サランラップ
サランラップ (Saran Wrap) は、食品用ラップフィルムの商品名。
サランとサランラップは多くの国ではダウケミカル(アメリカ合衆国)の登録商標だが、日本では同社と旭化成ケミカルズが共有する登録商標(第706999号ほか全5件)となっている。
日本においては旭化成ケミカルズが製造し、旭化成ホームプロダクツが販売している。
歴史
旭化成のサイト[1]ではサランラップの開発経緯について次のように説明されている。このラップはもともと食品用に開発されたものではなく戦場などで銃弾や火薬などを湿気から守るために開発された。戦後、ダウケミカルのラドウィックとアイアンズという二人の技術者がピクニックに行った際に、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルムにレタスを包んでいったことがきっかけとなり食品の保湿と保管としての用途が注目されてその後に正式に食品用ラップとして汎く販売される事となった。この時に商品名は食品用に使う事に気付いた二人の技術者の妻、サラ (Sarah) とアン (Ann) の名前にちなんでサランラップと名付けられた。
日本では、旭化成工業(当時)とダウケミカルの合弁企業だった旭ダウ(1952年設立、1982年に合弁解消のうえ、旭化成工業に吸収合併)によって日本初でありライバルのクレラップ(呉羽化学(現・クレハ))にやや遅れることの1960年に発売開始された。冷蔵庫や電子レンジの普及により、売り上げを伸ばした。
材料
PVDCフィルム(サランフィルム)を用いている。アメリカ合衆国では環境への配慮から、2004年低密度ポリエチレン (LDPE) を材料とするサランプレミアムラップ (Saran Premium Wrap) が発売され主力となっている。
旭化成では、主原料は宮崎県延岡市の「旭化成ケミカルズ・サラン工場」(ちなみにかつては「旭ダウ・延岡工場」(旭化成・延岡工場内))で生産し、航送で三重県鈴鹿市の工場(やはり、旭化成ケミカルズ)へ送られ、そこで「サランラップ」本体を生産している。