イギリスの議会

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テンプレート:Infobox Legislature グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国議会(グレートブリテンおよびきたアイルランドれんごうおうこくぎかい、テンプレート:Lang-en)は、イギリス立法府であり、本国及び海外領土の最高機関である。

概要

ロンドンテムズ川のほとりに建つウェストミンスター宮殿(時計塔の通称「ビッグ・ベン」が代名詞として使用される)が議事堂である。

歴史の項で言及されるとおり、現在のイギリス議会はイングランド議会を実質的な祖としており、歴史上イギリスのイングランド以外の地域(独立したアイルランドも含む)には個別の議会が存在していた(これらの議会は「地方議会」として「復活」しているので「存在している」ということもできる)。このため他と区別して特にウェストミンスターに存在する議会に言及する場合、この議会をウェストミンスター議会と呼ぶことがある。

沿革

中世イギリス諸島の3王国、イングランド王国スコットランド王国アイルランド王国はそれぞれの議会を持っていた。1707年連合法によりイングランドとスコットランドが合同し、グレートブリテン議会 (The Parliament of Great Britain) が成立する。次いで1800年連合法により、アイルランドを含む連合王国議会 (The Parliament of the United Kingdom) が成立する。1911年に制定された議会法によって、慣習となっていた庶民院の優越が法律に明記された。

構成と組織

両院制

テンプレート:Main 下院に相当する庶民院 (House of Commons) と上院に相当する貴族院 (House of Lords)で構成される両院制で、そこで可決された法案を儀礼的に承認するイギリス国王The Crownを合わせた3機関から構成される。

イギリスの法律では、イギリスの主権(sovereign)は両院と王位によって構成される“議会”にあるとされる。議会の長は、儀礼上、イギリス王位である。しかし、王位の存在については、イギリスの憲法を構成する慣習法の一つに「君臨すれども統治せず」とあり、儀礼的なものに留まる。昔の王政時代から、議会制民主主義を歴史的に発達させた国ならではの政治システムが完成している。

議会で可決された法案(庶民院の優越により貴族院が否決・修正しても庶民院が可決していれば庶民院案が通る)が王位に承認されることにより、法令が認可される。王位は、それに在る者の意志と関係なく、儀礼的に可決された法案を承認することとなっていて、首相の助言によって行動するのみである。議院内閣制により、議会に対して責任を負うのは、彼ら大臣である。但し、王位が首相の助言を拒否する権利は、久しく執行されたことがないものの、存在する。この場合、自動的に内閣総辞職か庶民院の解散総選挙となる。また、最高裁判所は伝統的に貴族院に付属する機関であったが、これは2009年10月1日をもって連合王国最高裁判所に改組された。裁判官となる法官貴族は引き続き上院の構成である。

庶民院の優越

1911年に制定された議会法によって、庶民院の優越が定められている。

連続2会期(つまり足かけ2年)、庶民院で可決した法案は、貴族院が否決・修正しても、庶民院案のまま法律となる。貴族院は成立を13か月引き延ばせるだけということになる。金銭法案であると庶民院議長が認定した法案は、貴族院で1か月しか成立を遅らせることができない。首相も今後貴族院から選ばれることはないだろうとされる。

役員

両院とも、議長が議事を統括する。かつて上院議長は大法官が務め、首相の指名により国王が任命していた。2006年7月4日より、互選による独立の上院議長となった。下院議長は選挙で選ばれるが、慣例として全会一致で決まる。

運営

会期制

総選挙の後、国王により議会が召集される。総選挙から総選挙までを1つの議会という単位で呼び、2005年の総選挙後の議会は第54議会である。1つの議会の長さは最長5年と定められている。しかし、近年は4年程度で解散されることが多い。

一方、その中では約1年間の会期がある。多くの場合11月に始まり、冬休み、イースターの休み、春休み、夏休みの休会期間を挟み、次の11月で終わる。

新しい会期は、貴族院議場に両院の議員が集まった開会式での国王演説(施政方針演説)から始まる。ただし、庶民院議員は席がないので、議場内で起立したまま数分間演説を聞くことになる。建前として統治権を「議会における国王」が保持しているということによるが、実際には政府が作成したものを代読する形になる。そして議員は両院に分かれて施政方針に対する討論を開始し、審議がスタートする。

議事手続

採決

両院とも、はじめは発声表決 (Voice Voting) という方法を採っている。これは、議長の「賛成のみなさんは?」という呼びかけに各議員が「賛成」(庶民院:"Aye"/貴族院:"Content")と答え、続いて「反対のみなさんは?」という呼びかけに「反対」(庶民院:"No"/貴族院:"Not-Content")と答えるものである。

全会一致の議案はどちらかの声しか聞こえないのでこれで決まるが、ある程度賛否に分かれている場合は、分列表決 (Division) となる。両議院とも議場の両隣にロビーがあるので、議場を出てそれぞれ賛成と反対に分かれて並び、議場に再入場するときにカウントする方式である。

司法との関係

イギリスの最高裁判所は議会上院に付属していたが、三権分立を厳格化するための改革により、2009年10月1日付けで新設のイギリス最高裁判所へ権限を移行、600年の伝統に幕を下ろした。

機能

アメリカ合衆国のような大統領制の国に比べれば、イギリスのような議院内閣制の国では、行政権を有する内閣立法権を有する議会の信任を必要とし、連帯責任を負うという仕組み上、三権分立は緩やかなものとなる。日本ドイツイタリアなども議院内閣制である。

18世紀の法学者のド・ロルムが「イギリス議会は、女を男にし、男を女にする以外のすべてをなしうる」と表現したこともある。

世界で初めて二院制を採り、議院内閣制を完成させたイギリスは、古くから議会主義の国である。そのため、国家の主権も議会が有する。ここでいう議会は庶民院及び貴族院と国王の三者であるが、政治上の分野においてイギリス国王は、日本の天皇のように議会で指名された首相を任命するなどの儀礼的で形式的な行為しか行えない。

議会法イギリスの憲法の一つ)に、庶民院の優越がある。予算をはじめとする重要本案は庶民院議決が最優先される。また、その他の法案に関しても庶民院が可決した法案は、貴族院が否決するかあるいは審議を先延ばしにしても、庶民院の再可決すれば成立する。庶民院が否決した法案は、貴族院では審議されない。なお、首相は選挙の際に庶民院で多数派を取った政党の党首が就くが、庶民院議員である必要がある。

脚注

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参考資料

  • 『議会主権論の検討-その意味と限界-』元山健(早稲田法学会誌1975-2-20)[1]
  • 『イギリス議会主権-その法的思考-』坂東行和(敬文堂)[2]

関連項目

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外部リンク

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