龍宮
テンプレート:Redirect 龍宮(りゅうぐう、竜宮とも書く)または海宮(かいぐう)は、日本各所に伝わる海神にまつわる伝説に登場する海神の宮。竜宮城(りゅうぐうじょう)などとも呼ばれる。
地域や伝承によっては豊玉彦や海の龍神の住むところといわれている。日本各所の昔話や伝説に登場する。伝承地は必ずしも海辺に限らない(以下参照)。
登場する神話・伝説
海宮
龍宮
- ある人が川で鍬を洗っていて、誤って水中に落とし、水底を探し回っていたら龍宮まで辿りついてしまった。その龍宮では、ただ1人、美しい姫がいて、機織りをしていた。3日目に村へ帰るが、村では25年ほどの時が過ぎていた(龍宮では外の3041分の1以下の時間の流れとなる)。その記念として、機織御前の御社を建てた。
龍宮伝説の源流
中国において蓬莱などの三神山は海上に浮かぶ聖域とされたが、深い海底ないし湖底にも神仙の住む理想郷があるはずとした思想から生まれたのが「龍宮」である。この理想郷は中国本土より移入された日本の側で様々な形で語られるようになる。これが浦島伝説である。
中国の洞庭湖周辺に伝わる「龍女説話」と「仙境淹留( - えんりゅう)説話」を下地に日本化した物語が浦島太郎と推察されている。いずれも溺れる少女を救い、その恩返しとして、水中の別世界に案内され、結婚に至り、日が過ぎて、故郷を懐かしみ、贈り物をいただいて、戻るという展開である。これらの話を日本に伝えたのは、浦島伝説伝承地と根拠地の合致から海人族(日本海側を支配していた一族)とされている。
一例として、蘇州の人である金生は、金龍大王の娘(竜女)といい仲になる。竜女は、「30年後にまた会おう」と約束したが、金生は、「30年後では私はよぼよぼだ」と嘆いた。すると竜女は、「龍宮に老いはない。若さを保つなんて簡単よ」と処方箋を渡して去った。その薬を服用し続けた金生は60歳になっても若さを保ち、一日ほど黄河を渡っていると、上流から蓮の葉に乗る竜女が現れ、連れだって共に神仙に去ったという。
浦島太郎伝説が神仙思想の影響を色濃く反映しているとする考察は、藤田友鍛著『古代日本と神仙思想』(五月書房 2002年 p.233以降)にも詳細がある。
備考
竜宮を舞台にした作品
関連項目
関連画像
- Akama-jingu suiten-mon.jpeg
赤間神宮の竜宮造をした楼門の水天門