13日の金曜日

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13日の金曜日(じゅうさんにちのきんようび、Friday the 13th)は、英語圏の多くとドイツフランスなどの迷信において不吉とされる日である。忌み数の13と関係がある。

なお、現在多くの国で用いられているグレゴリオ暦では、1年の間に必ず1回以上、最大でも年3回、13日金曜日が現れる(第1日が日曜日である月にある)。またグレゴリオ暦の置閏法は400年を周期とし、400年間の日数14万6097日はちょうど2万871週なので、400年で同じ曜日のパターンが繰り返される。そのパターンでは、13日の曜日の中で最も多いのは金曜日である。

起源

イエス・キリスト磔刑につけられたのが13日の金曜日とされ、キリスト教徒は忌むべき日であると考えている」という俗説があるが、正しくない。なお、当時はローマの暦とユダヤの陰暦が併用されており、福音書の日付は陰暦である。

キリスト教の影響が強い国であっても、イタリアで不吉な日は17日の金曜日であり、スペイン語圏では13日の火曜日が不吉だとされている。13日の金曜日を不吉とするのは、英語圏とドイツ、フランスなどに限られる。ただしフランスでは宝くじの売り上げが急上昇する、幸運な日でもある。

これらの国で13日の金曜日が不吉とされる理由には、いくつもの説があるが、定かでない。13を不吉な数とするものと、金曜日を不吉とするものが独立して生じ、それらが合体したものであるという説が有力である。13日の金曜日を不吉とするのは 19世紀になってからだとする意見もある。

13日の金曜日に関して、いくつかの説を挙げる。

  • キリスト最後の晩餐に13人の人がいたことから、13は不吉な数とされた。また、キリストが金曜日に磔刑に処せられたとされていることから、13日の金曜日が不吉であるとされるようになった。一説には、イヴによるアダムの誘惑も大洪水からノアが脱出したのもバベルの塔が壊されたのも13日の金曜日だと言われるが、聖書にそのような記述はない。
  • 北欧神話では12人の神が祝宴を催していた時に、13人目となる招かれざる客ロキが乱入して人気者のバルドルを殺してしまったとされ、キリスト教以前から13を不吉な数としており、13日の金曜日についても伝説を持つ。それは魔女としてキリスト教に追いやられたフリッグが11人の魔女と悪魔を招いて毎週金曜日に悪事を企んでいたからだという。なおゲルマン諸語で「金曜日」を表す語は「フリッグの日」に由来する。
  • フィリップ4世がフランス全土においてテンプル騎士団のメンバーたちを一斉に逮捕したのが、1307年10月13日の金曜日だった。

事故との関係

13日の金曜日は危険なのか、それとも安全なのかというのは、欧米で交通事故や医療事故などを題材に調査や研究が行われている[1]。交通事故の観点からすると、フィンランドのデータを元に「危険だ」「いや、その調査は不確実な部分が多い」[1]といった報告や、オランダのデータを元に「むしろ13日の金曜日は安全では」[2]といった報告がある。医療事故では、扁桃摘出術を題材に「13日の金曜日だからといって危険になることはない」といった報告がある[1]

これら調査は、単に「迷信を否定する」だけにとどまらない理由がある。医療現場関係者においても「13日の金曜日は不吉」と信じる者がいること、患者の精神状態が病症に影響を与えることを考慮すれば、このような調査により13日の金曜日の危険性がないことを説明できることは、きちんとした意味を持つ[1]

13日の金曜日の出来事


脚注

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関連項目

  • 1.0 1.1 1.2 1.3 「「13日の金曜日」に交通事故は増える!?」日経BP社、2006年3月20日付配信
  • 「13日の金曜日」は通常より安全=オランダ調査」ロイター、2008年6月13日付配信