ゴータマ・ブッダの菩提樹
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テンプレート:Sidebar ゴータマ・ブッダの菩提樹(ゴータマ・ブッダのぼだいじゅ)は、仏教の開祖 ゴータマ・ブッダがその木の根元に座って悟りを得た菩提樹 (Ficus religiosa、インドボタイジュ)とその挿し木による子孫である。 菩提樹の名前は、菩提がゴータマ・ブッダの別名であったボーディー (Bhodhi)から来ている。つまり、「菩提樹」は「ゴータマ・ブッダの木」を意味する。英語では bo-tree または bodhi-tree と呼ばれ語源を同じくしている。サンスクリット語ではピッパラと言う。
現在のインドのビハール州のブッダガヤにあったが、5世紀頃のインドにおける仏教の弾圧により木は切られた。しかし、菩提樹は挿し木により強く育つので各地に同じ木の枝から育った子孫が移植された。
近年になって、スリランカのアヌラーダプラにあった初代の菩提樹から育てられた、三代目のゴータマ・ブッダの菩提樹が、ブッダガヤの大菩提寺に植えられている。
仏教の弾圧があったと思われる北インドの町カジュラーホーでは、現在は菩提樹はヒンドゥー教の神であるシヴァの木 (Shiva's tree) と呼ばれており、仏陀の木 (Buddha's tree)はガジュマルを指す。 なぜ仏陀の木がガジュマルを指すようになったか。以下の説が考えられる。:
- ゴータマ・ブッダの菩提樹が切られないように、仏教徒が偽の情報を流した。
- 隠れた仏教徒が、ヒンドゥー教のシヴァを崇拝するふりをして菩提樹の崇拝を続けた。
- ヒンドゥー教が仏教の崇拝物を乗っ取った。仏教からヒンドゥー教に改宗したあとも、仏陀の木をシヴァの木として崇拝することを許した。
- 偽の情報を流して、(元)仏教徒にガジュマルを崇拝させようとした。
- 元々仏陀の木は菩提樹ではなく、ガジュマルであった。