炭酸水

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炭酸水(たんさんすい)とは、炭酸ガスを含むのことをいう。ソーダ水・ソーダとも言われる。気泡を立たせ、飲み物に清涼感を与える目的で、ソフトドリンクの多くが原料の1つとしている。炭酸ガスを水に溶け込ませるプロセスを炭酸飽和と呼ぶ。それによって炭酸(化学式は H2CO3)ができる。

家庭向けの炭酸水を製造して抽出するための機器をソーダサイフォンという[1]。ソーダサイフォンを使えば簡単に水と二酸化炭素からソーダ水を作れる。市販のソーダ水は純粋な炭酸水の場合もあるが、クエン酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウムクエン酸カリウム硫酸カリウムジナトリウムリン酸塩などを少量加える場合もあり、メーカーによって異なる。これらの添加物は、家庭で作ったソーダ水の若干の塩味を再現するために加えられている。

歴史

自然の炭酸水は湧き水温泉にも見られ、ブルガリアロドピ山脈の Mihalkovo、マケドニア共和国の Medzitlija、有馬温泉の炭酸泉源 などがある。歴史的に最初テンプレート:要出典のソーダ水は、レモネード炭酸水素ナトリウムを加えた物だとされる。炭酸水素ナトリウムクエン酸化学反応によって炭酸ガスを作っていた。

1769年、イングランド人ジョゼフ・プリーストリーは、イングランドリーズにある醸造所で、ビールの大桶の上にの入ったボウルをつるしておくと水に二酸化炭素が溶け込むことを発見し、炭酸水を発明した[2]。ビールの発酵槽を覆っている空気は 'fixed air' と呼ばれ、そこにネズミを吊るしておくと死ぬことが知られていた。プリーストリーはそのようして出来た水が美味しいことに気づき、冷たく爽やかな飲み物として友人らにそれを提供した。1772年、プリーストリーは Impregnating Water with Fixed Air(fixed air を染み込ませた水)と題した論文を発表し、その中でチョーク硫酸をたらして二酸化炭素ガスを発生させ、そのガスをボウルの中の水を攪拌して溶かし込む方法を推奨していた[3]

1771年、スウェーデン化学の教授トルビョルン・ベリマンも独自に似たような炭酸水の製法を発明した。彼は虚弱であり、自然発生する沸騰を模倣することで、健康に役に立つと考えていた[4]マジャル人イェドリク・アーニョシュ(1800年 - 1895年)は、ソーダ水の大量生産法を発明した。また、ハンガリーブダペストに世界初の炭酸水工場を建設した[4]。その後ハンガリーで、ワインとソーダ水を混ぜたスプリッツァの一種 "fröccs" が作られるようになり、ヨーロッパ中に広まっていった。

現在では炭酸水は炭酸ガスを加圧して作られる。この方法は可溶性を増加させる、つまり、自然界より多くのCO2を水の中に溶解させる。そしてボトルを開けるなどにより、圧力は少なくなり、ガスは特徴的な泡を作り、溶解が解かれる。

アメリカ合衆国では、第二次世界大戦まで「炭酸水 (carbonated water)」よりも「ソーダ水 (soda water)」の名称が一般的だった。世界恐慌のころには、ソーダ・ファウンテンで売られている最も安い飲み物ということで two cents plain とも呼ばれていた。1950年代には「スパークリング・ウォーター」や「セルツァー水」という呼称も使われるようになる。「セルツァー水 (seltzer water)」という呼称は本来はドイツSeltzers産の発泡ミネラルウォーターの一種を指し、商標の普通名称化の一例である[5]

風味付けした炭酸水も販売されている。甘味は添加せず、風味だけを加えている点がソーダとは異なる。レモンライムサクランボオレンジラズベリーといった果物の風味を加えたものが多い。

テンプレート:要出典範囲例えばソーダフロート(上にアイスクリームがのったもの)は、メロンソーダが使われる。

健康への影響

発泡ミネラルウォーターは酸蝕症の原因の1つとされるが、大きな原因ではない。ただのより炭酸水の方が歯を侵蝕しやすく、発泡ミネラルウォーターのガスを抜けば侵蝕する可能性を減らすことができるが、その差はほとんど無く、無視できる程度である。それに対して炭酸入りの甘い清涼飲料水は、炭酸水の数百倍の確率で虫歯の原因となっている。虫歯の発生の大きな原因は砂糖とされている[6]

炭酸飲料の摂取と骨折の危険性に関係は見られず、炭酸飲料の成分が体内のカルシウム量に与える影響は無視できる程度である。したがって、炭酸水は通常の水と同程度に無害である[6]

カロリーを摂取せずに満腹感を得ることができる。ニューヨーク州は近年、肥満や虫歯を防ぐために、糖分を含む飲料ではなく、水、炭酸水や低脂肪牛乳を飲むことを市民に推奨している[7]

関連項目

脚注・出典

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外部リンク

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  • 意匠分類定義カード(C5) 特許庁
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  • 4.0 4.1 三浦基弘『身近なモノ事始め事典』東京堂出版
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  • 6.0 6.1 テンプレート:Cite journal
  • http://www.nyc.gov/html/doh/downloads/pdf/pan/PouringOnPounds.pdf