グラクソ・スミスクライン
テンプレート:Infobox テンプレート:Infobox グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline, テンプレート:Lse テンプレート:Nyse)は、イギリスに本社を置く世界第4位(2009年)の売上と規模を誇る製薬企業、また、その日本法人グラクソ・スミスクライン株式会社(GlaxoSmithKline K.K.)。略称はGSK。
目次
概要
ステロイド吸入剤などの気管支喘息治療薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬「ザンタック」などを開発・発売していたグラクソと、ゾビラックス(抗ヘルペスウィルス剤)やレトロビル(抗HIVウィルス薬)など世界で初めて抗ウイルス薬の開発に成功したウエルカムが1995年に合併(日本法人は1998年に合併)してグラクソ・ウエルカムとなった。その後、世界初のH2ブロッカー薬タガメットや、オーグメンチン(ペニシリン系抗生物質)、パキシル (SSRI) など世界的売上規模を誇る製品を開発・発売してきたスミスクライン・ビーチャムと2000年に合併(日本法人は2001年1月に合併)して発足した。
ザンタックとタガメットは競合品であり、自社品同士での競合を避けるために、タガメットは他社販売へ移管している。日本では、タガメットは大日本住友製薬が販売、ザンタックは第一三共との共同販売活動を行っていたが、2008年4月1日から自社流通のみに変更した。
なお、グラクソウエルカム、グラクソ・スミスクラインそれぞれの合併時に売上規模などで世界1位となったが、その後ファイザーがワーナー・ランバート(2000年)、ファルマシア(2003年)などを買収して世界1位となっている。
ルコゼード、ライビーナとその事業基盤をサントリー食品インターナショナルに2106億円で譲り受けた [1]。
日本では、2002年にアース製薬と米国のブロック・ドラッグが提携していた「ブロック・ドラッグ・ジャパン」(旧・小林ブロック(小林製薬の子会社))の経営を統合し、ブロック社製造の商品もグラクソ・スミスクラインが受け持つようになる。2005年11月よりアラガン株式会社が輸入販売していたボトックスを扱うこととなった。
同社はあまり社名を前面に出さず、あくまで商品名だけで宣伝している(提供クレジットやCMでテロップを出す程度である)。またサンスターや小林製薬に製品を供給していた頃は、供給先の商品として扱われていたが、現在の供給先のアース製薬がスポンサーとなる番組内でのCMでは、グラクソ・スミスクライン製造の商品は紹介されない。
主な商品
医療用
- テノゼット
- B型肝炎治療薬、逆転写酵素阻害薬。
- パキシル
- 世界で最も多用されているSSRIのひとつ。うつ病・うつ状態・パニック障害・強迫性障害に有効。主成分: 塩酸パロキセチン。
- フルタイド
- 気管支の炎症を抑える吸入ステロイド剤。気管支喘息治療薬の第一選択肢。主成分:プロピオン酸フルチカゾン。
- セレベント
- 長時間作動型吸入β2刺激薬(気管支拡張剤)。主成分:キシナホ酸サルメテロール。
- アドエア
- フルタイドとセレベントを組み合わせたもの。国により「セレタイド」「アドベアー」という名で発売されている。日本では当初「セレタイド」という名称で発売予定だったが、「フルタイド」や「セレベント」と紛らわしいので「アドエア」という商品名で2007年6月に承認・発売。
- サルタノール インヘラー
- 世界で最も多用されている、気管支喘息発作を緩和する短時間作動型の気管支拡張薬。短時間作動型吸入β2刺激薬。主成分:硫酸サルブタモール。
- モダシン静注用
- セフェム系抗菌薬 一般名:セフタジジム 略号:CAZ
- オーグメンチン
- ペニシリン系抗菌薬(βラクタマーゼ阻害剤配合剤) 一般名:クラブラン酸カリウム/アモキシシリン 略号:CVA/AMPC 同一主成分であるものの配合比を大幅に変更したクラバモックス小児用ドライシロップの発売により、オーグメンチン小児用顆粒のみ2009年1月に発売中止を予定している。成人用錠剤は今後も継続販売。
- ゼフィックス
- 主成分: ラミブジン。抗HBV化学療法剤 B型肝炎・肝硬変等に使用される。
- ヘプセラ
- 主成分: アデフォビル。抗HBV化学療法剤 B型肝炎・肝硬変等に使用される。
- ゾビラックス
- 主成分: アシクロビル。抗ヘルペスウイルス薬
- バルトレックス
- 主成分: バラシクロビル。抗ヘルペスウイルス薬。ゾビラックスをプロドラッグ化した製剤。
- ザイロリック
- 尿酸合成阻害による高尿酸血症および痛風治療薬。主成分:アロプリノール。
- ボトックス
- A型ボツリヌス毒素製剤(日本及び中国)
- フルナーゼ
- アレルギー鼻炎に用いられる点鼻用ステロイド剤。主成分:プロピオン酸フルチカゾン。
- アラミスト
- アレルギー鼻炎に用いられる点鼻用ステロイド剤。主成分:フランカルボン酸フルチカゾン。
- ペニシリン系抗菌薬(βラクタマーゼ阻害剤配合剤) 一般名:クラブラン酸カリウム/アモキシシリン 略号:CVA/AMPC オーグメンチンとの違いはCAZ:AMPCの配合比。オーグメンチンが1:2製剤に対し、クラバモックスは1:14製剤と大幅に配合比が異なる。PRSP等の耐性菌に対しても有効。
- リレンザ
- 抗インフルエンザウイルス薬。 主成分:ザナミビル。ディスクヘラーという器具を用いた吸入剤。
- アボルブ
- (5α還元酵素阻害薬) 前立腺肥大症治療薬。プロペシアと類似薬。αブロッカーと異なり、前立腺が縮小するという抜本的な治療ができる。前立腺癌や男性型脱毛症にも影響があると思われるが、日本では保険適応はない。
製造中止
- ベコタイド
- 一般名はプロピオン酸ベクロメタゾンの、気管支喘息用吸入ステロイド剤である。ボンベに特定フロンであるCFC(クロロフルオロカーボン)が使われていたため2004年に製造中止[2]、代換フロン(HFA-134a)を使用したタイプやボンベを使わないドライパウダーに切り替えた。
一般用
OTC医薬品
主力の「コンタック」シリーズは総合感冒薬・鼻炎薬である。前々身のスミス・クライン・フレンチ・ラボラトリーズ(SKF)時代からの製品ブランドであり、ほとんどの製品が委託生産である。以前は大日本住友製薬(旧:住友化学→住友製薬)が製造販売元となっていた製品があったが、2008年4月に自社製造へ切り替えている。
アクチビア軟膏は、口唇ヘルペスの再発治療薬で、スイッチOTCの第1類医薬品である。
ジーフォー(G4)は、痔疾用薬である。1980年代の発売時より住友化学→住友製薬を販売元としていたが、その後住友製薬ヘルスケア→ダンヘルスケアを経て、2007年より製造販売権を佐藤製薬に譲渡し同社製品として発売されている。
オーラルケア用品
アース製薬を発売元としているが、製造販売は自社で行っている。かつて、「アクアフレッシュ」は1997年まではサンスターから、「ポリデント」・「ポリグリップ」・「シュミテクト」は1996年3月までは小林製薬から販売されていた(1996年4月から3ヶ月間は子会社だった小林ブロック)。
雑貨
ブリーズライトは鼻孔拡張テープである。アメリカCNS社が製造し日本では2000年からエーザイが発売販売元であったが、2006年にCNS社を英GSKが買収したことにより2008年からGSK自社販売となる。
不正
2012年アメリカ、副作用隠ぺいなど
アメリカで2012年、グラクソ・スミスクラインは30億ドルの罰金を支払うことになったのは、SSRい抗うつ薬のパキシル(パロキセチン)の小児での有効性を示さず、自殺行動のリスク増加にかかわらず子供や青年への適応外用途をうたった、糖尿病治療薬のアバンディアのうっ血性心不全などの危険性についてデータを提出するのが遅れたため6年間警告表示が不足していたこと、抗うつ薬ウェルブトリンや抗てんかん薬のラミクタールを適応外用途でマーケティングしたことが理由である[3]。
2013年、利益相反
子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)に関して、日本での定期接種の推進のための報告書などにも使われた研究は、同社への所属を隠ぺいして発表された論文であった[4]。
提供番組
2014年4月現在
※小林ブロック後のブロック・ドラッグ時代から提供。提供開始から60秒だったが、途中から30秒となっている。
現在の提供テロップはグラクソ・スミスクラインである。基本的にスポットCM。
以前の社名(小林ブロック後のブロックドラッグ)時代から、ポリデントまたはポリグリップのCMが放映されていた。
脚注
関連項目
- グラクソ・スミスクラインOrange United - 女子ホッケー部
- ライビーナ - 清涼飲料水。
- トーマス・ビーチャム - イギリスの指揮者。
- 山田忠孝(ターチ・ヤマダ) - 東京生まれの日系アメリカ人。
- OXY - 男性用化粧品ブランド、メンソレータム社(ロート製薬)に譲渡。
外部リンク
- GlaxoSmithKline グローバルサイト
- グラクソ・スミスクライン 日本法人サイト
- ポリデント/ポリグリップのサイト
- zensoku.jp 喘息情報サイト
- btx-a.jp 眼瞼けいれん・片側顔面けいれん・痙性斜頸情報サイト
- Influenza.jp インフルエンザ情報サイト
- こころのくすり箱 うつ病・SAD情報サイト
- 子宮頸がん基礎知識-allwomen.jp 子宮頸がん情報サイト