アポロコンピュータ
アポロコンピュータ (Apollo Computer, Inc.) はアメリカのコンピュータ会社で商用エンジニアリング ワークステーションの草分け的存在。 サン・マイクロシステムズより2年先行していた。
沿革
1980年設立。 1989年、ヒューレット・パッカードに買収され消滅。
概要
最初の製品はモトローラ社の68000MPUを使用したDN100という製品である。その後、68000シリーズの進歩とともにDN300, DN600 .... DN3000, DN4500といった製品群を発表した。サーバ製品はDSP80、DSP160などである。またPRISMというRISCアーキテクチャのDN10000という製品もあった。
特徴としてトークンリング方式のネットワークを当初から標準で装備していた。OSはイージス(Aegis)というMultics風の独自のものでネットワークワイドで資源にアクセス可能なアーキテクチャであった。コマンド体系もUNIXと異なり単一ベンダー製ゆえに統一がとられていた。ただ世のUNIX普及に伴いアポロもUNIXを取り込みDomain/OSと名前を変えた。
ウィンドウシステムはOSと一体でディスプレイマネージャという。 入力用ウインドウ(Input pad)と出力ウインドウ(Transcript pad)が別れており、キー入力と処理結果出力が混ざって画面が乱れることがなかった。付属のエディタの機能はInput pad上でも使用可能であり、複雑なコマンド操作が可能であった。
アポロの名前は、創業者の一人が月面探査のアポロ計画に関わったところから付けられたという。
日本ではメンター・グラフィックス社(電気系設計ツールベンダー)のプラットフォームとして知られておりハードウェア込みで販売されていた。 加えて米国では、GM、フォード、クライスラーなど自動車メーカーや航空機メーカーのボーイングなどで機械系設計用としても使われた。
アポロが開発した履歴管理システムDSEE(Domain Software Engineering Environment)は、後にラショナル社のClearCaseの元となった。