天国にいちばん近い島
テンプレート:Portal 『天国にいちばん近い島』(てんごくにいちばんちかいしま)は、森村桂の旅行記。1966年に出版された。
概要
子供の頃、亡き父(作家の豊田三郎)が語った、花が咲き乱れ果実がたわわに実る夢の島、神様にいつでも逢える島。働かなくてもいいし、猛獣や虫もいない…そんな天国にいちばん近い島が地球の遥か南にあるという。それが、きっとニューカレドニアだと思い、ニューカレドニアへ行くことを心に誓う。死んでしまった父に、また会えるかも知れない…そう信じて。母が寂しがっていると言えば、心地よいその島暮らしを捨ててでも戻ろうと思ってくれるに違いない。そして、神様の目をぬすんで、父を連れて帰ればいい! そう信じて出発した旅行の顛末。
まだ海外旅行自体が自由にできなかった頃ゆえの苦労、夢と現実のギャップ、現地の人達との交流などの体験が書かれる。
映像化作品
1968年、NHK「朝の連続テレビ小説」の第8作『あしたこそ』としてテレビドラマ化(『違っているかしら』からも一部原作を引用)、1984年に原田知世主演で映画化された。
映画
概要
ニューカレドニアはフランスの植民地で、映画の撮影が行われた翌1985年から独立運動が激化した。撮影当時1984年夏の時点でも既に危険な雰囲気があったという[1]。しかし大林はあえてニューカレドニアの美しい自然をそのまま撮り、映画を観た人が「なんて素晴らしい国なんだろう」と思い、同時に新聞で流血の独立運動が起きていることを知るという作品にしたいと考えた [1] このため「政治」や「社会」は何も描いておらず酷評された[1]。ニューカレドニアは日本からは非常に遠く、当時はまだ馴染みのない国であったが、この映画のおかげでブームをひきおこし、日本人観光客が増え、ロケが行われたウベア島には、島内に唯一のリゾートホテル「パラディ・ド・ウベア」ができたという[2]。
ストーリー
テンプレート:節stub 桂木万里は、急死した父・次郎の葬儀を終え、車の中で父の話していた「天国にいちばん近い島」ニューカレドニアのことを思い出していた。万里は元来、無口でおとなしい性格の女の子だった。父・次郎が時折話すニューカレドニアのことが唯一、万里の心をときめかせていた。万里は葬儀を終えた後、母・光子にニューカレドニアに行きたいということを話す。光子は、無口でおとなしい性格の万里が初めて自分で何かをしようとしていることを認め、万里をニューカレドニアに行かせるのだった。
出演
- 桂木万里:原田知世
- タロウ・ワタナベ:高柳良一
- 深谷有一:峰岸徹
- 村田圭子:赤座美代子
- 酋長:エティエヌ・ワモウ
- トム:ジル・ピーターセン
- ジェローム:ジョルジュ・ワヘオ
- タイチ・ワタナベ:泉谷しげる
- 桂木次郎:高橋幸宏
- 青山良男:小林稔侍
- 山本福子:小河麻衣子
- マダム・ヒロコ:入江若葉
- 西尾久造:室田日出男
- 桂木光子:松尾嘉代
- 石川貞:乙羽信子
スタッフ
受賞歴
- 第3回ゴールデングロス賞優秀銀賞、マネーメイキングスター賞