クワス
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クワス(ウクライナ語・ベラルーシ語・ロシア語:квас、[クヴァース];意訳:[酸汁])は、東欧の伝統的な微炭酸の微アルコール性飲料。キエフ大公国時代から知られ、現在はウクライナ、ベラルーシ、ロシアなどで好まれている。
概要
ファイル:Kwass kyjiw.jpg
町中のクワスの販売(2005年、キエフ、フレシチャーティク通り)
クワスはライ麦と麦芽を発酵させて作る。また各家庭においてはパンと酵母を原料として手軽に作られる。アルコール度数は1‐2.5%。
そのまま飲用する他、トマト、キュウリ、タマネギなどの野菜、ハムやゆで卵を細かく切ったものに、クワスを加えて混ぜたものを冷たいスープとしても食べる(オクローシカ)。
ウクライナ、ベラルーシ、ロシアでは伝統的にアルコール飲料ではなくジュースとして飲まれてきた。ソ連時代は大規模な工場で生産されるようになり、町中や公園などでクワスの自動販売機も設置されていた。1991年のソ連崩壊以降、国外から流入してきたコーラなどに押され、一時にクワスは嗜好品としての役目を終えたという説も出るほどであったが、2005年にはニコーラブランドのペットボトル入りクワスが発売されるなど、徐々にクワスの消費量は増加している[1]。
クワスが飲まれる地域では、正教会の修道院でも作られ、修道院のクワス(テンプレート:Lang-ru)と呼ばれている[2][3][4][5]。
歴史
クワスの歴史は古く、古代にまでさかのぼる。原型はビールとクワスの中間のようなものであったとされ、2000年以上前に古代エジプトで出現し、ヒポクラテスやヘロドトス、プリニウスが自身の著作でクワスに近い飲料について記述している。
脚注
- ↑ 沼野恭子『ロシア文学の食卓』 日本放送出版協会 2009年1月30日発行 (2002ページ)ISBN 978-4-14-091126-6
- ↑ 至聖三者修道院での研修 司祭 マルコ 小池祐幸 神父
- ↑ Квас. История, виды, способы приготовления
- ↑ Монастыри Звенигородского края
- ↑ レシピ:Всё о квасе / Рецепты приготовления кваса / Монастырский квас
参考文献
- テンプレート:Uk icon Українські страви. К.: Державне видавництво технічної літератури УРСР, 1961.
- テンプレート:Uk icon Абельмас Н.В. Українська кухня: Улюблені страви на святковому столі. K., 2007.
- テンプレート:En icon Best of Ukrainian Cuisine (Hippocrene International Cookbook Series). 1998.
関連項目
外部リンク
- クワス(全5種)のレシピ ※Webブラウザのエンコードを日本語(EUC)に設定しないと文字化けして表示されます。
- アクロシュカ(全3種)のレシピ
- ロシア料理レシピ ★スープ-СУΠ -
- ロシアの飲み物
- ロシアの食べ物&料理 クワス&キセリレシピ集