あずみ

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テンプレート:Otheruseslist テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footerあずみ』は、小山ゆうによる日本漫画

概要

ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて1994年から2008年にかけて連載され、「第1部・完」となった。単行本は全48巻(小学館ビッグコミックス)。引き続いて、幕末を舞台にした続編『AZUMI』が同誌にて2014年まで連載された。

江戸幕府初期、泰平の世を作り上げるため、内乱の芽を摘む暗殺集団の一人として「爺」(小幡月斎)に育てられた少女・あずみの戦いと苦悩を描く。戦国から泰平の世へと移りゆく中で必要とされなくなった武人たちの不満にスポットが当てられており、過渡期ゆえの社会不安が物語のベースとなっている。

1997年度第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞のほか、1998年には第43回(平成9年度)小学館漫画賞青年一般部門を受賞した。

登場人物

あずみ
本作品の主人公。小幡月斎によって育てられた少数精鋭の暗殺集団の一人。さっぱりした無邪気な性格で、子供に好かれる。常人を遥かに超える動体視力と俊敏さを兼ね備える少女。珍しい双頭刃の刀を使いこなす。外国人の血が混じっているらしく、目は青みが掛かっており頭髪は茶色っぽい。普段の髪型はポニーテール。月斎との旅路で南蛮織のマントを買い与えられ、以後トレードマークになる。下着は褌。
小幡月斎(おばた げっさい)
あずみ達を幼少より育てあげた人物。剣の達人でもある。戦によって掛け替えのない仲間たちを亡くした経験を持つ。深く尊敬している天海の命を受け、天下平定の為の「枝打ち」をする刺客としてあずみ達を育てた。天海からの使命はほとんど果たしたと言っても過言ではないが、柳生宗矩の陰謀により柳生の刺客団に暗殺される。直前であずみに対して「お前は、何処までも生き抜くのだ!!」と川に放り出し逃がした。
南光坊天海(なんこうぼうてんかい)
徳川家康のブレーン。川越・喜多院の住職。また、天台宗の大僧正でもある。家康をして「お坊を知るのがあまりにも遅すぎた…」と言わしめた。素性は謎に包まれ、生年はハッキリとしない。天下平定のため、月斎に不穏勢力の除去(枝打ち)を要請し、後に刺客に追われる身となったあずみを庇護する。徳川や豊臣といったものを超越した、はるかに高い所から天下のことを考えている稀有な人物である。後に、勘兵衛の配下であった甲賀忍者の飛猿を召抱え、あずみには再び天下のために働く使命を与える事になる。
飛猿(とびざる)
井上勘兵衛に仕えていた忍者。鼻がとても利く(血の臭いも嗅ぎ分けられる)。
勘兵衛亡き後は暫く無気力だったが、天海に出会い、天海のために働こうと決意を新たにする。剣の腕ではあずみに一歩引けを取るものの、卓越した忍の技で幾多の修羅場をくぐり抜けてきた。何度かあずみの窮地を救ったことがある。途中、怪我を負い使命から外れることはあるものの、敵味方関係なく使命に関係した登場人物のほとんどが死んでいく本作『あずみ』の中では珍しく、初登場から長きにわたってあずみと行動を伴にしている。
井上勘兵衛(いのうえ かんべえ)
加藤清正の側近。史実では2代藩主加藤忠広に仕えた後に僧侶として尼崎で人生を全うするが、本作では、両親と姉を徳川家康に惨殺され、復讐のみに生涯を捧げる人物として描かれている。あずみによって主君の清正を討たれ、旗頭と仰いだ豊臣秀頼も失ってしまう。大坂城落城の際には、徳川本陣に単独で斬り込み、家康に届く所まで単身で突進をしたが、相手方の体当たりにより、灯りの火に突っ込み、身体に火が燃え移ってしまう。半身を炎に巻かれながら射た矢は家康に届くことは無かった。あずみによってその場を助け出され火傷の治療を受けることになる。その後は素性を偽り、小野忠明の弟子となって復讐の機会を狙っていた。しかし、家康の側近である本多正純が忠明の道場を訪れた際に、素性を見抜かれる。松井凛太郎と木刀での一騎打ちをさせられ、両腕を折られ、刀を握ることも出来なくなる。悲願であった家康への復讐は、あずみによって果たされるが、主君の仇として、あずみに勝負を挑み散って逝った。仕えていた飛猿によって埋葬された。
千代蔵(ちよぞう)
お鏡の弟。「庭内」を取り仕切る番人的な存在。耳がまったく聞こえず顔が歪んでいる(何らかの発達障害を抱えていると思われる)。長身の割に身のこなしも素早く、長刀を操るその腕前はあずみに匹敵する。彼には姉のお鏡が世界の全てであり、お鏡の命令であれば何でも言うことを聞くため、お鏡は千代蔵の武力を元に力をつけ庭内を統括していた。身体は大きいが知能と性格は幼児と変わらず、感情に任せ滅茶苦茶な行動をとってしまうことも多い。お鏡の死後はあずみがお鏡の代わりとなって引き取り、ともに天海の密命を果たしていくことになった。その類い稀な剣の腕により数々の死線を越えあずみの頼れるパートナーとなっていったが、幕間のある道中で、刺客に不意を突かれ刀を手放してしまっていたあずみに自らの長刀を投げ与えたため無防備になってしまい命を落とした。
柳生宗矩(やぎゅう むねのり)
柳生新陰流柳生宗厳の五男。江戸柳生家の祖、徳川3代に仕え剣術を伝授する。大坂の陣においては八の首を取るという戦功をあげ、2000石の所領を受ける事になった。政治面でも非常に優れており、総目付となりキリシタンを取り締まるなどの任務に当たった。最終的な石高は12500石で、兵法者で大名になったのは宗矩一人である。2代将軍徳川秀忠の参謀役。「あずみ」の劇中においては、あずみを利用し家康を暗殺させるという謀略を放つ。その後、あずみを暗殺する為に次々に刺客を差し向ける。
やえ
佐敷三兄弟に弟の太助を殺され、一時期にあずみらと共に旅をする事になる。控えめで優しい性格をしており、常に他人を優先する。あずみらと別れて母親の住む丹後に行くが、京で女郎をしている時にあずみと再会。あずみを追って京へ来ていた倉石左近と女郎屋で知り合い好意を寄せるようになり、左近が原因で一時期あずみとの関係に亀裂が入る。あずみと柳生の争いに巻き込まれ、あずみの負担になるまいと自ら舌を噛むが一命を取り留めた。
最上美女丸
真田幸村の放った刺客で居あい抜きの達人。ひゅうがを殺し、小幡月斎にも重症を負わせる。女装をしており、言葉使いも女性の様に話す。自惚れている相手をじわじわと痛めつけることに快感を覚える。戦う前に「自分が鍔をつけていないのは受け太刀しないから」と相手に説明する。あずみに倒されて花を抱いて死んで行く。
きく
柳生が放った、「騙し討ち」の暗殺を得意とする一族の一人。男の体と女の心を持つ。あずみを騙し討ちにするつもりだったが、一緒に旅を続けるうちに、あずみの優しさがきくを変えていった。「あずみとずっと一緒にいたい」と言う思いはかなわず、毘沙門天たちの人質となり、非業の死を遂げる。
倉石左近(くらいし さこん)
早くから柳生の里では有名な天才剣士であり、17歳で江戸の柳生道場に入門してきた際には、噂を聞き「倉石左近何するものぞ」と待ち受けていた柳生江戸道場の師範代たちを、一本も取らせず、すべて打ちのめした程の達人と言われている。終生のライバルと思っていた小野派の竜虎、松井凛太郎と貢喬助に打ち勝ったあずみに対して興味を抱いていた。肺を病み、残りわずかの命となった時、最後は病で死すより、自らの誇りをかけ、彼はあずみとの勝負と選んだ。死闘の果てにあずみを道づれにする事もできたが、あえて彼はそれをしなかった。最後まで誇り高き、剣のみに生きた剣士だった。
真弓俊次郎(まゆみ しゅんじろう)
武家の次男坊。向学心に燃える青年。学問を志し、師の烏丸天山と共に諸国に旅する夢を持つが、その為に、結果として父と兄を切腹に追い込むことになってしまった。あずみに惹かれ、あずみも俊次郎に思いを寄せる。あずみを守ろうとし、左近に斬られるが実は致命傷をまぬがれていた。後に雪国の死闘編で再登場するが、理想の実現のために烏丸天山ら友人を陥れることも辞さない歪んだ人間に変貌していた。挫折の果て、麻薬に手を出し、幻覚を見ながら事故死する。
烏丸天山(からすま てんざん)
真弓俊次郎が師と仰ぐ、道々の輩の1人。諸国を巡り、技術、知識を交流させ産業の発展に努める。一行からは先生と呼ばれるリーダー的存在。道々の輩を一網打尽にする大名の計画を、あずみの助けによって逃れることが出来た。その後はあずみ、きくとは別行動で西へと向う。あずみの気持ちを裏切ってしまった俊次郎を諭す場面などもあった。後に再び登場。雪国から出て行く事を許されず、俊次郎によって金山にある牢屋に監禁されていた。衰弱状態の所をあずみによって助け出され介抱を受けるが、その後どうなったかは不明。
金角(きんかく)・銀角(ぎんかく)
無法者集団の首領。傾き者。顔に隈取の化粧をし、派手な着物を着て、乱暴の限りを尽くす。とある領国で、大名の罠にかかり乱暴の限りを尽くしたが、最後、結果的に「道々の輩」たちを助けることになる。映画版の銀角はあずみが好意を寄せていたなちに瓜二つである。金角のことを兄貴と呼ぶ。原作のような悪さはしていない。

月斎に育てられた子供達

ひゅうが
小幡月斎によって育てられた少数精鋭の暗殺集団の1人。小柄ながらも二刀を難なく使いこなす。明るく快活な性格で、かなり口が悪い。性の事には人一倍関心を持ちあずみとやえの入浴を覗いたりと、思春期ならではの行動が目立つ。特徴は繋がり眉毛。丹後に向かったやえに別れを告げに行った際に、真田幸村 が放った女装の剣豪、最上美女丸と出会ってしまい、一刀のみで戦った為、敗れ死亡(腹を切られ苦しむひゅうがに止めを刺したのは飛猿)。遺体は、やえが帰っていった街道が望める丘の上に、あずみの手によって埋葬された。映画版では二刀で戦ったが、やはり敗れて死亡。
うきは
小幡月斎によって育てられた10人の少数精鋭の暗殺集団の1人。常に冷静で、いかなる状況におかれても感情に左右されず行動できると月斎に評され、月斎は密かに、自分が目指した理想の戦士となれると期待していた。奥谷で生活している時からあずみに好意を抱いていたが、あずみがなちを好きと感じるようになってからは身を引いていた。この事を話した後に「今でもあずみが好きだ」と告白。あずみと共に崖から落ちた時にはファーストキスを交わしている。囚われたあずみを助ける為、月斎の言いつけを破り、単身で大坂城に乗り込むが罠に掛かり捕まってしまう。偽りの人質交換話からあずみと戦うことになってしまうが、あずみを助ける為、刀が折れるように細工をして自ら死を選んだ。
映画版では仲間意識がほとんど無く月斎の言うことしか聞かない非常にクールな人物として描かれている。最初の試練の際も何のためらいも無く、それどころか隙をついてゆらを斬り殺すという卑怯な戦法を使った。最後は逃げろと言う月斎の命令を初めて無視し、月斎を助けるために清正の軍に突撃し散っていった。
あまぎ
あずみ達と共に爺に育てられた刺客の一人。素朴で素直。加藤清正(影武者)暗殺の際に甲賀忍者との戦いで軽い手傷を負う。その翌日からの舟での旅を誰よりも楽しみにしていたが、甲賀忍者から受けた手傷から致死量の毒に感染しており、乗船する前に息絶える。映画版では相手の手裏剣により毒を受ける。もう助からないと月斎、うきは、ながらに小屋に見捨てられあずみ、ひゅうがは小屋に残ったが自らの手で自害した。
ながら
小幡月斎によって育てられた少数精鋭の暗殺集団の1人。穏やかで控えめな性格。反乱を企む片桐兵部率いる集団に奇襲を仕掛けるが、槍で腹部を刺されてしまう。うきはに止めを刺してもらい、息を引き取った。映画版では最後まであずみと生き残るが、パート2で仲間のふりをしていた、敵の刺客こずえに殺されてしまう。
なち
小幡月斎によって育てられた10人の少数精鋭の暗殺集団の1人。
10人の中では抜刀が一番速いようだ。月斎の試練であずみと組んでしまい、戦いに敗れ死亡。あずみとは仲が良く、互いに好意を寄せていた。映画版では銀角に瓜二つ。
ゆら
小幡月斎によって育てられた10人の少数精鋭の暗殺集団の1人。月斎の試練でうきはとの戦いに敗れ死亡。
あわ
小幡月斎によって育てられた10人の少数精鋭の暗殺集団の1人。月斎の試練でひゅうがとの戦いに敗れ死亡。ひゅうがと同じく二刀流。
ひえい
小幡月斎によって育てられた10人の少数精鋭の暗殺集団の1人。月斎の試練でながらとの戦いに敗れ死亡。
こもろ
小幡月斎によって育てられた10人の少数精鋭の暗殺集団の1人。月斎の試練であまぎとの戦いに敗れ死亡。

天海の配下

兵介(ひょうすけ)
天海の部下としてあずみ達の仲間に加わる。特技は、「一度顔を見た人間を絶対に忘れないこと」。たとえ対象の人間がどんな変装をしていても、どんな変貌を遂げていようとも瞬時に見破ることができる。「独眼竜謀略篇」ではその特技を生かし、伊達政宗の謀略に加わる反乱軍の一味達を次々と発見してゆく。手先も器用で様々な工芸品を巧みに制作する特技を持つ。あずみに惹かれていくが、最終的には別れる。
金井虎之助(かねい とらのすけ)
南光坊天海に呼ばれあずみの下で共に働くことになった青年。天下の大事の為に働くことを夢みて、幼馴染の立花彦四郎と共に故郷から出てくる。故郷の道場では師範も手を焼くほどの腕前だが、実戦経験は乏しい。「配慮配慮」が口癖。共に暮らす日々の中で、いつしかあずみに異性として好意を抱き、使命よりもあずみを守る事を優先したいと思うようになってしまう。何も出来ずに死んでしまう前にと、あずみに想いを告白した。青華院に攻め入ってきた柳生の一団を見事斬り抜け、梵天丸の城に乗込む事に成功するが、護衛をしていた黄泉路に斬られてしまう。最期は好意をよせていたあずみのくちづけのなか、息を引き取った。
立花彦四郎(たちばな ひこしろう)
あずみの新しい仲間。活発明朗な青年。剣の腕も一流だが、やはり実戦経験は乏しい。天海より使命を受け、新たに送られた。幼馴染の金井虎之助と共に使命にかける。虎之助と同じく、あずみに好意を持つ。
つづら
天海が、雪国の領国の秘密を徳川幕府から守る為に差し向けた隠密。あずみよりかなり前から雪国に潜入し活動していた。浪人衆のなかに溶け込み、彼らが不穏な動き見せないように監視、または国外へその秘密を漏らそうとする幕府の密偵を処分するのが役目。潜入調査の途中で、元斎らに発見され、捕らえられる。集まってきた民衆によって竹槍で突き殺されてしまう。
かがり
つづら、うつぼ、はつねと共に雪国に潜入していた工作員。寺沢玄斎ら浪人衆に潜り込み調査をしていた。最初の頃は、天海から特別に信頼を寄せられているあずみに冷たくあたり、つづらが殺されるのを止められなかったあずみを責める。真弓俊次郎 に頼まれて道々の輩の人達を斬った。玄斎らに捕らわれた際、俊次郎の作る鴉片を服用させられていた為に中毒となる。
「独眼竜謀略編」でも登場。あずみを仲間と認めるようになり、飛猿、兵介、はつねと共に任務にあたる。
はつねとは同じ村で育ち、子供の頃からずっと一緒で、恋人同士ではないが肉体関係を結ぶ仲であった。
はつね
4人の密偵のなかでは唯一の女性。つづらと同様、あずみより先に雪国に潜入していた天海の放った工作員。最初の内は、かがりと同様にあずみを快く思わず、仲間と認めなかった。「独眼竜謀略編」にも登場。あずみ、飛猿、兵介、かがりと共に任務にあたる。
あずみとの入浴の際には雪国での態度を詫び、かがりとの関係やくノ一の技のことなどを語り絆を深める。かがりの協力で元家老、小堀重政に近付き命を狙うが、機会を窺えず失敗。捕らわれの身となってしまった。鴉片の中毒症状に苦しむ中、脱出を試みるが、標的であった小堀重政に斬られ死亡。
うつぼ
他の3人と同様に、あずみより先に雪国に潜入していた天海の放った工作員。かがり・はつねと共に元斎らに捕らえられるが、あずみと飛猿に救い出される。城から脱出途中で、凄腕の剣客、佐川・藤堂に行く手を阻まれる。あずみと飛猿で活路を開くが、藤堂の投げた刀がうつぼの体に当たり、腹部を貫いた。刀で首を突き刺して自害。

京都激闘篇

西田弁蔵(にしだ べんぞう)
天海の配下であり爺(小幡月斎)を師と仰いでいる。天海よりあずみを庇護する命を受け、宝蔵院流槍術の僧達が修行する寺にあずみをかくまい、天海の到着を待つが、その前日泥鵺の襲撃を受けたあずみを救おうとした所、泥鵺の刃を受け死亡。あずみとの初対面時には、月斎をよく知っている証拠として「ほいほい踊り」をしてみせた。
覚玄(かくげん)
宝蔵院流槍術の師範代であったが、実戦の経験は乏しかった。あずみを狙う旗本の刺客、仙道の挑発に乗り彼と勝負。頭を木刀で強打され、半身不随状態に陥った。
泥鵺(どろぬえ)
あずみ暗殺の為に幕府に雇われた忍びの一族の一人。蛇や蛙などをそのまま口にするなど、常識からは考えられない異様な男。仲間からも気味悪がられていた。川に体を洗いに来たあずみを水中に引きずり込み気絶させるが、陸に引き上げた所で息を吹き返したために退却。その夜、あずみの隙をついて武器を奪い水中戦を仕掛けるが、西田弁蔵が助けに入ったため退却。西田弁蔵を斬りあずみに挑むが死亡。

雪国の死闘篇

小西静音(こにし しずね)
小西忠音(こにし ただね)
宣教師の落とし子らしく、普段は下界から断絶された山谷の奥で、育ててくれた乳母と質素な暮らしをしている。雪国の領民達のキリスト教の教祖であり、浪人衆の旗頭でもある。浪人侍が城侍に対してクーデターを起こした際も、双方の間を取り持ち、騒乱が起こらぬように双方の緩やかな和合を目指していたが、本心は別にある。受けた傷が全て一夜にして跡形もなく消えてしまうという奇跡を見せて信者を集めるが、実は双子によるトリックだった。「あずみがこの地(雪国)で無残な死を遂げること」を予言する。
がっち
雪国に住む子供。たえの兄。真弓俊次郎と小西静音を深く尊敬している。父親が足を骨折して働けない為、米泥棒をして妹を養っていたが、屋敷に盗みに入ったところをあずみに見つかってしまう。その際に、盗みを見逃してもらった事がきっかけであずみと仲良くなる。雪国で反乱が起き、家に君主の嫡男である松千代を匿うことになるが、羅刹鴉に見つかり父親、松千代、家臣らも殺されてしまう。仇討ちの為にあずみを探していた所、偶然にも小西静音の正体を知ることになり、捕らわれの身となっていたあずみを助けることになる。あずみの口添えで妹のたえと共に西願寺の和尚に引き取られる。この先も雪国で生きていく為、真実を胸に隠していく事を誓い、雪国を去るあずみを見送った。
羅刹鴉(らせつがらす)
黒装束に身を染めた殺人武装傭兵集団。個々に決められた名前は無く、全員を総じて「羅刹鴉」と名乗る7人組。全員、顔を見られたくないと言う理由で仮面を被っている。それぞれが個性的な殺人武器(巨大なハンドグレネード・ボウガンetc…)を持ち、性格的にも残虐無比、女、子供、誰であろうが、容赦なく殺し尽くすこと…戦いに身を染める事のみに生き甲斐を求めている。大阪の陣で生き残った、玄斎ら8人衆とは旧知の仲。
なか
小西静音と小西忠音の乳母に当たる人物。静音・忠音の話から推測すると奴隷のような扱いであったと思われる。静音・忠音が自分の代わりにあずみを奴隷にすると知ると、不必要な自分は殺されると覚り、あずみを溺死させようとするが、静音・忠音に見つかり、許しを請うが銃で撃たれ死亡。

独眼竜謀略篇

伊達政宗(だて まさむね)
天下の戦国名武将。またの名を「独眼竜」。「奥州の雄」として勇名をはせた。23歳の若さにして、現状に安んじず「奥州独立国」の構想を抱き、自らの野望と賭けに挑戦し続けた人物。天下への野望を秘め、黄金を背景に、秀吉・家康に抗った男として知られている。『あずみ』の劇中においては、徳川の世に不平不満を持っている忍びたちの頭を利用し江戸城に侵入し、将軍・秀忠ほか、幕府の中枢人物を討ち取り徳川幕府を大混乱に陥れよ、という陰謀を企てているという設定で登場する。
宮本武蔵(みやもと むさし)
作州宮本村生まれ。実在した高名な剣士。史実上の宮本武蔵に関しては宮本武蔵の項を参照。武者修行中にたまたまあずみの剣技を目撃し、それに興味を示し、あずみとの手合わせを希望し、あずみを追う。作中で無類の強さを誇るあずみと限りなく互角に近い腕を持つ剣士として描かている。あずみと戦って生き残った数少ない登場人物。
安部蔵人(あべ くらんど)
伊達政宗の家臣。かなりの凄腕。頬に大きな傷跡を持つのが特徴。今回の謀反工作の政宗の護衛でもある。忍び・黒脛巾組を束ねる人物。数十名の手練れ家臣より、安部蔵人の方が、よほど頼りになると信じ、政宗が同行させた。忍びにとっては憧れの、音に聞こえた豪の人物。凄まじい剣の腕と、油断ならぬ鋭い洞察力を持つ。得意技は、相手の投げた手裏剣を素手で掴み、そのまま相手に投げ返すという荒業。飛猿にも重傷を負わせた。
上山八郎(うえやま はちろう)
伊達政宗率いる倒幕計画者の1人。忍びの頭領。猪の兄。崩れてくる木材の下敷きになるところだった親子を助ける。「誠実で心優しい男」と兵介が語っている。宿に訪ねて来たあずみに弟の猪と共に挑むが、猪が雨でぬかるんだ土に足を取られてしまい、得意の連携攻撃を失敗。猪の左足に鎌が刺さってしまう。気を取られた所をあずみに斬られ死亡。
猪(いの)
伊達政宗率いる倒幕計画者の1人である上山八郎の弟。頭は弱いが、腕は兄よりも上であるとの噂。「邪気の無い愛すべき人間」と兵介が語っている。政宗らとの密会のため、村に置いてけぼりにされてしまうが、兄と離れるのには耐えられず、勝手に付いて来てしまった。駄々をこねて同行を認められる、宿に訪ねて来たあずみに八郎と共に挑むが、雨でぬかるんだ土に足を取られ、得意の連携攻撃を失敗し敗れる。遺体はあずみに抱えられ八郎に寄り添う様に置かれた。
向坂郡司(こうさか ぐんじ)
伊達政宗率いる倒幕計画者の1人。忍びの頭領。髭を生やした中年の男。弟子思いの心優しい人物。密会の地へは弟子の茂一、小蝶、登太、彦三を連れて現れる。倒幕計画が幕府に察知された事から、弟子達を初陣に立たせる事に。幕府の刺客らが泊まる宿に乗り込み、弟子達と共にあずみへ挑んだが、あしらわれ逃げられた。茂一の意気込みに後押しされ、宿に戻ってきたあずみに再び挑むが、弟子たちの前で首を斬られて死亡。
彦三(ひこざ)
向坂郡司の弟子。
茂一(もいち)
向坂郡司の弟子。負けん気が強い性格。
小蝶(こちょう)
向坂郡司の弟子。登太の姉。年齢はあずみと同じくらいと思われる。冷静で判断能力に優れる。
向坂郡司とその弟子である茂一、登太、彦三と共に、倒幕計画の密会が行われる地に入る。計画が幕府に察知されていた事からあずみ達と敵対。初陣では弟の登太と2人でかがりを斬ることに成功するが、師匠である向坂郡司があずみに斬られてしまう。元家老片桐忠勝の説教から、復讐する事を諦め、あずみと和解する道を選んだ。
登太(とうた)
向坂郡司の弟子。小蝶の弟。姉思いな明朗快活な少年。向坂郡司とその弟子である茂一、小蝶、彦三と共に、倒幕計画の密会が行われる地に入る。

他メディア

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外部リンク

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