、テニスン艦隊指揮の下で稼動している。OVA版では、ギラ・ドーガのビーム・マシンガンとシールドを装備。火力支援のみならず、MSとの直接戦闘も想定されている。また、新たに描き起こされた設定画により、肩部ミサイルポッドは前後に分割され、ズサ本体とブースター側両方と接続する構造に改められ、上述のマシュマー機の装備形態を無理なく再現できるように配慮されている。


ズサ・カスタム

漫画ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。別名はズサ改(ズサかい)。 テンプレート:機動兵器 過激派組織NSPに分類される一組織「カラード」が運用する改修機。格闘戦能力を引き上げた汎用機として開発され、ベース機の特徴であったミサイル群を撤去し、腕部マウント式速射ビーム砲「ガン・スピア」、ビーム兵器中心のブースターに装備変更された。これにより大幅な軽量化を実現し、必要十分以上の機動性を確保した。

劇中での活躍
カラードのパイロット、アルヴェニシカ・キースト(アニー)の乗機としてサイド6における連邦軍襲撃作戦に参加するが、連邦軍アラハス所属のDガンダムとの交戦中にカラードのリーダー、エルデスコ・バイエのザクIIIを有線爆弾からかばって大破する。


ズサ・ダイン

漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。 テンプレート:機動兵器 ズサの開発チームが手がけたズサベースの格闘戦用機。ベース機ではオプションだったミサイルポッドおよびブースターが、本体との一体式に改められた。格闘用とされてはいるが、胸部ビーム砲やメガビーム砲を装備し、腕部にはクローを備えているため、オールレンジに対応可能であり、汎用性が高い。

劇中での活躍
捕虜から脱走して復員し、ネオ・ジオンのレウルーラに合流したアニーの乗機となる。武装としてズサ・カスタムのガン・スピアを引き続き使用する。


ズサン

テレビアニメ『∀ガンダム』に登場。 テンプレート:機動兵器 ギンガナム艦隊が月面のマウンテンサイクルから発掘したMSで、同艦隊の月面残存部隊によって運用された。無人機としての運用が可能だが、行動に規則性があるために読まれやすく、コントロールを行う有人機が撃破されるとさらに行動が単純化するという欠点を持つ。

ギンガナム艦隊における型式番号「G-M2F」のうち、 "G" はギンガナム艦隊、 "M" はMS、 "2" は2番目に発見されたこと、 "F" はファイターを意味するらしい。本来の型式番号は、コクピットのコンソールに表示された「AMX-102」あるいは「AMX-1002」である。その姿は、シャングリラでマシュマーが試験運用していた機体によく似ている。また、ガルスJのようなアーム・パンチ機構を装備しており、脚部ミサイルポッドは格闘用のワイヤーアンカーになるなど、近接格闘戦を重視している。

劇中での活躍
月面残存部隊で、6機(有人2、無人4)が地球への出発準備を進めるディアナ派の足止めに使用される。初見では回避するのが難しいワイヤーアンカーを効果的に使い、ディアナ親衛隊のスモー2機を撃破するが、ハリー・オードには通じず回避されたうえ、上記の欠点を見抜かれて有人機1機を撃破されると、おもに物資の運搬に用いられていた模様。
備考
ズサンは第46話の絵コンテチェックの段階で、登場メカが足りないという理由から急遽設定された[2]。「3日くらいで仕上げられるメカは何かないか?」という中、「ただビームとミサイルを撃つだけではつまらない、ズサだったら何かできるんじゃないか」ということで選択され、さらにワイヤーやアームパンチといったアイデアを付加されて完成した[2]


脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:宇宙世紀

テンプレート:∀ガンダム
  1. 1.0 1.1 プラモデル『1/144 ズサ』取扱説明書より。
  2. 2.0 2.1 『ニュータイプ100%コレクション41 ∀ガンダムVol.2』58頁。