オクタビオ・パス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(オクタヴィオ・パスから転送)
|
オクタビオ・パス(Octavio Paz、1914年3月31日 - 1998年4月19日)は、メキシコの詩人・批評家・外交官。
メキシコ・シティ出身。進歩的文化人だった祖父の影響で文学的関心を深め、19歳で処女詩集『野生の月』を発表している。1937年、内戦下のスペインで開かれた反ファシスト作家会議に参加。翌年に帰国してからは、新世代を代表する作家として精力的な執筆活動を開始する。1944年にアメリカに留学、翌年にはパリに渡る(この時、アンドレ・ブルトンらの知遇を得る)。
1946年には外交官になり、ヨーロッパ各国を転々としながら『弓と竪琴』『孤独の迷宮』などを執筆する。しかしメキシコシティオリンピック直前に起こった反体制デモに対する政府の弾圧に抗議してインド大使の職を辞し、その後はケンブリッジ大学やテキサス大学、ハーバード大学などで教鞭を採りながら執筆活動を展開した。ノーベル文学賞ほか多くの賞を受賞し、自身の主宰する雑誌「ブエルタ」(es)も、1993年にアストゥリアス皇太子賞コミュニケーション及びヒューマニズム部門を受賞した。
主要著作
- 『鷲か太陽か?』"¿Águila o sol?"(1951年)
- 野谷文昭訳.書肆山田,2002.10.
- 『弓と竪琴』"El arco y la lira"(1956年)
- 牛島信明訳 国書刊行会,1990.10. のちちくま学芸文庫、岩波文庫
- 『孤独の迷宮』"El laberinto de la soledad"(1960年)
- 『クロード・レヴィ=ストロース』"Claude Levi-Strauss"(1967年)
- 『マルセル・デュシャン論』"Marcel Duchamp ou le chateau de la puretée"(1968年)
- 『大いなる文法学者の猿』"El mono gramático"(1974年)
- 清水憲男訳 新潮社 1977.5.
- 『泥の子供たち』"Los hijos del limo" (1974年)
- 竹村文彦訳.水声社,1994.4.アンデスの風叢書
- 『くもり空』"Tiempo nublado"(1983年)
- 井上義一,飯島みどり訳 現代企画室,1991.9.
- 『大いなる日々の小さな年代記』"Pequeña crónica de grandes días"(1990年)
- 曽根尚子訳 文化科学高等研究院出版局,1993.3.
- 『エロスの彼方の世界 サド侯爵』"Un más allá erótico"(1993年)
- 西村英一郎訳.土曜美術社出版販売,1997.7.
- 『二重の炎 愛とエロティシズム』"La llama doble"(1993年)
- 井上義一,木村榮一訳.岩波書店,1997.9.
- 『インドの薄明』"Vislumbres de la India"(1995年)
- 真辺博章訳.土曜美術社出版販売,2000.12.
- 『ソル・フアナ=イネス・デ・ラ・クルスの生涯』
- 林美智代訳.土曜美術社出版販売,2006.7.
- オクタビオ・パス詩集 真辺博章 編訳.土曜美術社出版販売,1997.1.
- 続オクタビオ・パス詩集 真辺博章訳 土曜美術社出版販売,1998.9. 世界現代詩文庫
- 三極の星 アンドレ・ブルトンとシュルレアリスム 鼓宗訳.青土社,1998.4.
- もうひとつの声 詩と世紀末 木村榮一訳 岩波書店 2007.5.