シュナの旅
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『シュナの旅』(シュナのたび)は、宮崎駿が徳間書店のアニメージュ文庫から出したファンタジー絵物語である。全ページカラー作品、1983年6月初版。英語名はThe Journey of Shuna。
概要
谷の底の小さな王国の王子、「シュナ」という青年の物語である。チベット民話「犬になった王子」(文:君島久子、岩波書店)が元となっている。麦を求めて王子が旅をするという民話で、『シュナの旅』も基本的に同じ構成ではあるが、登場人物・キャラクター等は宮崎独自のもの。
『もののけ姫』の原点であり、設定やストーリーは大きく変更されているものの、登場人物やストーリーの一部に共通点を見ることができる。
登場する人物、動物および世界設定、全体的な雰囲気は『風の谷のナウシカ』にも似通っている。また、この作品に出てくる動物「ヤックル」[1]は、後に『もののけ姫』に、「ミノノハシ[2]」は『もののけ姫』 [3] と『天空の城ラピュタ』[4]に登場している。
スタジオジブリのアニメ映画『ゲド戦記』では原案として使われ、「少年に救われた少女が、物語の最後で少年の心の光を取り戻す」というプロットが共通しているほか、「砂漠に乗り上げた船」「奴隷と人買い」など、映像面にも影響がみてとれる。
ラジオドラマ
60分のラジオドラマ版が1987年5月2日にNHK-FMのFMシアターで全国放送された。録音はデジタル、サラウンドで制作された初のPCMサラウンドドラマと謳われた[5][6]。
- 旅立ち
- 西へ
- 都城にて
- 襲撃
- 神人の土地へ
- テア
スタッフ
キャスト
脚注
- ↑ 『シュナの旅』に出るこの呼称は、一般名詞であるが、『もののけ姫』においては主人公の乗る「アカシシ」を指した固有名詞である。
- ↑ なおこの動物が『天空の城ラピュタ』に登場する際、実在の動物だと誤解した色指定の保田道世が演出助手にこの生き物の取材を要望したが、当然どんな文献にも載っておらず、困り果てた助手が宮崎に相談してようやく真相を知ったというこぼれ話がある。
- ↑ 『もののけ姫 スタジオジブリ絵コンテ全集11』(徳間書店)417頁 ヒネネズミ ナメムジナらと共に、シシ神の森に住んでいるという設定
- ↑ 天空の城ラピュタ スタジオジブリ絵コンテ全集2(徳間書店)515頁 但し「ミノのハシ」と表記される。
- ↑ 「Q and A ANIME」『アニメージュ』1988年4月号。
- ↑ 鈴木清人 沢口真生 若林政人「FMサラウンドドラマ「シュナの旅」制作記」『放送技術』1987年9月号、兼六館出版。