アルストム
テンプレート:Infobox アルストムまたはアルストーム(英:Alstom )は、アルストムグループを統括する持株会社である。本社はフランス・パリのルヴァロワ=ペレ。
目次
会社概要
アルストムグループの中核企業であり、上場企業(ユーロネクスト)である。おもな子会社には以下のようなものがあり、いずれも世界有数の重電メーカーである。
- アルストム・パワー (Alstom Power)- 発電機、ボイラーなどの電力インフラを担当。
- アルストム・グリッド (Alstom Grid) - 送電事業を担当。
- アルストム・トランスポール (Alstom Transport) - 鉄道車両、トロリーバスなどの交通インフラを担当
子会社の事業
アルストム・パワー
アルストム・グリッド
2010年6月国営電力会社アレヴァより送電・配電部門を買収して子会社化した。この買収はアルストムだけでなく、シュナイダーエレクトリックも関わっており、送電事業をアルストムが、配電事業をシュナイダーエレクトリックが引き継ぐものである。アルストムは2004年にアレヴァに送電部門を売却しており、事実上の買い戻しである。本社はフランス・パリ近郊のラ・デファンス。
アルストム・トランスポール
ボンバルディア・トランスポーテーション、シーメンスと並ぶ御三家の一つで世界の鉄道車両の2割強のシェアを有する大企業である。車体だけでなくモータをはじめとした電装品も製造できる会社である。本社はフランス・パリ郊外のサン=トゥアン。
主な製品
フランス国内向け
- フランス国鉄(SNCF) - TGVの全車両を含め各種機関車・客車・電車・気動車などを多数納入。
- パリ交通営団(RATP) - 地下鉄(メトロ)、路面電車(トラム)、近郊電車(PER)の各車両。
- リヨン交通局(TCL) - 地下鉄車両、路面電車、など。
- 低床電車のブランド「Citadis」シリーズについてはシタディスを参照。
フランス国外向け
- 高速鉄道
TGVタイプの高速鉄道車両・システムを積極的に売り込んでいる他、フィアットの鉄道部門から振り子式車両・ペンドリーノの技術を引き継いでおり、250km/h程度までの路線にはこちらも売り込んでいる。
- イギリス国鉄 - クラス373(ユーロスター用)
- ベルギー国鉄 - PBKA型(タリス)
- オランダ国鉄 - PBKA型(タリス)
- ドイツ鉄道 - PBKA型(タリス)
- AVE - 100系、101系、104系、120系
- 韓国高速鉄道 - KTX-1
- 中国高速鉄道CRH5型電車
- イタリア国鉄 - ETR600、ETR610など
- ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ(NTV) - AGV
- 路面電車
- 超低床電車のブランド「Citadis」シリーズについてはシタディスを参照。
- チューリッヒ市交通局 - VBZ Be 5/6…ボンバルディアとの共同設計。
- 機関車
- Prima - セミ・オーダーメイドタイプの電気機関車、ディーゼル機関車ブランド。
- 電車
- ドイツ鉄道
- 気動車
- Coradiaシリーズ…超低床電気式気動車でホームのかさ上げをせずに運用できる。
- 客車
- 新交通システム
開発中
- AGV - 次世代高速鉄道車両
アルストムリンク式台車
同社が開発した台車の軸箱支持方式は、アルストムリンク式として有名である。
この軸箱支持方式は、従来のペデスタル式(軸箱守式)台車の欠点である軸箱守と軸箱との摺動を防ぐため、軸箱を台車枠から2本のリンクによって支持するものである。同社の開発した方式では、軸距の変化を無くし、軸箱の動きを妨げないようにするため、各々のリンクを段違いに配置したテンプレート:仮リンクとなっているのが特徴である。
日本では一部の大手私鉄(小田急電鉄、東武鉄道、旧営団、阪急電鉄など)で1960年ごろの一時期採用されたことがあり、小田急電鉄の車両では近年(1000形車両・20000形車両)まで継続的に採用されている。
なお、日本国内における製造ライセンシーだった住友金属では、アルストム(リンク)方式とは称さず、「住友リンク方式」と称していた。
日本法人は兵庫県神戸市に所在するアルストム株式会社。
沿革
- 1928年 - トムソン・ヒューストン社とアルザス地方のソシエテ・アルザシエンヌ・コンストリュクシオン・メカニック社が合併してアルストム(Alsthom)設立。
- 1932年 - 電気機関車を製造していたCEF社を買収。
- - 巨大客船ノルマンディー用に当時最高出力となるエンジンを納入。
- 1937年 - トロリーバスを製造していたヴェトラ社を買収。
- 1977年 - フランス北部Paluel原子力発電所に1300MWの発電機を納入。
- 1978年 - フランスの高速鉄道TGVが開業。
- 1986年 - フランス電力公社(EDF)より世界最大出力(当時)となる212MWのガスタービンを受注。
- 1990年 - TGV試験車両が世界最速(当時)の515km/hを記録。
- 1999年 - スイス・ABB社との共同出資でABB・アルストム・パワー社を設立。
- ガスタービン事業をゼネラル・エレクトリック社に譲渡。
- 2000年 - ABB・アルストム・パワー社のABB出資分もアルストムが買い上げる。
- イタリア・フィアットの鉄道部門を買収。
- 2004年 - 経営危機により政府の支援を受ける。
- 送電・配電部門(T&D)をアレヴァに売却。
- 世界最大(当時)の客船クイーン・メリー2を納入。
- 2006年 - アルストム・マリン社の大半の株式を韓国・STXへ譲渡。
- 2007年 - TGV試験車両が鉄輪式鉄道としては世界最速の574.8km/hを記録。
- スペインの風力発電製造会社エコテクニア(現:アルストム・エコテクニア)を買収。
- 2010年 - アレヴァから送電事業を買い戻してアルストム・グリッド社を設立。
関連項目
- ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ - 車両(AGV)を提供
脚注
外部リンク
- ALSTOM(英語、フランス語)
- アルストムジャパン
- アルストム トータル イマージョン 拡張現実