オオヨシキリ
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オオヨシキリ(大葦切、Acrocephalus arundinaceus)は、動物界脊索動物門鳥綱スズメ目ヨシキリ科に分類される鳥。
分布
アフリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシア、シンガポール、日本、フィリピン、ブルネイ、マレーシア
夏季はアフリカ大陸北部、ユーラシア大陸中緯度地方で繁殖し、冬季はアフリカ大陸中部以南やユーラシア大陸南部等で越冬する。日本では夏季に亜種オオヨシキリが繁殖のためほぼ全国に飛来する(夏鳥)。
形態
全長18.5cm。雌雄同色で、背面は緑褐色、腹面は淡褐色の羽毛で覆われる。
眼上部にある眉状の斑紋(眉斑)は白く明瞭。嘴の基部から眼を通り後頭部へ続く黒い筋模様(過眼線)が入る。
亜種
- Acrocephalus arundinaceus arundinaceus (Temminck & Schlegel, 1847)
- Acrocephalus arundinaceus orientalis オオヨシキリ - 等
生態
ヨシ原等に生息する。
食性は動物食で、昆虫類、節足動物等を食べる。ヨシ原や周囲の森林で獲物を捕食する。ヨシを切り裂いて中にいる獲物を捕食するとされ、和名の由来とされる。
繁殖形態は卵生。繁殖期には縄張りを形成し、しばしば1羽のオスに対し複数羽のメスによるハーレムを形成する。ヨシの茎や葉等を組み合わせたお椀状の巣を作り、日本では5-6月に1回に4-6個の卵を産む。メスのみが抱卵し、抱卵期間は13-15日。雛は生後11-13日で巣立つ。カッコウに托卵の対象とされることもある。
人間との関係
鳴き声から「行行子」とも呼ばれ、夏の季語とされる。
画像
- Acrocephalus arundinaceus nest.jpg
巣
- Acrocephalus arundinaceus MHNT 323.jpg
卵
関連項目
参考文献
- 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、31頁。
- 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥類III』、平凡社、1986年、156頁。
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、93頁。
- 財団法人日本鳥類保護連盟『鳥630図鑑 増補改訂版』オーク出版サービス
外部リンク
- 2007 IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2004. Acrocephalus arundinaceus. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species.テンプレート:Bird-stub