ガンダムヴァサーゴ

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ガンダムヴァサーゴ(Gundam Virsago)は、テレビアニメ機動新世紀ガンダムX』に登場する架空の兵器モビルスーツ・MS)。

本項では改修機であるガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク、バリエーション機についても併せて記述する。

機体解説

テンプレート:機動兵器 第7次宇宙戦争終結後の混沌としたMS開発状況のもと、連邦政府再建委員会が次世代型ガンダムを模索して開発した機体。多くの実験機による試験運用結果をふまえ、ニュータイプ対応装備としてフラッシュシステムを組み込んでいる。ジェネレーターの出力が高く、パワーウェイトレシオの面においては過去のガンダムタイプの機体を凌駕する。背部には大型の翼状のラジエータープレートを装備しており、高出力ジェネレーターの搭載によって発生する熱を効率的に機外へ排出する。また、このユニットは高性能のフレキシブル・バインダーとしても機能し、機体の運動性を高めるとともに展開時には揚力を発生。スラスターの出力も強力であり、機体自体の運動性と相まって、優れた高機動戦闘能力を発揮する。ガンダムヴァサーゴは火力・機動力ともに優れたバランスの良い機体として仕上がっており、ガンダムXと比較しても何ら遜色の無い性能を持つ。この事は、戦後15年を経て既に連邦政府のMS開発技術が戦前と同等以上の水準にまで回復したことを窺がわせるものである。シャギア・フロストの乗機として実戦投入され、かつてのガンダムタイプを相手にその性能を遺憾なく発揮している。

武装

メガソニック砲
主力兵装として腹部に搭載された大口径メガ粒子砲、強力な火力を備える。コンデンサーのエネルギー変換効率が高く、マイクロウェーブ送信による外部電源を用いることなく、内蔵電源のみで高い威力を発揮する。尤もその為に内蔵エネルギーが尽きれば発射不可能になる。発射の際にはラジエータープレートを展開し、上下に展開・分割した腹部装甲の隙間から砲口を露出する。ビーム収束率の任意調節が可能であり、拡散モードでの使用時には広域制圧兵器としても威力を発揮するが、ゲーム作品では収束版のみが採用されるケースが多い。
ストライククロー
折り畳み式の延伸腕部と前腕に装備された鉤爪ユニットによって構成される武装。肩アーマー部に格納されたフレキシブル・アームとインナーフレームの展開により、自由度の高い打突兵器として機能する。また、メガソニック砲を発射する際、姿勢制御の為のアンカーとしても用いられる。クローは普段は鉤爪状だが関節を持ち直線状に形を変える事も可能。
クロービーム砲
アーム先端クローユニット中央基部に装備されたビーム砲。機能的には標準の域を出ないものだが、ストライククローと併用しての多角攻撃が、その本来の威力を増幅させる。
ビームサーベル
標準的なビームサーベルだがグリップのデザインは本機独自のデザインとなっている。普段は腰部背面のマウントラッチに固定している。
ストライクシューター
追加武装として用意された3連ビーム砲とクローを合わせた手持ち複合兵器。2挺をオプションとして装備可能であり、クローによる直接打撃・射撃両面の性能を同時に強化することが出来るが、クロー装着時には手が塞がる為白兵攻撃の自由度は狭まる。 劇中では1話限りの登場だったが、一部ゲームでは標準装備として改良機であるチェストブレイクに継続して装備させている。

備考

ヴァサーゴの名称はソロモン72柱の悪魔の内の1柱である「ウァサゴ」に由来すると云われている。

前作『新機動戦記ガンダムW』に登場したガンダムエピオンにデザインが似通っており、『スーパーロボット大戦』シリーズや『ガンダムVS.ガンダム』シリーズなどで『ガンダムW』のキャラクターにエピオンと間違われたり、逆に『ガンダムX』のキャラクターがエピオンをヴァサーゴと勘違いする場面などが見られる。 

ガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク

テンプレート:機動兵器 ガンダムヴァサーゴの強化改良機。機体の出力や推力等の基本性能の向上は勿論の事、特に武装面において大幅な強化が施されている。大幅な出力上昇に伴ってエネルギー放出時の発熱も増大し、背部のラジエータープレートは6基構成の扇形アクティブ・バインダーに換装され、より高効率の機体冷却が可能となっている。これらのデバイスは更なる微細な姿勢制御を行うと同時に、サテライトシステムの使用時にはマイクロウェーブ受信用のリフレクターも兼ねる実に多機能なユニットである。

武装(チェストブレイク)

クロービーム砲・ビームサーベル
改良前と同じ装備を継続して使用。
トリプルメガソニック砲
従来腹部に1基を装備していたメガソニック砲を新たに胸部最終装甲内に左右1基ずつを増設し、1基あたりの出力自体も増大している。計3基による一斉砲撃はサテライトキャノン並の破壊力を秘めている。砲門の増設により、チャージに要する時間は多少長めとなっているが、従来通り腹部砲門のみでの拡散放射であれば速射が可能である。腹部を割り、胸部装甲を展開して巨大な光芒を放つその姿は、顔面を削ぎ落とされた悪魔の断末魔を思わせ、「チェストブレイク」の名もそこに由来する。
ストライククロー
インナーフレームの装甲撤去や姿勢制御スラスターの追加によって自在な伸長が可能となっており、対衝撃性能が格段に強化されている。柔軟性のある挙動によって、宇宙空間での使用時にはいわゆるオールレンジ攻撃端末に近い形での運用を実現している。また、サテライトランチャーへのエネルギー供給チューブ的な役割も果すようになっている。

本機と、同時期に改装されたガンダムアシュタロン・ハーミットクラブは共にガンダムダブルエックスにも匹敵する高い機体パフォーマンスを誇り、特定の戦闘局面においてはこれを凌駕するほどの性能を獲得している。この2機のMSは、巧みな連携によってフリーデンや宇宙革命軍のMS部隊と戦った。最終的には2機のドッキングによるサテライトランチャーを展開し、ダブルエックスのツインサテライトキャノンと相討つ結果となる。

関連項目

テンプレート:アフターウォー テンプレート:Gundam-stub