はったい粉
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はったい粉(はったいこ、糗粉、麨粉)は、オオムギを炒って挽いた粉。別名は麦焦がし(むぎこがし)、煎り麦(いりむぎ)、香煎(こうせん)。方言名として、煎り粉(いりこ)、御粉(おこ)、散らし(ちらし)、香ばし(こばし)、香粉(こうこ、こんこ、ここ)、はね粉(はねこ)、麦粉(むぎこ)、香しん(こうしん)などがある。
色や香りは、大豆から作られる「きな粉」と混同されやすい。黄土色のような色をしている。
概要
焙煎してあることにより、消化しやすく、素材の甘みがあり香ばしさがある。保存性がありながら、いつでも食べられる簡便食、携行食として重宝されている。チベットでは類似のものをツァンパと呼び、主食としている。
砂糖を混ぜて粉のまま食べても良いが、喉につまりやすいので、多くはお湯で粘土状に練って、練り菓子として食べる。茶で練って食べることもある。粥や茶粥などに混ぜて食べてもよい。
また落雁(らくがん)などの和菓子の原料として用いられる。ホットケーキやクッキー類に混ぜてもよい。
戦時中に食べられていた物でもある。徳川家康も好物であったとされる。
時代劇で、着物や体に土やほこりなどの汚れが付着したことを表現するのに用いられることもある。