オール・アメリカン・レーサーズ
テンプレート:旧F1コンストラクター オール・アメリカン・レーサーズ(テンプレート:Lang-en-short)は、アメリカ合衆国のレーシングチーム。インディカーを中心にレース活動を行ったほか、1990年代前半にはIMSAで活躍した。
F1にはアングロ・アメリカン・レーサーズとして1966年から1969年にかけて英国を本拠として参戦、イーグル(テンプレート:Lang-en-short)と名付けた車両で戦った。25レースで延べ34台を出走させた。
目次
歴史
チーム発足
チームは1964年にカリフォルニア州サンタアナにおいてダン・ガーニーが設立、彼がF1のブラバムチームで活動をする合間に米国内でスポーツカーレースの活動を行うためのチームであった。同年、キャロル・シェルビーは自身のコブラスポーツカーにグッドイヤー社のタイヤを装着していたが、同社がインディアナポリスのレースでライバルのファイアストンに挑む体制を求めていたため、シェルビーはガーニーとグッドイヤー社を引き合わせた。契約は成立し、1966年向けのインディカー開発が始まった。ガーニーは1965年のインディ500を制覇したロータスのデザイナーであったレン・テリーを引き抜き、F1とインディカーの双方に使えるイーグル独自のシャシーを設計した。結果的に、米国内レース向けにはイーグル・フォードT2Gとして、またF1向けにはイーグル・クライマックスT1Gとして完成した。
F1
F1に出走するため、ガーニーは英国サセックスにアングロ・アメリカン・レーサーズ社を設立した。イーグル・クライマックスは1966年のベルギーGPでデビューし、その3週間後にはフランスGPで5位に入賞し初のポイントを獲得した。1967年にはリッチー・ギンサーがセカンドドライバーとして契約した。また前年のクライマックス・エンジンに代わって、ガーニーのためにオーブリー・ウッズが設計しハリー・ウェスレイクが英国で製造した3リッターのウェスレイクV12エンジンが搭載された。同年6月のスパでのレースで、ガーニーは初勝利を記録した。これは1921年にジム・マーフィーが記録して以来の「オールアメリカン」の「F1」勝利であった。
イーグル・ウェスレイクは美しい車であると同時に、チタンや新合金を用いた実用的な車でもあった。惜しむらくは、ウェスレイク・エンジンが高出力ながら信頼性に乏しかった点である。エンジンの設計自体はよかったものの、ウェスレイクは英国海軍が第1次世界大戦で用いていた機械の放出品で製造していたのである。この旧式機械は各エンジンごとに部品の交換がきかないほど、出来上がりの寸法にばらつきを生じてしまう代物であったのだ。ガーニーの計画は1968年には予算が底をついていたが、米国ではボビー・アンサーを擁してインディ500の勝利や同年のインディカー選手権を勝ち取るなどうまくいっていたため、彼は米国に戻ってインディカーの計画に集中することにした。
インディカー・CART
インディカーにはF1撤退後も継続して参戦し、1968年・1975年にアンサーのドライブでインディ500を制するなど、1986年に撤退するまで通算51勝を挙げている。また1996年にはトヨタエンジンを搭載した独自シャシーでCARTに復帰したが、こちらは全く成績にいいところがなく1999年を最後に撤退している。
IMSA
イーグルは1989年より、IMSAの中でもプロトタイプレーシングカーによって争われる最高峰のGTPクラスに参戦を開始(エンジンはトヨタ)。当初は当時全盛期を迎えていた日産・GTP ZX-Tやその後継車である日産・NPT-90、ジャガー・XJR-9らの前に苦戦を強いられるが、1991年に投入したトヨタ・イーグルMkIIIの熟成が進むにつれ実力を発揮、1992年・1993年と連続してシリーズチャンピオンを獲得した。
なお1990年のル・マン24時間レースにも「イーグル」を名乗る車が出場しているが、これは本チームとは全く関係のない車なので注意が必要である。
F1での全成績
アングロ・アメリカン・レーサーズ
(凡例) (斜体:ファステストラップ)
年 | シャシー | エンジン | タイヤ | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ポイント | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1966 | イーグル・T1G | クライマックス S4 ウェスレイク V12 |
テンプレート:Goodyear | MON | BEL | FRA | GBR | NED | GER | ITA | USA | MEX | 4 | 7位 | ||||
テンプレート:Flagicon ダン・ガーニー | Ret | 5 | Ret | Ret | 7 | Ret | Ret | 5 | ||||||||||
テンプレート:Flagicon フィル・ヒル | DNQ | |||||||||||||||||
テンプレート:Flagicon ボブ・ボードラン | DSQ | Ret | ||||||||||||||||
1967 | イーグル・T1G | ウェスレイク V12 | テンプレート:Goodyear | RSA | MON | NED | BEL | FRA | GBR | GER | CAN | ITA | USA | MEX | 13 | 7位 | ||
テンプレート:Flagicon ダン・ガーニー | Ret | Ret | Ret | 1 | Ret | Ret | Ret | 3 | Ret | Ret | Ret | |||||||
テンプレート:Flagicon リッチー・ギンサー | DNQ | |||||||||||||||||
テンプレート:Flagicon ブルース・マクラーレン | Ret | Ret | Ret | |||||||||||||||
テンプレート:Flagicon ルドヴィコ・スカルフィオッティ | Ret | |||||||||||||||||
1968 | イーグル・T1G マクラーレン・M7A |
ウェスレイク V12 フォード V8 |
テンプレート:Goodyear | RSA | ESP | MON | BEL | NED | FRA | GBR | GER | ITA | CAN | USA | MEX | 0* | 12位 | |
テンプレート:Flagicon ダン・ガーニー | Ret | Ret | Ret | Ret | 9 | Ret | Ret | 4 | Ret |
* 1968年アメリカグランプリではダン・ガーニーが4位に入賞したが、ポイントはマクラーレン・フォードとしてカウントされ、イーグル・ウェスレイクにはカウントされなかった。
ノンワークス・エントリー
(凡例)
年 | チーム | シャシー | エンジン | タイヤ | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1967 | カストロール・オイルズ Ltd. | イーグル・T1G | クライマックス S4 | ? | RSA | MON | NED | BEL | FRA | GBR | GER | CAN | ITA | USA | MEX | ||
テンプレート:Flagicon アル・ピーズ | NC | ||||||||||||||||
1968 | カストロール・オイルズ Ltd. | イーグル・T1G | クライマックス S4 | ? | RSA | ESP | MON | BEL | NED | FRA | GBR | GER | ITA | CAN | USA | MEX | |
テンプレート:Flagicon アル・ピーズ | DNS | ||||||||||||||||
1969 | ジョン・マリオン | イーグル・T1G | クライマックス S4 | ? | RSA | ESP | MON | NED | FRA | GBR | GER | ITA | CAN | USA | MEX | ||
テンプレート:Flagicon アル・ピーズ | DSQ |