テロ支援国家
テロ支援国家(テロしえんこっか)とは、アメリカ合衆国政府が1979年12月29日にリストを作成した、アメリカ合衆国に敵対してテロリズムを行なう組織に対して資金・装備品提供・潜伏場所確保等の支援・援助を行なっていると見なしている国家のこと。
概要
アメリカ合衆国の政府・議会・報道組織・国民に固有の考え方・表現であり、アメリカ合衆国の政府・議会・報道組織・国民が、アメリカ合衆国に敵対すると見なしている国に対して使用する概念・表現である[1]。現実にアメリカ合衆国に敵対しているのか、敵対していないのかに関係なく、アメリカ合衆国の政府・議会・報道組織・国民がその主観において、アメリカ合衆国に敵対すると見なしている国に対して使用される概念・表現である。
一般にニュースや報道機関等で使われる場合は、アメリカ合衆国国務省が毎年発表している年次報告書「Patterns of Global Terrorism」で、「State-sponsored terrorism(国家が支援するテロ)」を行っていると指定された国々のことである[2]。指定国には、アメリカを中心に武器関連の輸出・販売禁止、経済援助禁止、世界銀行による融資の規制などの措置が取られる。
2013年時点で、アメリカ合衆国国務省はイラン、シリア、キューバ、スーダンの4か国をテロ支援国家と指定している。
アメリカ合衆国政府による指定
現在、テロ支援国家に指定されている国は以下の4か国。
過去に同国からテロ支援国家に指定されていた国は以下の4か国。
- テンプレート:LBY1977(大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国) (2006年に指定解除、その後国交正常化)
- テンプレート:Flagicon 北朝鮮 (2008年に指定解除)
- テンプレート:IRQ1991 (1982年に指定解除し、国交正常化、1990年に再び指定、2004年に指定解除)
- テンプレート:SYE (1990年に指定解除)
アメリカ合衆国以外の政府の見解
アメリカ合衆国以外の国の政府・議会は、テロ支援国家という概念や言葉を、自己表現としては使用していない。例えば日本政府はアメリカ合衆国政府とは異なり、キューバ[3]、イラン[4]、シリア[5]、スーダン[6]、リビア[7]、イラク[8]と友好的な外交関係と貿易・投資関係を継続してきた。
国際連合総会では、1992年から2012年まで21年連続で、アメリカ合衆国に対して、キューバに対する敵視政策の中止および外交関係の回復と貿易・投資の回復を勧告する決議案が提出され、毎年アメリカとイスラエルが反対し、それ以外の大部分の国は賛成して、決議案は採択されている[9][10]。2012年度の国際連合総会では、アメリカ合衆国に対して、キューバに対する敵視政策の中止および外交関係の回復と貿易・投資の回復を勧告する決議案は、賛成188か国、反対3か国(アメリカ合衆国、イスラエル、パラオ)、棄権2か国(マーシャル諸島、ミクロネシア連邦)で可決された[9]。
脚注
- ↑ U.S. Department of State>Under Secretary for Civilian Security, Democracy, and Human Rights> Bureau of Counterterrorism>Terrorist Designations and State Sponsors of Terrorism>State Sponsors of Terrorism
- ↑ U.S. Department of State>Under Secretary for Civilian Security, Democracy, and Human Rights>Bureau of Counterterrorism>Releases>Country Reports on Terrorism
- ↑ 外務省>各国・地域情勢>キューバ共和国
- ↑ 外務省>各国・地域情勢>イラン・イスラム共和国
- ↑ 外務省>各国・地域情勢>シリア・アラブ共和国
- ↑ 外務省>各国・地域情勢>スーダン共和国
- ↑ 外務省>各国・地域情勢>リビア
- ↑ 外務省>各国・地域情勢>イラク共和国
- ↑ 9.0 9.1 U.N.>General Assembly>Documents>Resolutions>67th - 2012>Necessity of ending the economic, commercial and financial embargo imposed by the United States of America against Cuba
- ↑ U.N.>General Assembly>Documents>Resolutions>