グリニッジ・ヴィレッジ
グリニッチ・ヴィレッジ (Greenwich Village) は、ニューヨーク市マンハッタン区ダウンタウンにある地区の名称である。
19世紀末期から20世紀半ばにかけて、このエリアは「芸術家の天国」や「ボヘミアニズムの首都」として知られていた。ここはビート・ジェネレーションやカウンターカルチャーの東海岸における中心地であった。20世紀半ばより高級化現象が始まり、アーティストたちはソーホーやトライベッカへと流出していった[1][2]。また、アメリカの同性愛者運動発祥の地といわれ、彼らの権利を守る書店「オスカー・ワイルド (Oscar Wilde)」は、全米でも有名であったが、2009年廃業した。
グリニッジという名前は、オランダ語で「緑の地区 (Green District)」を意味するGroenwijckが英語化されて生まれたものである[3][4]。
位置
方角 | 区境 | 地区名 |
---|---|---|
東 | ブロードウェイ | イースト・ヴィレッジ |
西 | ウェストサイド・ハイウェイ | ハドソン川 |
南 | ハウストン ストリート | ソーホー |
北 | 14丁目 | チェルシー |
概要
北は14丁目、南は ハウストン通り、東はブロードウェイ、西はハドソン川に囲まれた地域。五番街の南端に位置し、セントラル・パークと並んで有名な公園であるワシントン・スクエア公園、大規模私立大学のニューヨーク大学 (NYU)、ジャズで有名なヴィレッジ・ヴァンガードなどがある。
グリニッチ・ヴィレッジの中心にはワシントン・スクエア公園があり、そこから五番街が北に伸びている。ニューヨークで都市計画(1811年委員会計画)が始まる前から住宅地が形成されていたため、14丁目通り以北に見られるような碁盤目状 (グリッド) にはなっていないのが特徴。
このエリアは、19世紀の町並みが今も残るため、アメリカ合衆国国家歴史登録財に登録されている。
北西のハドソン川に隣接する辺りはミート・パッキング・ディストリクト (Meat Packing District) と呼ばれ、個性的なレストランやナイトクラブなどが年々増えている。
ヴィレッジの呼称
ウェスト・ヴィレッジ (en) とは、グリニッジ・ヴィレッジの中で特に6番街より西のエリアを指す。また、サウス・ヴィレッジ (en) とは、グリニッジ・ヴィレッジの中で特にワシントン・スクエア公園より南のエリア(およびソーホーの西のエリア)を指す。イースト・ヴィレッジとは、グリニッジ・ヴィレッジに隣接するブロードウェイより東のエリアを指し、グリニッジ・ヴィレッジとエリアの重複はない。ノース・ヴィレッジと呼ばれるエリアはニューヨーク市にはない。ニューヨーク市では、単に「ヴィレッジ」と言うとき、一般には「グリニッチ・ヴィレッジ」のことを指す。一方の「イースト・ヴィレッジ」、「ウエスト・ヴィレッジ」「サウス・ヴィレッジ」は、常に省略なしで呼称され区別される。
関連項目
脚注
- ↑ 現代美術用語辞典:グリニッジ・ヴィレッジ」
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ NYPL Map Division, Greenwich Village
- ↑ オランダ人入植者Yellis Mandevilleは1670年代にロングアイランドからこのエリアに引っ越してきて、ここをGroenwijckと呼んだ。それ以前のオランダ植民地時代は、ニューアムステルダムの市街地の北に位置していたため、ここは"北の地区" (Northern District) を意味するNoortwyckと呼ばれていた。テンプレート:Cite web