エンベデッドシステムスペシャリスト試験
テンプレート:Ambox テンプレート:資格 エンベデッドシステムスペシャリスト試験( - しけん、Embedded Systems Specialist Examination、略号ES)は、情報処理技術者試験の一区分である。試験制度のスキルレベル4(スキルレベルは1~4が設定されている。)に相当し、高度情報処理技術者試験に含まれる。
概要
システムエンジニアの中でも、組込みシステム開発基盤の構築、組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う者を対象としている 。
本試験の基となったのは、日本情報処理開発協会(現 日本情報経済社会推進協会)が実施していたマイクロコンピュータ応用システム開発技術者(初級・中級)である。この試験は国家試験ではなく、廃止されるまで上級試験が実施されなかったが、マイコン応用システムエンジニア試験が事実上の上級試験として運営されたと考えられる。
沿革
- 平成8年 (1996年)マイコン応用システムエンジニア試験新設、春期から年一回実施。
- 平成13年(2001年)制度改正によりテクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験と改称及び形式変更。
- 平成17年(2005年)午前の試験時間延長及び出題数増加。
- 平成21年(2009年)制度改正により改称及び形式変更。
形式
- 午前I
試験時間50分。四肢択一式(マークシート使用)で30問出題され全問解答。他の高度情報処理技術者試験と共通のスキルレベル3相当の問題が出題される。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前I試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午前II・午後I・午後IIは採点されない。
- 午前II
試験時間40分。四肢択一式(マークシート使用)で25問出題され全問解答。スキルレベル4かつ重点分野は「コンピュータ構成要素」「ハードウェア」「ソフトウェア」「システム開発技術」であり、コンピュータシステム系統の問題は殆どが重点分野である。スキルレベル3の中で対象は、「システム構成要素」「ネットワーク」「情報セキュリティ」「ソフトウェア開発管理技術」である。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前II試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後I・午後IIは採点されない。
- 午後I
試験時間90分。エンベデッドシステム製品の設計開発に関する中規模の文章題が3問出題され、問1は必須、問2・問3から1問を選択し計2問解答。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午後I試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後IIは採点されない。
- 午後II
試験時間120分。エンベデッドシステム製品の設計開発に関する大規模の事例解析問題が2問出題されいずれか1問を選択し解答。満点の60%を基準点とし、基準点以上で合格となる。
科目免除
下記の試験に合格又は基準点を得れば2年間、午前Iの科目免除が受けられる。
- 応用情報技術者試験に合格すること。
- いずれかの高度情報処理技術者試験に合格すること。
- いずれかの高度情報処理技術者試験の午前Iに基準点以上を得ること。
参考
テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験
- 午前
試験時間100分。四肢択一式(マークシート使用)で55問出題され全問解答。IRT(項目応答理論)によって、最低200点~最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格(午前試験通過)。他区分と共通の内容も出題。
- 当初から平成16年度(2004年度)までは、試験時間90分、50問出題。
- 午後I
試験時間90分。エンベデッドシステムの設計に関して主題の設定となる文章とそれに対するいくつかの小問からなる問題(大問)4問が出題。2問が必須、残り2問のうち1問を選択して回答。必須2問はソフトウェア設計とハードウェア設計。選択2問はソフトウェア設計とハードウェア設計。 素点採点で最低200点~最高800点の5点刻みで採点され600点以上で合格。午前試験が600点に満たなかった者は採点されない。
- 午後II
試験時間120分。エンベデッドシステム製品の設計開発に関する問題(大問)が2問出題され1問を選択して回答。素点採点で、最低200点~最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格。午後I試験が600点に満たなかった者は採点されない。実際の製品を要約した問題が出ることが多い。午後Iと同様で、ソフトウェア設計中心の問題と、ハードウェア設計中心の問題を1題ずつ出題。
その他
- 合格又は午前Iに基準点以上を得れば2年間、他の高度情報処理技術者試験の午前Iの科目免除が受けられる。
- 情報処理技術者試験センターの統計資料による累計値
区分 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
マイコン応用システムエンジニア | 1,833 | 231 | 12.6 |
テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム) | 23,082 | 2,948 | 12.4 |
上記の数値は、統計資料の応募者・受験者・合格者の推移表[1]において、本試験に計上されている。
- 科目免除又は任用資格、これには従前のマイコン応用システムエンジニア、テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)を含む。
関連項目
脚注
外部リンク
- 情報処理技術者試験センター
- 平成21年度からの試験体系図(新着情報)
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)(情報処理技術者試験制度 - 制度の概要)
- テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験(ES) 平成13年度春期から平成20年度春期まで(同上)
- マイコン応用システムエンジニア試験(ME) 平成8年度春期から平成12年度春期まで(同上)
- ↑ テンプレート:PDFlink(情報処理技術者試験センター)