ポール・デルヴォー
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ポール・デルヴォー(Paul Delvaux、1897年9月23日 - 1994年7月20日)は、ベルギー・リエージュ州生まれの画家。
16世紀のマニエリスト達が描いたような女性像や、独自の夢とノスタルジーの世界を築く。作品の中では、無表情で大きな目を見開き、陰毛をあらわにした裸の女性たち、駅、電車、骸骨、拡大鏡で何かを観察している学者などが題材としてくり返し描かれ、背景には石畳の道や線路などが透視図法を用いて描かれることが多く、古代ギリシャの神殿のような建物の遺跡がよく用いられる。静寂さの中に幻想的な世界が広がるその作風によって、「幻想画家」という形容もなされる。1935年以後、運動には直接参加しないままシュルレアリスム展にしばしば出品。長くブリュッセルに住んだが、1994年に没す。
ベルギー北西部のリゾート地KoksijdeのSint-Idesbaldには彼の主要作品を多く所有するポール・デルヴォー美術館[1]がある。愛知県美術館には代表作「こだま」(1943年)が収蔵されている。
日本にあるデルヴォー作品[1]
- 「海は近い」など139点 姫路市立美術館
- 「階段」など18点 横浜美術館
- 「トングルの娘たち」など2点 ポーラ美術館
- 「オルフェウス」(1956年) 松岡美術館
- 「森」 埼玉県立近代美術館
- 「こだま」(1943年) 愛知県美術館
- 「捧げもの」 メナード美術館
- 「夜の汽車」 富山県立近代美術館
- 「夜の通り(散歩する女たちと学者)」 福岡市美術館
- 「出現/クロード・スパーク『鏡の国』のための連作『嵐』より」 宮崎県立美術館