ジラース

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テンプレート:Pathnav ジラースは、特撮テレビドラマウルトラマン』や『レッドマン』に登場する架空の怪獣。別名「エリ巻き恐竜」。

『ウルトラマン』に登場するジラース

『ウルトラマン』第10話「謎の恐竜基地」に登場。

  • 身長:45メートル
  • 体重:2万トン
  • スーツアクター:中島春雄[1]

元々はネス湖にいた恐竜の生き残りで、首の周りに大きな襟巻きを持つ。「モンスター博士」の異名を持つ中村博士(二階堂教授)によって日本に運ばれ、北山湖(佐賀県の同名の湖とは別)で密かに飼育されている内に体質が変化していき、最終的に怪獣化したもの。体質変化に伴い、口から熱線を吐けるようになった。普段は湖の底に潜み、餌を与えられる夜にのみ姿を現していたが、釣り人が魚を大量に捕ろうと撒いたカーバイドに刺激されて姿を現す。

正体を表した二階堂教授を踏み潰し、ウルトラマンに戦闘を挑むも襟巻きをもぎ取られ、闘牛士が持つ赤い布のように襟巻きをひらつかせたウルトラマンへ突進してはかわされ、最後はすれ違いざまのウルトラ霞斬りで急所をつかれ血を吐いて絶命する。

二階堂教授もジラースの亡骸に縋りつつ、息を引き取る。

  • 命名は脚本家の金城哲夫沖縄方言で「次郎叔父さん」を意味する「ジラースー(次郎主)」からとった[2]
  • ストーリーの一部は企画段階のサンプルストーリー「怪竜ウラー」を転用して制作された。
  • エンディングに流れる曲は、東宝映画『ガス人間第一号』からの流用。
  • 台本では襟巻を剥がされると戦意が喪失するという描写がなされていた[3]

ゴジラとの関係

ジラースの着ぐるみゴジラの着ぐるみを改造したもの。襟巻きを付け、腹部、頭部、背びれを黄色くペイントした以外は目立った変更がなく、ゴジラのイメージが強く残っている。鳴き声もゴジラの声の早回ししたものを使用。演じた役者もゴジラと同じ中島春雄であった。

頭部は『怪獣大戦争』、体は『モスラ対ゴジラ』のゴジラから改造された『ウルトラQ』のゴメスのものを使用している[1]。『怪獣大戦争』の撮影後、『モスゴジ』のゴジラの体に『怪獣大戦争』のゴジラの頭部を取り付けたものが上野の赤札堂で展示され、これがジラースの元となった[4]

『レッドマン』に登場するジラース

レッドマン』第13話、第15話、第16話、第61話、第70話、第75話、第100話、第103話、第106話、第110話に登場。着ぐるみは、玩具メーカーブルマァクの販売促進用に制作されたものを使用している[5]。体色は緑色(腹の部分が剥げている)で、手足の指は5本。

  • 第13話:バルタン星人と共にレッドマンを挟み撃ちにしようとするが、避けられて激突して倒れる。
  • 第15話:単身でレッドマンと戦うが、レッドアローで倒される。
  • 第16話:バルタン星人に操られてレッドマンと戦うが、巴投げで倒される。
  • 第61話:単身でレッドマンと戦うが、レッドキックで倒される。
  • 第70話:エレキングに加勢してレッドマンと戦うが、レッドアローを刺されて倒される。
  • 第75話:イカルス星人と共にレッドマンと戦うが、レッドナイフを刺されて倒される。
  • 第100話:レッドキラーと共にレッドマンと戦うが、レッドキックで倒される。
  • 第103話:グドンと共にレッドマンと戦うが、レッドフォールで倒される。
  • 第106話でグドン、レッドキラー、ペギラと共にレッドマンと戦うが、レッドアローで倒される。
  • 第110話:グドンと共にレッドマンと戦うが、レッドナイフで倒される。

その他

  • 帰ってきたウルトラマン』第12話のMATの射撃訓練の的にジラースのものがある。
  • ウルトラ怪獣大百科』では、ナレーションが「このジラースが最後の一匹とは思えない」と、第一作の『ゴジラ』における山根博士の台詞と同様の意図の発言をしている。
  • ウルトラマンフェスティバル'97』ライブステージ第1部では、キリエロイドの配下の怪獣として登場。光の妖精ファーラを処刑するためにグドンと共に出現する。最後はウルトラマンの八つ裂き光輪で襟巻きを取られたところへ、スペシウム光線を受けて倒される。
  • ウルトラマンマックス』の放送前に行われた「伝説の怪獣人気投票」で第9位にランクインしている。
  • ウルトラマンメビウス』第21話では怪獣墓場に漂っている姿が描かれている。
  • 漫画『ウルトラマンSTORY 0』ではジェロニモンにより蘇生された再生怪獣の一体として登場。
  • 『大怪獣バトル』の拡張第1弾に技カードとして登場。スキルは本編で岩を光線で狙撃した「早打ちの技術」。
  • 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ベリュドラの右腕を構成する怪獣の一体として姿が確認できる。
  • SmaSTATION!!』2009年12月19日放送分で「ウルトラマン 9のヒミツ」と題した特集が組まれた際、ゴジラからジラースに改造されたことが紹介された。
  • ウルトラゾーン』第8話のアイキャッチに登場し、ペヤングソースやきそばに似たカップめんの湯切りをしようとして、麺が半分こぼれる。また、第15話の特撮ドラマ「東京ジュラ紀(後編)」では、「ジラースに似ているがエリマキが確認できない怪獣」が出現したことが登場人物の口から語られる。
  • 2014年、大阪開催の『三大特撮ヒーローフェスティバル』のスペシャルステージにて、ショーの冒頭にウルトラマンと戦う怪獣として登場し、テレビと同様の「エリマキを剥ぎ取られ、ゴジラ同然の姿となる」という演出まで再現された。

過去の映像を流用しての登場

いずれも映像は『ウルトラマン』第10話の流用。

『ウルトラマン』第39話
ゼットンに倒されたウルトラマンの走馬灯の中に登場。
甦れ!ウルトラマン
怪獣総進撃を予期したハヤタの回想シーンに登場。
ウルトラマンティガ
第49話のEDに登場。
ウルトラマンボーイのウルころ
第79話「ペットは大恐竜!?」に登場。

脚注

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関連項目

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  1. 1.0 1.1 『キャラクター大全ウルトラマン全調査報告』(講談社、2012年、ISBN 978-4-06-218128-0)
  2. 講談社『テレビマガジンヒーローグラフィックライブラリー/ウルトラマン』83頁
  3. 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』洋泉社71ページ
  4. ホビージャパン『大ゴジラ図鑑』94頁
  5. テンプレート:Cite book