カラコルム
カラコルム(テンプレート:Lang-mn 転写: Qaraqorum)は、モンゴル高原中央部のモンゴル国首都ウランバートルから西へ230km、ウブルハンガイ県のオルホン河畔に位置する都市。カラコルムとはテュルク語・モンゴル語で「黒い砂礫」を意味する。ペルシア語資料では قراقوروم Qarā-qūrūm と表れ、漢語資料では哈剌和林、略して和林と表記される。また現代モンゴル語ではハラホリン(Хархорин)と表記される。
「黒い砂礫」の名前の通り、カラコルムの遺跡周辺は現在でも安山岩や玄武岩などの黒い河原石が一面に転がっており、雨水などで濡れると地面が黒っぽく見えるという。1260年に書かれたペルシア語資料『世界征服者史』によれば、カラコルムの名前の由来は都市の近くにある「カラコルム山」という黒色の石材が取れる山の名前に由来していると伝えられている。
歴史
チンギス・ハーンが大西征の兵站基地をこの地に造営し、第2代大ハーンであるオゴデイが1235年に宮殿・城壁を築いてモンゴル帝国の首都に定めた。オゴデイの時代にジャムチ(駅伝制)が整備され、モンゴル帝国各地との結びつきが強められた。
第5代大ハーンであるクビライが首都を大都に定めた後もモンゴル本土の拠点都市として重んじられる。明を建国した朱元璋による北伐を受け、モンゴル族が北方に追われた後は北元の首都となった。
16世紀末、チベット仏教の寺院エルデネ・ゾー建設の資材調達のためカラコルムは荒廃した。その後、しばらく歴史上から姿を消すが、19世紀末にロシアの研究者が遺跡を発見し研究が進められた。20世紀末には日本とモンゴルの共同調査が行われている。
現在、ハラホリンは温泉保養地として知られている。朝青龍の父の故郷でもあり、彼の親族が経営するリゾート施設「ドリームランド」がある。