はじめてのおつかい (テレビ番組)

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組はじめてのおつかい』は、日本テレビ系列1991年から不定期に放送されているバラエティ番組

概要

同名の絵本はじめてのおつかい』が番組立ち上げのきっかけとなっている。

生まれて初めて一人で「おつかい」に挑戦する子供達の奮闘ぶりを、ドキュメントタッチで描く。

おつかいの中で様々に発生するトラブルなどを通して、子供の自立を応援するだけに留まらず、親子関係のあり方や育児・教育のあり方などを視聴者に改めて考える機会も提供する。子供達の奮闘ぶりには、毎回ゲストも涙する人気番組。

元々は、1988年4月から1994年3月まで日本テレビ系列で放送されていた情報番組『追跡』の1コーナーであった。同番組の終了後、『はじめてのおつかい』のタイトルで2・3時間の単発スペシャル番組として不定期に放送され始める。

現在は年に2回、新春スペシャル(成人の日に放送)と夏のスペシャル(海の日に放送)が放送されている[1]。番組内では新作に加え、過去の名作とその子供たちの成長した現在の様子が報告される「あれから○○年…」シリーズも放送されている。

放送開始から20年以上続いている長寿番組であり、毎回15% - 20%を獲得する高視聴率番組である。これまでの最高視聴率は26.1%。

年間で約100人の子供のおつかいを撮影しており、その中から実際に放送されるのは10分の1程度となっている[2]

出演者

司会者
ナレーター
番組スタート時から担当している。
過去のナレーター

番組制作上の配慮

  • 出演させる子供の選定について、日本テレビでは公募をしていない。主な理由に、番組名を騙って子供を誘拐することや個人情報を取得することを防止する目的がある。また、「うちの子を出して欲しい」との親からの推薦では、子供の素の表情は画面に出てこないとの考えもある。そのため、役所などから紹介を受けた保育所幼稚園に案内書やアンケートを置かせてもらい、返事がもらえた保護者との打ち合わせやロケハンを重ねた上で、出演する家庭を決定している[3]
  • 撮影時には同行スタッフに日本テレビ入構証の所持を義務付けたり、撮影する子供の親から取材承諾書を取り付けている。

工夫した撮影方法

事故やトラブルを避け、子供に撮影であることがバレないようにするために様々な工夫がある。

おまもりマイク
子供の声や口ずさむ歌を離れた場所から収録できるよう、ワイヤレスマイク装置を手製の「お守り袋」に入れて子供に手渡す。この際、親が「お守りの中には神様がいるから見てはいけない」などと念を押すため子供は気づかない。首から下げることによって、肩ひもに付けられた小型マイクが口元のちょうど良い位置に届く仕組み。初期の頃は番組スタッフが作っていたが、最近では子供の嗜好に合わせて親が作ることが多くなっている。
撮影スタッフ
この番組ではディレクターアシスタントディレクターカムコーダで撮影するのが主で、業務用ビデオカメラは車内からの撮影や子供が帰宅した際の撮影に使われる。出演する子供にカメラマンであることがバレないよう、普通の人(工事関係者・店の客など)の格好をしており、農業地帯では農家の格好、漁村地帯では漁師の格好をするスタッフを入れるなどの工夫を加えている。子供が突然目的地を変えることがあるが、その場合は即座に撮影のポジションを変えたり、それに合わせて着替える場合もある。時には自転車を徒歩で追いかけなくてはならない場合もあり、カメラマンの運動量は相当なものになるという。極まれだが、子供が迷った時などにカメラマンが直接助け舟を出すことがある。
カメラ
前日の夜間や深夜に取材先の家にカメラを設置し、カメラがバレないように工夫してある。屋外では、かごや穴を開けた箱などにカメラを隠している。家の中では植木鉢やダンボールなどにセットする。このため、デジタルビデオカメラが登場する以前から小型の家庭用カメラを多用してきた。
その他のスタッフ
撮影スタッフ以外にも、子供の安全を守るための監視役のスタッフも多数おり、服装もカメラマン同様の工夫をしている。また、海上自衛隊など普段撮影出来ない場所は、事前に番組であることを伝え、撮影の許可を取っている。
近所の人の協力
近所の人には番組の撮影があることは事前に伝えているが、過度に手助けをしないことや子どもにバレないようにすることもお願いする。

スタッフ

  • 取材プロデューサー:鏑木クミ子
  • 制作デスク:北村佳子、清水遥香
  • 制作進行:千葉詩織、中島広、落合一大、小林龍介、坂梨麻美、工藤明裕
  • TM:小椋敏宏
  • SW:村松明
  • カメラ:山田祐一
  • 音声:木本文子
  • VE:天内理絵
  • 照明:下平好実
  • TK:井﨑綾子
  • 美術プロデューサー:三浦昭彦
  • 美術デザイナー:熊崎真知子
  • 大道具:中川清
  • 小道具:米山幸市
  • ライン編集:樋口学、田村通康
  • MA:滝澤康、小長谷啓太
  • 選曲:山崎尚志(以前は音効)
  • 音効:中村貴美
  • 編集:宇田川健、菊地健一
  • CG:岡田知子、岡田裕晶
  • 編成担当:渡瀬慶吾
  • 広報:明比雪
  • 美術協力:日テレアート
  • ロケ技術協力:525 Productions
  • 編集技術協力:PROCEN STUDIO
  • ディレクター:山口大輔、佐々竜太郎
  • 演出:中尾尚志
  • プロデューサー:高橋芳夫、福与雅子 / 藤澤季世子
  • チーフプロデューサー:染井将吾
  • 構成・総合演出:大内淳嗣
  • 制作協力:エフロード(以前はフルハウスだったが、同社のテレビ・映像製作部門が分社化)
  • 製作著作:日本テレビ

過去のスタッフ

  • 総監督:佐藤孝吉
  • スタジオ構成:松井尚
  • 制作デスク:安永美和、林彩香
  • 大道具:山田貴順
  • 編成担当:中村圭吾、吉無田剛
  • 広報:河本香織
  • ディレクター:沼尾純也、都丸泰彦、後藤一輝、辰巳洋平
  • チーフプロデューサー:柏木登高橋正弘鈴江秀樹→菅沼直樹
  • 総合プロデューサー:岩間玄(以前は企画、プロデューサー・チーフクリエイターも担当)

テーマソング

主題歌

挿入歌

備考

  • イタリアではこの番組を元にして、おつかいに行った子供をスタジオに呼んで一緒に見るという形式のバラエティ番組が制作されている。当番組でも番外編としてその内容が放送されたことがある。その他、イギリスベトナム中国でも現地版の『はじめてのおつかい』が制作・放送されている。
  • 香港台湾・ベトナム・タイシンガポールマレーシアハワイでは、当番組を現地語に吹き替えたものが放送されている。
  • 東日本大震災の影響により放送取り止めとなった『密室謎解きバラエティー 脱出ゲームDERO!』に代わり、2011年3月16日[4]・4月27日・6月8日には当番組の傑作選が放送された。
  • 2014年1月13日の放送では、プロボクサー亀田和毅が4歳の時に『はじめてのおつかい』に挑戦した際のVTRが放送された。毎年10人に1人程度しかオンエアされない狭き門ということもあり、収録した当時はお蔵入りになっていたが、亀田がWBO世界バンタム級王者になったことを受けて、収録から18年ぶりに初公開されることとなった[5]

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

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  1. 夏のスペシャルに代わって、秋のスペシャル(敬老の日に放送)が放送された年もある。
  2. はじめてのおつかい“5歳3カ月説”の真相とは!?
  3. 「はじめてのおつかい」は日本の伝統文化だった
  4. 一部、ライフライン情報に差し替えた放送局もあった。
  5. ボクシング王者・亀田和毅、18年前の“お蔵入り”「はじめてのおつかい」公開