キャンシステム
テンプレート:Infobox キャンシステムは、有線ラジオ放送の会社。本社は東京都杉並区。
概要
社名の由来は、Cable Audio Networkの頭文字である。旧社名は日本音楽放送。
ケーブル放送網での音楽提供と衛星受信可能な地域ならば日本全国で聴ける「SPACE DiVA(スペースディーバ)」・「BUSINESS DiVA(ビジネスディーバ)」と呼ばれる衛星放送を主とする。有線放送業界第2位であり、株式会社USENに次ぐ規模となっている。
1962年(昭和37年)に創業。前社長工藤宏が自由が丘(世田谷区)、三軒茶屋(世田谷区)付近で街頭放送を行い始め、その後音楽放送を各飲食店等に配信したのが原点。その後横浜・新宿区柏木町 (西新宿) へ有線音楽放送業として日本音楽放送を設立。その後、関東周辺に数十箇所営業所を設け全国展開。最大営業所数200箇所までとなった。1968年(昭和43年)から始まった日本有線大賞を主催する全国有線音楽放送協会に加盟している。
近年の動向
近年、USENや日本ネットワークヴィジョン (キャンシステム専務取締役であった河野登が社員約500人を引き抜いた会社) がキャンシステムの顧客を取り合うなどで会社全体の経営が悪化し、事業所を縮小をした。結果、訴訟に発展し(顧客情報の漏洩・退職金の未払い請求・損害賠償)争っている。
損害賠償請求訴訟
2003年(平成15年)7月、USEN(当時の社名は、有線ブロードネットワークス)と日本ネットワークヴィジョンは、キャンシステムの従業員496名を一斉に引き抜いて日本ネットワークヴィジョンに移籍させ、これらの元従業員を使って、キャンシステムの顧客5万件以上を不法に奪取した。
公正取引委員会は2004年(平成16年)9月14日、これら一連の行為が独占禁止法に規定する私的独占に該当し、独占禁止法第三条に違反するとして両社に対し排除勧告を行った。両社はこれを応諾したため、公正取引委員会は、同年10月13日、両社に対し当該勧告と同趣旨の審決を下した。
キャンシステムは2005年(平成17年)7月28日、これら一連の不法行為により損害を被ったとして、USENに対し約113億円の損害賠償を求める訴訟(平成17年(ワ)第15368号損害賠償請求反訴事件)を提起した。一方でUSENは、キャンシステムが「有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律」に違反していると主張して、キャンシステムに対し約142億円の損害賠償請求訴訟を提起した。
2008年(平成20年)12月10日、東京地方裁判所は、USENに対しキャンシステムが被った損害の賠償金として20億5189万7081円の支払いを命ずる一方、USENの請求を棄却する判決を下した。
その後、双方共に控訴したが、2010年(平成22年)7月29日に東京高等裁判所にてUSENがキャンシステムに20億円の賠償金を支払うことで和解が成立した。[1][2]
労働組合の設立
キャンシステムユニオンは2006年5月13日に結成し、会社に対して2006年5月30日に結成通知を行った。 その後の組合加入の呼びかけで、既に全国で約250名以上が加入している。
退職金の未払い請求訴訟
東京地裁は2009年10月28日、日本ネットワークビジョンに移籍した退職者の行為は著しく信義に反する背信的行為であるとし、退職は懲戒解雇理由にあたり、退職金を受け取る権利はないと判断した。[3]
関連項目
- 日本芸能出版(キャンマガジンの発行元)
- SPACE DiVA
- 全国有線音楽放送協会
- 弘前ケーブルテレビ
脚注
- ↑ テンプレート:PDFlink、キャンシステム(2010年(平成22年)7月29日)
- ↑ テンプレート:PDFlink、USEN(2010年(平成22年)7月29日
- ↑ テンプレート:PDFlink、裁判所(労働事件裁判例)
外部リンク
- キャンシステム株式会社
- ミュージックラウンジ
- キャンシステムの労働組合(キャンシステムユニオン)