クレマンソー級航空母艦

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クレマンソー級航空母艦
FS Foch (R 99)、「フォッシュ」
艦級概観
艦種 航空母艦
艦名 人名
前級 ジョッフル級航空母艦
orボワ・ベロー
次級 シャルル・ド・ゴール
性能諸元
排水量 基準 24,200t 満載 32,700t
全長 265.0m
全幅 51.2m
吃水 7.5m、最大8.6m
機関 蒸気タービン6缶6基 2軸推進
(126,000馬力)
速力 最大 32ノット
航続距離 7,500浬/18kt
乗員 1,338名、航空要員582名
兵装 Mle.64 100mm単装砲×8基
12.7mm機銃×5挺
艦載機 44機

クレマンソー級航空母艦(クレマンソーきゅうこうくうぼかん)は、フランス海軍が建造した航空母艦。同級は2隻建造され、一番艦のクレマンソー1961年に、二番艦フォッシュ1963年に就役した。

2隻とも2000年までにフランス海軍からは退役したが、フォッシュはブラジルが購入しサン・パウロと改名のうえ2012年現在も現役である。

フランス海軍時代の搭載機は、攻撃機シュペルエタンダール(核攻撃能力も付与されている)、戦闘機にアメリカ製F-8E(FN)クルセイダー対潜哨戒機にはアリゼであった。

ブラジル海軍での搭載機は、AF-1 ファルカン(A-4 スカイホークのブラジル名)と各種ヘリコプターである。

概要

フランス海軍は、第二次世界大戦においてほぼ壊滅状態となり、戦後の再建は他の連合国諸国からの供与艦を主力としていた。航空母艦も供与されていたが、それらは軽空母護衛空母であり、排水量も1万トン前後のものであった。

1950年代後半になると、フランスの国力も回復し、それらの艦も性能が陳腐化したために、より大型の国産航空母艦としてクレマンソー級が建造された。アメリカ海軍で使用されていたエセックス級航空母艦とほぼ同程度の大きさで、当時のフランスの独自外交の影響もあり、可能な限り国産化が進められた。

アングルド・デッキの角度は8度、蒸気カタパルトはイギリス製のミッチェル・ブラウンBS5型が艦首とアングルド・デッキに一つずつ装備された。エレベーターは飛行甲板前部中央と艦橋後部右舷舷側に一つずつ装備された。

クレマンソーは1985年の改装により100mm単装砲を8門から4門へ減じて、クロタル短SAMの8連装発射機2基を搭載した。

フォッシュは1987年の改装により100mm単装砲を8門から4門へ減じて、クロタル短SAM8連装発射機2基に加え、ミストラル近SAMのサドラル6連装発射機も2基搭載した。

フォッシュがブラジルに売却される際に、100mm単装砲とクロタル発射機は撤去された。ミストラル発射機については撤去されたか残置されたか定かでない。ブラジルでは2010年にサン・パウロのオーバーホールを行い、このときにミストラルの2連装簡易発射機シンバッドが3基搭載された(仮にサドラルが残置されていたとするとこの際に撤去されている)。

運用搭載機の変遷

フランス海軍への就役当初の搭載機は、戦闘攻撃機エタンダールIV Mを15機、戦闘機にF-8E(FN)クルセイダーを8機、偵察機にエタンダールIV Pを4機、対潜哨戒機にアリゼを8機、その他ヘリコプター数機であった。

1978年から順次、エタンダールIV Mが後継機のシュペルエタンダールに更新された。この時点でシュペルエタンダールは核攻撃能力を持っていなかった。

1986年からシュペルエタンダールの近代化改修が始まり、核弾頭搭載の巡航ミサイルASMP」の運用能力が付与されてクレマンソー級が核攻撃能力を持つこととなった。

2000年のフォッシュ退役時、フランス海軍はF-8E(FN)クルセイダーの最後の運用者となっていた。フォッシュの退役に伴い、F-8クルセイダーの運用は世界的に終了した。

クレマンソー退役後の解体問題

1997年にクレマンソーは退役し、スペインで民間業者に解体される予定だったが、当該業者が契約に違反してトルコに運搬しようとしたため、フランス海軍がイタリア沖で同艦を停止させて契約を解除した経緯がある。退役時に500ないし1000トンの石綿があったとされるが、フランス国内でのアスベスト除去作業により、フランス政府発表によると45トンまでアスベスト残有量が減少したとされる。2006年インドで解体される予定であったが、インドに入港を断られ、フランスに引き返した。その後2009年までブレスト港に係留されていたが、同年2月にイギリス北東部のハートスプールの造船所で解体されることが決定した。

ハートスプールでの解体期間には約1年が見込まれていたが火災事故の発生などにより遅れが生じ、2011年に解体は完了した。

フォッシュの売却

2000年9月にフォッシュはおよそ1200万USドルでブラジル海軍へ売却され、同年11月15日にフランス海軍を退役しブレスト港にてブラジルに引き渡されると同時にブラジル海軍に編入されサン・パウロに改名された。数ヶ月の修理後、16日かけて大西洋を横断し、2001年2月17日にリオデジャネイロ市に到着した。サン・パウロは2012年現在もブラジル海軍の中核をなす空母として健在である。

サン・パウロにおいてはAF-1 ファルカン(A-4 スカイホークのブラジル名)と、SH-3 シーキング等のヘリコプターが運用されている。

また隣国アルゼンチンの海軍機発着艦訓練に用いられた際は、シュペルエタンダールとS-2ターボトラッカーが発着艦したこともある。

同型艦

参考図書

  • 「世界の艦船増刊第80集 航空母艦全史」(海人社)

関連項目

外部リンク


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