治部煮
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概要
鴨肉(もしくは鶏肉)をそぎ切りにして小麦粉をまぶし、だし汁に醤油、砂糖、みりん、酒をあわせたもので鴨肉、麩(金沢特産の「すだれ麩」)、しいたけ、青菜(せりなど)を煮てできる。肉にまぶした粉がうまみを閉じ込めると同時に汁にとろみをつける。薬味はわさびを使う。本来は小鳥を用いるとされ、その際は丸ごとすり潰してひき肉状にし、これをつくねのように固めたものを煮立てたという。
歴史
本来の『じぶ』は「カモ肉を鍋に張った汁(醤油、たまり、煎り酒などを混ぜる)を付けながら鍋肌で焼き、汁を張った椀に5切れほど盛ってワサビを添えて出す料理」で、カモの鍋焼きのことだった。これとは別に「ガン・カモ・白鳥などの肉をそぎ切りにし、麦の粉を付けて濃い醤油味の汁で煮、ワサビを添える」という『麦鳥(むぎどり)』と呼ばれる料理があり、これが誤って『じゅぶ』と呼ばれたため、後者のほうが『じぶ』として伝わることになった。
高山右近が加賀にいた折に伝えた欧風料理だともされる。 なお、『じぶ』の名前の由来は
- 豊臣秀吉の兵糧奉行だった岡部治部右衛門が朝鮮から持ち込んだことに因んで呼ばれた。
- 材料を『じぶじぶ』と煎りつけるようにして作ることから呼ばれた。
- 野生の鴨肉を使うことから、フランス料理のジビエから変化した。
など諸説あるが本当の由来は定かでない。