ジェノヴェーゼ一家

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ジェノヴェーゼ一家(Genovese crime family)はニューヨーク・マフィアの五大ファミリーの一つ。ラッキー・ルチアーノによってニューヨーク・マフィアが五大ファミリーに再編されたときに旧マッセリア・ファミリーを母体としてなり、勢力は五大ファミリー中最大であった。ボスはラッキー・ルチアーノ、副ボスはヴィト・ジェノヴェーゼ、他にもフランク・コステロジョー・アドニスウィリー・モレッティなどの有力な幹部をメンバーとする。

ルチアーノの逮捕と、ジェノヴェーゼの国外逃亡により、フランク・コステロが実質のボスとなり、ファミリーの黄金時代を築く。しかし第二次大戦後帰国したジェノヴェーゼはボスの座を狙い、ついに1957年ジェノヴェーゼの部下のヴィンセント・ジガンテによるコステロの暗殺未遂事件が発生し、コステロは引退した。コステロを支持するアナスタシア一家(現ガンビーノ一家)のアルバート・アナスタシアとの間にマフィア戦争が勃発するかに見えたが、アナスタシアは暗殺され、その後のアパラチン会議を経てジェノヴェーゼがボスの座についた。

その後、ジェノヴェーゼは麻薬取引容疑で逮捕されるが、獄中からファミリーの指揮を執り続けた。しかし、部下のジョゼフ・ヴァラキマフィアの正式メンバーとしては初めて沈黙の掟を破って証言したことから、ジェノヴェーゼは他ファミリーから非難され、その権威は大きく損なわれた。ジェノヴェーゼの死後はボス代行のトーマス・エボリ、副ボスのジェラルド・カテナ、コンシリエーリのマイク・ミランダの三頭体制となったが、ファミリーはリーダーシップ不在の混乱を続け、最大最強のファミリーとしての地位をガンビーノ一家に譲るに至った。1970年代にガンビーノの盟友フランク・ティエリがボスとなり、ファミリーは再びかつての勢力を取り戻した。

その後アンソニー・サレルノヴィンセント・ジガンテと歴代ボスは相次いで逮捕されたが、ジェノヴェーゼ一家は幹部級でも次々と司法取引に応じる内通者を出す他の一家とは異なり、ほとんど司法への内通者を出すことなく統制がとれており、現在では再びガンビーノ一家に代わってニューヨーク最強のマフィアとしての勢力を維持していると信じられる。

歴代ボス

ポール・ディマルコはダニエル・レオの代理ボスの可能性が疑われるが、現在のところ詳細は不明である。

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