ウルム
ウルム(アレマン語・標準ドイツ語:Ulm)は、ドイツ連邦共和国のバーデン=ヴュルテンベルク州南部に属する都市。
世界で最も高い尖塔を有するウルム大聖堂、ルネ・デカルトが直交座標系を思いついた地、物理学者アルベルト・アインシュタインの出生地として知られる。人口は約12万人(2004年末)。
地勢・産業
ドナウ川の左岸、バーデン=ヴュルテンベルク州とバイエルン州の州境に位置する。商工業が盛ん。近隣の都市としては、ドナウ川の東側に隣接するノイウルム(新ウルムの意)、約70キロ東にアウクスブルク、55キロ西にロイトリンゲン、70キロ北西にシュトゥットガルトが挙げられる。
歴史
ドナウ川沿いに位置したため、中世より交通の要所として栄えた。12世紀には、帝国都市としての特権を認められた。1327年にはツンフト闘争を通じて、手工業者が市政に関わるようになった。14世紀後半に成立したテンプレート:仮リンクにおいては、中心的な役割を果たした。1619年、フランスの哲学者デカルトは、この街の近郊にある炉部屋での思索を通じて、生涯を通じて彼を虜にする「驚くべき学問の基礎」を見出したとされる。
1805年、20万を超えるナポレオンの大軍が、ウルムでオーストリア軍を撃破した。この2ヶ月後、ナポレオンはアウステルリッツの戦いで、オーストリア・ロシア軍に大勝を収めることになる。
第二次世界大戦においては、旧市街の80パーセントほどが破壊される打撃を被ったが、大聖堂は無事であった。また、街も戦後に復興を果たして今日に至っている。
文化
ミュンスターと呼ばれるゴシック建築のウルム大聖堂(厳密には小教区教会)が有名である。尖塔は高さが161.53メートルで、教会の塔として世界一の高さを誇る。また、指揮者カラヤンは、この街の市立歌劇場において、オペラ『フィガロの結婚』でデビューを果たしている。
東京タワーの第一展望台とほぼ同じ高さの尖塔の先端140m近辺まで、螺旋階段により登ることができる。登り切るまで約30分かかる。螺旋階段には大きな風抜きの窓が随所に開けられており、降りは遥か彼方下方に小さな人影をみて、地震が来て塔が崩れないことを祈る心地になる。
人口10万人程度の地方都市であるが、町にはLRT:路面電車(シュトラーセンバーン)が走っている。
またアウトバーンの交通の要衝(十字路)になっており、西のカールスルーエ、シュトゥットガルトよりミュンヘンへ向かうアウトバーン8号線、北のヴュルツブルクより南のフッセンへ向かうアウトバーン7号線の交差点(Kreuz:クロイツ)になっている。アウトバーンの路線番号は東西方向が偶数、南北方向が奇数に割り振られている。
スポーツ
- SSVウルム1846 - サッカーを始めとする総合スポーツクラブ。サッカーは4部リーグに所属。
- ラティオファーム・ウルム - バスケットボール・ブンデスリーガ(ドイツプロバスケットボールリーグの1部)
ウルム出身の人物
- アルベルト・アインシュタイン : 物理学者
- クラウス・フォン・シュタウフェンベルク : 軍人
- エルヴィン・ロンメル : 軍人
- ヒルデガルト・クネフ : 女優
- ロバート・ボッシュ : 実業家
- クローミング・ローズ : バンド
ウルムに関係がある人物
姉妹都市
早口言葉
ウルムはドイツでは早口言葉でも有名である。
In Ulm, um Ulm, und um Ulm herum.
脚注
外部リンク
- ウルムの公式ホームページ(ドイツ語)
- ウルム大聖堂の公式ホームページ(ドイツ語)テンプレート:Link GA