ゾル
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(コロイド溶液から転送)
ゾル (ドイツ語 Sol、英語でもつづりは同じ)は、分散系の一種で、液体を分散媒とするコロイドである。分散質は固体・液体・気体がありうるが、狭義には固体を分散質とするものに限る[1]こともある。また、ゾルをコロイド溶液とも言うが、真の溶液ではない。
液体分散媒のコロイドであるゾルに対し、固体分散媒のコロイドをソリッドゾル、気体分散媒のコロイドをエアロゾルと言う。また、分散媒自体の物性は液体であっても、分散質のネットワークにより流動性を失い固体のように振舞うコロイドもあり、それらはゾルではなくゲルと呼ばれる(ソリッドゾルをゲルに含めることもある)。
ゾルはコロイドなので、分散質粒子はコロイド粒子であり、おおよそ1~数百nmサイズである。これより小さいと溶液となり、半透膜を通過する。これより大きいと濾紙で濾しとることができる。ゾルはそれらの中間であり、濾紙は通るが半透膜を通らない。ただしこれらの違いは連続的で、厳密に区別できるものではない。
ゾルの種類
固体分散質のゾルを懸濁コロイド、液体分散質のゾルを乳濁コロイドともいう。懸濁コロイドはコロイドのサスペンジョン(懸濁液)、乳濁コロイドはコロイドのエマルジョン(乳濁液)であるとも言える。
分散媒との親和性から、親液コロイドと疎液コロイドに分かれる。分散媒が水のゾルをヒドロゾルといい、親水コロイドと疎水コロイドに分かれる。同様に、分散媒が有機溶媒のゾルをオルガノゾルといい、親油コロイドと疎油コロイド(後者の呼称は稀)に分かれる。
分散質の集合状態により、分子コロイド、ミセルコロイド、粒子コロイド(固体粒子)などに分かれる。