ジェット・リー
テンプレート:ActorActress テンプレート:中華圏の人物 ジェット・リー(リー・リンチェイ、李 連杰、英語名:Jet Li、1963年4月26日 - )は中国北京市出身の武術家、俳優である。字は陽中。身長166cm、体重65kg、血液型AB型。2009年にシンガポール国籍を取得した[1]。
プロフィール
8歳から武術(中国武術)を学び、中国全国武術大会において5年5回連続で総合優勝を成し遂げるほどの武術の腕前を持つ(未だその記録を破る者はいない)。その身体能力を活かして1982年に『少林寺』で映画デビュー(本名の李連杰=リー・リンチェイ名義)。1991年のツイ・ハーク監督作品『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』の大ヒットでスターの座を確固たるものにした。
1988年の『ファイナル・ファイター 鉄拳英雄』において初監督を果たし(李陽中=リー・ヤンジョン名義)、1998年の『リーサル・ウェポン4』でハリウッド映画にデビュー。『キス・オブ・ザ・ドラゴン』、『ダニー・ザ・ドッグ』など主演映画も次々に公開され、世界的に有名なアクションスターとなった。
経歴
- 1963年、北京市に5人兄弟(兄2人、姉2人)の末っ子として産まれる。
- 1971年、8歳の時に北京業余体育学校に入学。このころより、中国武術を習い始める。
- 1974年、中国全国武術大会で個人総合優勝を果たす。以降、5年連続で優勝する。
- 1982年、『少林寺』で映画デビュー。
- 1987年、黄秋燕(当時は武術家、後に女優)と結婚(のちに離婚)。彼女との間に2人の娘がいる。
- 1998年、『リーサル・ウェポン4』に出演。これによってハリウッド・デビューを果たし、ハリウッド、ヨーロッパ、香港、中国と活躍の場を広め、世界的な俳優となる。
- 1999年、女優の利智(ニナ・リー)と再婚。彼女との間に2人の娘がいる。
- 2000年、アメリカ国籍を取得。
- 2004年、スマトラ島沖地震に巻き込まれるも軽傷で済み、家族は無事に避難した。
- 2006年、同年公開された映画『SPIRIT』を最後に武術映画から引退すると公言。この映画で、香港映画評論学会大奨の主演男優賞を受賞した。
- 2007年、スマトラ島沖地震に遭遇したことをきっかけに中国紅十字社と協力して「ワン基金」(壹基金)を設立。基金活動を本格的に開始する。
- 2008年
- 『ウォーロード/男たちの誓い』で香港映画金像奨(香港アカデミー賞)の主演男優賞を受賞する。
- 3月、「ワン基金」の取り組みはフォーブス誌に「アジアの慈善家48人」に選出される。
- 4月、ジャッキー・チェンとの初共演作『ドラゴン・キングダム』が公開される(日本では同年7月26日公開)。ジャッキー・チェンとの共演は15年前にも企画があったが実現しなかった。
- 5月、発生した四川大地震でボランティア活動に専念するため、年内の芸能活動はしないと宣言。
- 2009年、シンガポール国籍を取得。
- 2010年、『海洋天堂』で自閉症の息子の行く末を憂える一般人の父親役を演じ、アクションを封印し新境地を開いた。
武術について
ジェットのアクションの基礎は北京武術大会5連覇の実績からも分かるように、競技武術の長拳(武術太極拳)が中心となっている。映像などの記録では翻子拳などを映画撮影のために学んだ経緯も残っている。
映画『少林寺』で披露した技は本来の少林拳ではない。本来の少林拳は今や民間伝承に僅かに残るものだけになっており、中国で少林拳とされる諸派は映画『少林寺』公開以後のブームから創作された近代少林拳である。当時、少林寺(嵩山少林寺)には武僧はほとんど残っておらず、やむなく競技武術選手であるジェットを招聘した。中国の少林拳を参考に創作された日本の少林寺拳法の一団も招聘され、何とかして無き少林拳を見た目だけでも映像化したかった窮状が垣間見える。
『ザ・ワン』では柔と剛を象徴して柔は八卦掌中心、剛は形意拳を中心に演じている。
演じた武術家
史実に登場する武術家を演じることが多い。
- 張三豊 - 『マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限』
- 方世玉 - 『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター』シリーズ・・・伝説的人物
- 洪熙官 - 『新・少林寺伝説』
- 黄飛鴻 - 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ、『ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲』
- 霍元甲 - 『SPIRIT』
エピソード
- 日本では「リー・リンチェイ」表記が一般的だが、中国普通話の発音だと「リー・リェンジエ」が近い。
- 英語名の「ジェット」は、映画デビュー作でもある『少林寺』が、中国国外のフィリピンなどで上映されることに至って付けられた。
- 中国では「功夫皇帝」の名前で呼ばれることがある。
- 出身地は北京市と書かれることが多いが、遼寧省瀋陽市だともされる[2]。
- 北京体育運動学校では、ドニー・イェンと同期生であった。
- かなり熱心なチベット仏教徒としても知られ、共演者に数珠をプレゼントしたりしている。
- 1974年にアメリカで武術交流会に参加した際、リチャード・ニクソン大統領に「大きくなったら、私のボディーガードになってくれ」と言われるが、「10億の中国国民を護らなくちゃいけないから…」とやんわりと拒否した[3]。
- 『スウォーズマン/女神伝説の章』(原作:『秘曲 笑傲江湖』)の令狐冲や『カンフー・カルト・マスター 魔教教主』(原作:『倚天屠龍記』)の張無忌など、中国で大きな知名度を誇る金庸作品の主人公を演じている。
- 『マトリックス リローデッド』のセラフ役のオファーを蹴って、『ザ・ワン』への出演を決めた。
- 『ウォーロード/男たちの誓い』の撮影時に、一部の台湾メディアが文盲だと報じたが、共演者のアンディ・ラウらがそれを否定した[4]。
- 暴力的要素の濃い映画に出演することが多いが、本人はコミカルな作品を好んでおり、2008年頃からは『ドラゴン・キングダム』のようなコミカルな作品の出演が増えている。
- 『白雪公主与七武士』(原題)に出演すると言われていたが、チョウ・ユンファが替わって出演すると発表された[5]。
日本語吹き替え
デビュー当初は水島裕などが吹き替えを勤めていたが、後に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズで池田秀一が起用されたことがきっかけで池田が吹き替えを担当することが多くなる。ハリウッド・デビューをした後は異なる声優が務めることが多くなっていたが、『ドラゴン・キングダム』での吹き替えを機に池田が専任担当声優となった。
水島裕
- 「少林寺」(1982年)*TV:日本テレビ版
- 「少林寺2」(1983年)*TV:日本テレビ版
- 「阿羅漢」(1986年)*TV:日本テレビ版
- 「少林寺」(1982年)*ソフト版
- 「少林寺2」(1983年)*ソフト版
- 「阿羅漢」(1986年)*ソフト版
池田秀一
- 「ファイナル・ファイター 鉄拳英雄」(1988年)
- 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明 (1991年)
- 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」(1992年)
- 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇」(1993年)
- 「スウォーズマン/女神伝説の章」(1992年)
- 「レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍」(1992年)*VHS版
- 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地雄覇(ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲)」(1993年)*VHS版
- 「レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 電光飛龍」(1993年)*VHS版
- 「カンフー・カルト・マスター 魔教教主」(1993年)*VHS版
- 「マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限」(1993年)*VHS版
- 「新・少林寺伝説」(1994年)
- 「フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳」(1994年)
- 「ターゲット・ブルー」(1994年)
- 「ハイリスク」(1995年)
- 「ブラック・マスク」(1996年)
- 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲」 (1997年)
- 「冒険王」日本公開版(1997年)
- 「ヒットマン」(1998年)
- 「リーサル・ウェポン4」(1998年)*TV:テレビ朝日版
- 「SPIRIT」(2006年)
- 「ローグ アサシン」(2007年)
- 「ドラゴン・キングダム」(2008年)
- 「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」(2008年)*TV:フジテレビ版
- 「エクスペンダブルズ」(2010年)
- 「白蛇伝説」(2011年)
- 「エクスペンダブルズ2」(2012年)
- 「ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝」(2011年)
- 「ドラゴン・コップス 微笑捜査線」(2013年)
- 「レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍」(1992年)*DVD版
- 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地雄覇(ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲)」(1993年)*DVD版
- 「レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 電光飛龍」(1993年)*DVD版
- 「カンフー・カルト・マスター 魔教教主」(1993年)*DVD版
- 「マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限」(1993年)*DVD版
- 「ダニー・ザ・ドッグ」(2005年)*ソフト版
- 伝説の香港映画コレクション
- 「D&D 完全黙秘」(1995年)
- 「リーサル・ウェポン4」(1998年)*ソフト版
- 「リーサル・ウェポン4」(1998年)*TV:日本テレビ版
- 「キス・オブ・ザ・ドラゴン」(2001年)*ソフト版
- 「ブラック・ダイヤモンド」(2003年)*TV:テレビ朝日版
- 「ロミオ・マスト・ダイ」(2000年)*ソフト版
- 「ブラック・ダイヤモンド」(2003年)*ソフト版
- 「ロミオ・マスト・ダイ」(2000年)*TV:日本テレビ版
- 「キス・オブ・ザ・ドラゴン」(2001年)*TV:テレビ東京版
- 「ザ・ワン」(2001年)*TV:テレビ東京版
- 「ダニー・ザ・ドッグ」(2005年)*TV:テレビ東京版
- 「ザ・ワン」(2001年)*ソフト版
- 「HERO」(2002年)
- 「ウォーロード/男たちの誓い」(2007年)
主な出演作品
- 少林寺 少林寺 (1982年)
- 少林寺2 少林小子 (1983年)
- 阿羅漢 南北少林 (1986年)
- ファイナル・ファイター 鉄拳英雄 中華英雄 (1988年)※兼監督
- ドラゴンファイト 龍在天涯 (1989年)
- ハード・ブラッド 黄飛鴻'92之龍行天下 (1990年)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明 武状元黄飛鴻 (1991年)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱 黄飛鴻二之男兒當自強 (1992年)
- レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍 方世玉 (1992年)
- スウォーズマン/女神伝説の章 笑傲江湖之2:東方不敗 (1992年)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇 黄飛鴻三之獅王爭覇 (1993年)
- ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地雄覇) 黄飛鴻之鐵鶏門蜈蚣 (1993年)
- レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 電光飛龍 方世玉續集 (1993年)
- カンフー・カルト・マスター 魔教教主 倚天屠龍記之魔教教主 (1993年)
- マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限 太極張三豐 (1993年)
- 新・少林寺伝説 洪煕官 (1994年)
- フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳 精武英雄 (1994年)
- ターゲット・ブルー 中南海保縹 (1994年)
- ハイリスク 鼠膽龍威 (1995年)
- D&D 完全黙秘 給爸爸的信 (1995年)
- ブラック・マスク 黒侠 (1996年)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲 黄飛鴻之西域雄獅 (1997年)
- 冒険王 冒險王 (1997年)
- ヒットマン 殺手之王 (1998年)
- リーサル・ウェポン4 Lethal Weapon 4 (1998年)
- ロミオ・マスト・ダイ Romeo Must Die (2000年)
- キス・オブ・ザ・ドラゴン Kiss of the Dragon (2001年)
- ザ・ワン The One (2001年)
- HERO 英雄 (2002年)
- ブラック・ダイヤモンド Cradle 2 the Grave (2003年)
- ダニー・ザ・ドッグ Danny the Dog (2005年)
- SPIRIT 霍元甲 (2006年)
- ローグ アサシン Rogue Assassin / War (2007年)
- ウォーロード/男たちの誓い 投名状 (2007年)
- ドラゴン・キングダム The Forbidden Kingdom (2008年)
- ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor (2008年)
- 建国大業 建国大業 (2009年)- 東京国際映画祭で上映
- エクスペンダブルズ The Expendables (2010年)
- 海洋天堂 海洋天堂 (2010年)
- 白蛇伝説 白蛇傳説 (2011年)
- ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝 龍門飛甲 (2011年)
- エクスペンダブルズ2 The Expendables 2 (2012年)
- ドラゴン・コップス-微笑捜査線- 不二神探 (2013年)
- エクスペンダブルズ3 ワールドミッション The Expendables 3 (2014年)