善福寺川
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善福寺川(ぜんぷくじがわ)は、東京都を流れる荒川水系神田川支流の一級河川である。
行政指定
指定内容は、以下のとおり[1]。
概要
杉並区の善福寺公園内にある善福寺池に源を発する。杉並区を北西から南東に貫くように流れ、中野区の地下鉄丸ノ内線中野富士見町駅(中野検車区)付近で神田川に合流する。
中流の川沿いには都立善福寺川緑地と都立和田堀公園が全長約4.2 kmに渡り整備されている。ただし、これら整備された公園以外の河川敷の歩道は非常に狭い為、通行時のすれ違いには注意が必要である。なお、自転車同士のすれ違いが困難な所もある事から、この様な場所では地元の人以外が立ち入るのは稀となっている。
住宅地の低地を流れる河川であり、古くから氾濫する川として知られる。集中豪雨・台風対策として神田川・環七地下調節池(貯留量:54万立方メートル)を設置し水害対策を行っているが、2005年(平成17年)9月4日に発生した集中豪雨では、想定貯留量を超える雨が川へ流れ込み、中野区と杉並区の一部民家が被災する事態が発生した(浸水被害はおよそ3000戸)。現在でも橋梁付近には防災警報、カメラが設置され、土嚢が常備されている。
なお、都市化とともに善福寺池に流入する水量が激減し、一時期上流部にはほとんど水が流れていなかったが、1989年(平成元年)からは善福寺池からの流出地点にあたる美野山橋のたもとより放水し、渇水を防いでいる。 この水は都の清流復活事業により千川上水へ通されている下水高度処理水を、上水の開渠部終了地点にて回収し、送水しているものである[2][3]。
1959年、杉並区内の善福寺川でBOACの客室乗務員が遺体で発見された事件があり、後に松本清張の作品「黒い福音」のモデルとなった。
流域の自治体
支流
橋梁
- 美野山橋
- 八幡西橋
- 新町橋
- 寺分橋
- (小学校橋)
- 耕整橋
- (中学校橋)
- 原寺分橋 - 「原寺分橋下の湧水」がある。橋の下の川底のコンクリートの割れ目から湧水が流出している[4]。
- 宿橋原橋
- 井荻橋
- 駅通り橋
- 関根橋
- 山下橋
- 丸山橋
- 社橋
- 真中橋
- 城山橋
- 中田橋
- 鍛冶橋
- 出山橋
- 神明橋
- 置田橋
- JR中央線西荻窪駅-荻窪駅間鉄橋
- 本村橋
- 東吾橋
- 荻野橋
- さかい橋
- 荻窪上橋
- 荻窪橋 - (環八通り)
- 忍川上橋
- 忍川橋
- 忍川下橋
- 春日橋
- 松見橋
- 松渓橋
- 大谷戸橋
- 西田端橋
- 神通橋
- なかよし橋
- 西園橋
- 西田橋
- せきれい橋
- 屋倉橋
- 児童橋
- 天王橋
- 相生橋
- 尾崎橋 - (五日市街道)
- 成田上橋
- 成田下橋
- 成園橋
- 白山前橋
- 大成橋
- 御供米橋
- 八幡橋
- 宮下橋
- 宿山橋
- 大宮橋
- 宮木橋
- 大松橋
- 二枚橋
- 済美橋 - (荒玉水道道路)
- 武蔵野橋
- 熊野橋
- 紅葉橋
- 本村橋
- 堀の内橋
- 定塚橋
- 和田堀橋 - (環七通り)
- 霊峰橋
- 光明橋
- 朝日橋
- 駒が坂橋
- 和田廣橋
脚注
- ↑ 1965年(昭和40年)3月24日「河川法第四条第一項の水系及び一級河川を指定する政令」
- ↑ 伊勢橋・旧六ケ村分水口 (練馬区 練馬の歴史と文化財)
- ↑ テンプレート:PDFLink本編16ページ / 2008年 杉並区
- ↑ 菅原健二『川の地図辞典 江戸・東京/23区編』之潮、2007年。ISBN 978-4-902695-04-5