トヨタ・イプサム
イプサム(Ipsum )はトヨタ自動車が生産していたミニバン型乗用車である。
当時の初代ホンダ・オデッセイを始めとするミニバンブームの中で初代モデルは目標販売台数を大幅に上回る受注を獲得し、日本国内外のメーカーから類似車種が発売された。2代目へのフルモデルチェンジで大型化や高級化を図るが、初代ほどの人気は得られず長期にわたって販売されていた。さらにエコカー減税の対象となる競合車の登場で大幅に販売台数を減らし、2009年12月の生産終了をもって13年の歴史に幕を下ろした。
歴史
初代(1996年 - 2001年)
- 1995年 - 第31回東京モーターショーに参考出品。
- 1996年5月 - 登場。コロナプレミオの車台をベースとした排気量2,000ccガソリンエンジン(3S-FE型)および2,200ccディーゼルターボエンジン(3C-TE)を搭載し、5ナンバーサイズのため車体が小さかった。乗車人数は7人乗りのみ。基本的にはツートンカラーで、原色を避けた明るい色が多かった(パープリッシュブルーマイカメタリック等)。
- 1997年8月 - 2WDのディーゼル車が追加され、さらにエアロツーリングが追加された。
- 1998年2月 - 長野オリンピックの公式カーとして、スノーレッツデザインのホワイト・イプサムが登場。オリジナルキャラクターの「イプー」は、初代型のCMやカタログ、更にディーラーオプションのステッカーにても登場した程、当車との関係が深い。後に特別仕様車として「ホワイト・イプサム」が発売。1998年2月の取り扱いはトヨペット店・ビスタ店(大阪では前期型に限り大阪トヨタでも取扱いしていた)。
- 4月 - マイナーチェンジ。マルチリフレクターヘッドランプの採用およびバンパー部等のカラー変更、原色系への移行、落ち着いた色合いへの変更があった。ミラーやフロントグリル、テールランプ、インパネ周り、シートアレンジも変更。さらに、トヨタで初のアクティブトルクコントロール4WDを採用。
- 12月 - 特別仕様車、イプサム スペシャルバージョンを追加。イプサムグレードの2.0L FF車と4WD車をベースに、ボディカラーにダークターコイズマイカに加えホワイトパールマイカ、内装色にアイボリーを採用。内装はプライバシーガラス、木目調のパネル&スイッチベース、4スピーカーなどを特別装備している。
- 2000年4月 - モノトーン仕様が追加設定された。
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前期型リア(ピクニック)
(1996年5月 - 1998年4月) - Toyota Picnic front 20080318.jpg
後期型(1998年4月 - 2001年5月)
- Toyota Picnic rear 20080318.jpg
後期型リア
- Toyota Ipsum 001.JPG
アメリカン ビレット
2代目(2001年 - 2009年)
- 2001年5月 - 登場。2代目は排気量を2,400cc(2AZ-FE型)に引き上げ車体を少し大きくして3ナンバーサイズとなり、車格もホンダ・オデッセイや三菱・シャリオグランディスと並んだ。ただしV6エンジンなどは一切追加されることはなかった。また先代にはあったディーゼルターボも時期の悪さや規制もあり設定されなかった。リヤ床下に大きい収納スペースを搭載したためスペアタイヤは車体中央の床下に搭載されている。それゆえ、イプサム専用のプラットフォームを開発している。これに伴い大幅にデザインとロゴマークを変更(英字筆記体の「Ipsum」から英字活字体の「IPSUM」)。過去には6人乗りの上級グレードが追加されていたが、7人乗りの販売台数が圧倒的な背景があり廃止された。
- 10月 - DVDボイスナビゲーションとブラインドコーナーモニターがセットでメーカーオプション化され、スーパーホワイトII(040)の設定が拡大された。
- 2002年6月 - ヒーターミラーが寒冷地仕様全車にメーカーオプションとして追加設定された。
- 2003年10月 - マイナーチェンジ。内外装デザインの変更、240eの廃止など、多岐にわたる変更が行われた。その後はエンジンの環境・燃費対策、ボディカラー変更、特別仕様車の追加など極細かい変更のみ受けながら、2009年末の生産終了まで6年以上このデザインのまま生産された。
- 2004年2月 - 平成17年基準排出ガス50%低減 『新☆☆☆』を全車で達成(U-LEV)。
- 2005年8月 - 平成17年基準排出ガス75%低減 『新☆☆☆☆』を全車で達成(SU-LEV)。全車のヘッドランプにオートレベリング機能が標準装備された。
- 2009年12月 - 生産終了。2003年より販売台数が下降したが、2007年に同じトヨペット店にマークXジオが登場後も販売が続行され、8年を超える長寿モデルとなった。
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前期型(2001年5月-2003年10月)
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前期型リア
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後期型リア
- Toyota Avensis Verso 20090215 front.jpg
欧州仕様アベンシスヴァーソ
販売
ヨーロッパでは初代が「ピクニック」で輸出され、2代目が「アベンシス・ヴァーソ」の名前で発売された。
香港、シンガポールでは2代目も「ピクニック」名で販売。豪州では「アベンシス」(欧州製のセダン、ハッチバック、ワゴンはなし)として販売されているが、リアハッチ右下のバッジやオーナーズマニュアルは、欧州仕様同様に「AVENSIS VERSO」となっている。
取り扱いはトヨペット店(大阪府は2006年8月7日までトヨタ店。ただしガイアが登場するまでは大阪トヨペット(現・大阪トヨタ)でも取り扱っていた)、ネッツ店(2004年4月まではトヨタビスタ店)。
車名の由来
ラテン語で「本来の」「自分自身の」の意味。
その名の通り、豪華な装備や付加機能などよりも、広さや車としての使いやすさなど、本来性が重視されている車である。
関連項目
- トヨタ・ガイア(初代の姉妹車)
- トヨタ・コロナ(初代とプラットフォームを共有する)
- トヨタ・カリーナ(同上)
- トヨタ・カルディナ(同上)
- トヨタ・ナディア(同上)
- トヨタ・ノア(2代目とプラットフォームを共有する)
- トヨタ・ヴォクシー(同上)
- トヨタ・マークXジオ
- トヨタ・ヴァーソ(欧州における後継車種)
- トヨタ・ウィッシュ
- トヨタ・アイシス
外部リンク
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