ラジオネットワーク
ラジオネットワークは各地域にある民間放送のラジオ放送局同士が結成した番組交換を主とする組織である。番組を送り出す局は「キー局」と呼ばれる。
日本においては、ニュースネットワークを軸に関係を強化していったテレビとは異なり、音質や番組内容の質のよい番組提供やスポンサー確保など営業の側面から構築されてきた。このことから、AMラジオの場合、たとえ2つのネットワークのどちらか一方の加盟局で多くネット受けされている番組であっても、実態としてはむしろ、ネットワークとしての活動というよりは単に自由な番組売買の結果と判断したほうがふさわしい場合のほうが多い。
大都市圏以外はAMラジオ・FMラジオごとに「一地域一局」というパターンが多く、AMラジオ局では複数のネットワークに加盟(クロスネット局)、FMラジオではJFNから順に単独加盟をしている場合が多い。ラジオネットワークに属さない局は独立局、もしくは独立ラジオ局と呼ばれる。ネットワークを越え、番組が放送される場合は「番組販売」として扱われる。
日本のラジオネットワーク
AMラジオ
なお、火曜会(地方民間放送共同制作協議会、1952年結成)もラジオネットワークの1つとして考えられることもあるが、この組織はあまり浸透されていないことがあり、ネットワークとして含まれないこともある。
FMラジオ
- JFN - 1981年5月設立(1973年に東京・愛知・大阪・福岡の先発4社で締結された協定が源流)
- JFL - 1993年10月1日設立
- MegaNet - 1999年12月1日設立
- 全国FM連合 - NHK-FMと放送大学を除く53の民放FM全社が加盟している
各局を結ぶ伝送路は、NTTの有線回線もしくはマイクロ無線回線を使うのが一般的だが、JFNでは通信衛星とバックアップのISDN回線を用いて回線の強化とコストダウンをはかっている。ほかに番組内容を収録したテープなどを送付している場合もある(テープネット、系列局へ一つの番組を同時に生放送する場合はラインネットと呼ぶ)。
JFLとMegaNetはそれぞれ加盟局内では基本的に番組交換を行わず企画などのやりとりがメインであり、通常のラジオネットワークとはやや性質が異なる。
特殊な例
オリンピックやFIFAワールドカップなどの国際的なスポーツイベントに日本選手が出場する場合、民放ラジオでは日本民間放送連盟(民放連)の主導で中波・FM・短波を問わず(ほぼ)全ラジオ局で全く同じ内容を流すことが多い。
2006年のFIFAワールドカップドイツ大会ではTBSラジオに制作本部を置き、国際映像を見ながら実況する形でほぼ全局に送出された。これは放送権料の高額化で独自に会場にスタッフを送り込むことが困難なことが大きい。
夏の全国高等学校野球選手権大会の中継は朝日放送(ABC)が制作を担当しているが、JRN・NRNの両ラジオネットワークに同一内容の中継番組を配信している。
日本以外のラジオネットワーク
イギリス
イギリスではAM・FM・DABの領域を越えてネットワークが形成されている。また、そのネットワークに加盟する1事業者が2波以上運営している場合もある。