エアバス・ヘリコプターズ
テンプレート:Infobox エアバス・ヘリコプターズ(Airbus Helicopters、旧称 ユーロコプター・グループ(Eurocopter Group))は、世界屈指の大手ヘリコプターメーカである。ユーロコプターはエアバス・グループの子会社であり、民間・軍用双方のヘリコプターの製造・サポートを行っている。
2001年、世界全体では40%、アメリカ合衆国では30%のヘリコプターのシェアを誇るテンプレート:要出典。
目次
歴史
1992年にフランスのアエロスパシアルとドイツのメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(ダイムラークライスラー・エアロスペース)の、双方のヘリコプター部門が合併してユーロコプターが設立された。ユーロコプターはメッサーシュミットやフォッケウルフ、リオレ・エ・オリビエやブレリオの系譜を受け継いだ企業でもある[1]。1995年に初飛行し、フライ・バイ・ワイヤを採用したNHインダストリーズ NH90の開発に携わり、フェネストロンを採用したEC 135も開発した。2000年には親会社が合併し、EADSとなったことでユーロコプターの株主も一元化され、EADSの完全子会社となった。 2014年1月、ブランド戦略のため「エアバス・ヘリコプターズ」に社名を変更した。これに先駆け、親会社のEADSも社名を「エアバス・グループ」に変更している。
今日、ドイツのドナウヴェルト、オットブルン、カッセルとスペインのマドリード、アルバセテとフランスのマリニャーヌ、ラ・クールヌーヴへ7つの工場を保有している。さらに世界中に24社が子会社としてユーロコプターと契約している。
日本において
日本においてはエアバス・ヘリコプターズ・ジャパン株式会社が輸入販売を行っている。以前は伊藤忠商事が株式の90%を保有するユーロヘリ株式会社が日本におけるユーロコプターの総代理店となっていたが、ユーロコプターが伊藤忠商事の保有するユーロヘリの株式90%のうち80%を買い取り子会社化し、2009年4月1日から社名をユーロコプター・ジャパンに、2014年1月8日に現社名に変更した。[2]
兵庫県神戸市の神戸空港島に、2012年4月に整備場と訓練施設の拠点となる格納庫が設置された。[3][4][5]
製品
製品はすべて回転翼機(ヘリコプター)であり、固定翼機などは製造していない。
民間用
画像(所属) | 機種名・特徴 | エンジン | 初飛行 | 乗員 / 乗客 |
---|---|---|---|---|
180px ポーランド・個人所有機 |
EC120 コリブリ(Colibri ) |
ターボメカ・アリウス2F x 1 | 1994/4/21 | 2人 / 5人 |
180px イタリア消防ヘリ |
AS350 エキュレイユ(Ecureuil) 小型単発機 |
ターボメカ・アリエル1B x 1 | 1974/6/27 | 2人 / 4人 |
180px 日本・民間救急ヘリ |
AS355 エキュレイユ2 小型双発機 |
ターボメカ・アリウス1A x 1 | 1979/10/3 | 2人 / 4人 |
180px ポーランド・個人所有機 |
EC130 小型単発機 |
ターボメカ・アリエル2B1 x 1 | 1999/6 | 2人 / 6人 |
180px 読売新聞社所有機 |
EC135 小型双発機 |
P&W 206B2 または ターボメカ・アリウス2B2 x 2 |
1994/2/15 | 2人 / 6人 |
180px ウルム連邦軍病院所属機 |
BK117(MBB/川崎 メッサーシュミット・ベルコウ・ブロームと川崎重工の共同開発機 |
ターボメカ・アリエル1E x 2 | 1979/6/13 | 2人 / 9人 |
180px 2011年パリ航空ショー |
EC145T2 BK117C2の改良版 |
ターボメカ・アリエル2E x 2 | 1979/6/13 | 2人 / 9人 |
180px 朝日新聞社所有機 |
AS365 ドーファン(Dauphin) 消防・警察・報道・輸送など、あらゆる用途で運用される中型機 |
ターボメカ・アリエル2C x 2 | 1965/4 | 2人 / 12人 |
180px フジテレビジョン所有機 |
EC155 ドーファン(Dauphin) AS365を高性能化・低騒音化した機体 |
ターボメカ・アリエル2C1 x 2 | 1965/4 (SA365として) |
2人 / 11人 |
180px ドイツ連邦警察署所属機 |
AS332 シュペル・ピューマ(Super Puma) 重量物資輸送に使用される大型機 |
ターボメカ・マキラ1A1 x 2 | 1978/9/13 | 2人 / 24人 |
180px 海上保安庁所属機 |
EC225 シュペル・ピューマ マークII+(Super Puma mkII+) AS332の機能と整備性を向上した機体 |
ターボメカ・チェルモC x 2 | 2000/11 | 2人 / 21人 |
軍用
画像(所属) | 機種名・特徴 |
---|---|
180px スペイン空軍所属機 |
EC120B コリブリ(Colibri ) EC120の軍用型、小型汎用ヘリ |
180px デンマーク空軍所属機 |
AS550 フェニック(Fennec ) AS350 エキュレイユの軍用型、小型汎用ヘリ |
180px アルゼンチン海軍所属機 |
AS555 フェニック2(Fennec 2 ) AS355 エキュレイユ2の軍用型であり、AS550 フェニックの双発型 |
180px スイス空軍所属機 |
EC635 EC135の軍用 |
180px アメリカ陸軍所属機 |
UH-72 ラコタ (Lacota) EC145の軍用型 |
180px イスラエル空軍所属機 |
AS565 パンテル(Panther ) AS365 ドーファンの軍用型 AS565UB - 陸軍向け対戦車攻撃型 AS565SB - 海軍向け対潜・対水上戦・捜索救難型 |
180px スイス空軍所属機 |
AS532 クーガー(Cougar ) AS332 シュペルプーマの軍用型。汎用輸送型だが武装タイプもある |
180px パリエアショーでのデモンストレーション機 |
EC725 クーガーMkII+(Cougar MKII+ ) AS532のキャビンを大型化、搭載重量を引き上げた機体 |
180px ドイツ連邦軍所属機 |
EC665(Tiger ) 戦闘ヘリ |
180px ドイツ国際航空ショーでのデモンストレーション |
NH90 4カ国共同開発の大型ヘリ(NHインダストリーズ) |
製品の特徴
メインローターの回転方向
ユーロコプターの機体の中で旧アエロスパシアルの機体は、メインローターが上から見て時計回りに回転している。一方、米国メーカーは反時計回りであることが多い。これによってテイル・ロータが発生している推力の向きも逆になるため、推力を変化させた際のパイロットによるアンチトルク操作が逆になる、よって機種を転換する場合にはその点において考慮が必要である。
フェネストロン
ユーロコプターはフェネストロンと呼ばれる、埋め込み型テイルローターの先駆者でもある。これは一般的なテイルローターよりも安全で、効率も高いと同社は主張している。また、騒音が小さいことも大きなセールスポイントとしている。
ブルーエッジ
2010年には、メインローターのブレード先端を特殊な形状に加工することよって、騒音を低減する「ブルーエッジ」と呼ばれる技術を開発した。またブレードの後部にあるフラップを動かすことで、周期的に発生するヘリ特有の騒音を低減する「ブルーパルス」という対策技術も同時に発表した。
開発中の製品
世界記録
関連項目
脚注
外部リンク
- 公式サイトテンプレート:En icon
- エアバス・ヘリコプターズジャパン株式会社 - 日本総代理店
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 社名変更のお知らせ - 2014年1月8日 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン ニュース
- ↑ 神戸空港島に仏ヘリ会社 数十億円投資、整備場を設置へ - 2010年9月9日 朝日新聞
- ↑ ヘリ世界最大手の日本法人 神戸空港に格納庫 - 2012/04/17 21:51 神戸新聞
- ↑ ユーロコプター、日本で更なる成長をめざし合併と神戸空港新格納庫への移転 - 2012/04/17 ユーロコプタージャパン ニュース