キクラゲ
テンプレート:Redirect テンプレート:生物分類表 テンプレート:栄養価 キクラゲ(木耳、学名:Auricularia auricula-judae)は、キクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属のキノコ。春から秋にかけて、広葉樹のニワトコ、ケヤキなどの倒木や枯枝に発生する。主に中国、日本、韓国などの東アジアで食用とされている。
日本では、従来A. auricula (Hook.) Underw.という学名が用いられていたが、実際には上記の学名が優先権を持つことが判明した[1]。
特徴
属名はラテン語の「耳介」に由来する。種小名は「ユダの耳」で、ユダが首を吊った木からこのキノコが生えたという伝承に基づく(英語でもほぼ同様に「ユダヤ人の耳」という)。
形は不規則で、円盤状、耳状など変化に富む。背面の一部で枯木に付着する。子実体はゼリー質でやや半透明、背面は粗毛で白く、表面は暗褐色で滑らか。乾燥すると小さく縮み、湿ると元に戻る。生の状態では脆く破れやすいが、火を通すと名前の通りクラゲを思わせる歯ごたえになる。ほぼ無味無臭。
アラゲキクラゲが南方系なのに対し、キクラゲは北方系のため、アラゲキクラゲよりも少し低い温度で発生する。
類似のキノコ
- キクラゲ科キクラゲ属
- アラゲキクラゲ (Auricularia polytricha)
食用
一般にキクラゲと言うとシロキクラゲ科シロキクラゲ属も含んだキクラゲ類の総称で、主に乾燥品として流通しているが、近年は生のキクラゲも市場に流通している。生キクラゲは、乾燥品を水戻ししたものより、より弾力性と歯ごたえに富む。
黒いキクラゲは中華料理や豚骨ラーメンの具としてもおなじみで、主に炒め物、酢の物、刺身、チゲ、ナムルなどに用いられる。精進料理、普茶料理でも多用され、それから変化した大分県中津市の和菓子巻蒸にも使われている。
シロキクラゲは、主に中華料理のスープの具や、砂糖の汁で煮たデザートの具として使われる。
乾燥品は食べる前に水かぬるま湯で戻し、石突き(根本)部分を切り落とす。中国の市場では、すぐに使えるように水で戻したキクラゲも売られている。
栽培
中国、台湾、日本、ベトナムなどで仲間のアラゲキクラゲなどと共に広く、ほとんどが原木で、一部では菌床で栽培される。害菌抵抗性も高く、原木栽培は比較的容易。生育温度が 18~23℃程度であるため、菌床栽培では種菌接種から蔓延開始までの期間は、害菌に汚染されないための管理は重要。
- 原木栽培
- 原木伐採は休眠期(11~3月)に行い、数ヶ月の乾燥の後、種菌を接種する。
- 排水良好な、直射日光の当らない、散水管理が可能な林地に伏せ込む。
- 発生は、接種年の 7月下旬頃から始まり、翌年は春から降雨の都度発生する。
- 3~5年程度継続。
原木に生えた状態の子実体は軟らかく破れやすいので、収穫は慎重に行う。いったん乾燥させてしまえば丈夫になる。
参考画像
- Auricularia auricula-judae JPG.jpg
Auricularia auricula-judae (Fr.) Quél.
- Hirneola auricula-judae (xndr).jpg
- Auricularia auricula-judae a.JPG
- Auricularia auricula-judae (xndr).jpg
脚注
関連項目
外部リンク
- キクラゲ - 森林総合研究所 九州支所
- キクラゲに関する論文 - CiNii 国立情報学研究所
- 栽培
- キクラゲ栽培 (PDF) - 特許庁
- シロキクラゲ栽培 (PDF) - 特許庁
- あらげきくらげの原木栽培法 - 株式会社キノックス
- あらげきくらげの空調栽培・ブロック栽培法 - 株式会社キノックステンプレート:Link GA