コバルト文庫
コバルト文庫(コバルトぶんこ)は、集英社が1976年5月から集英社文庫コバルトシリーズとして刊行された少女向け小説の文庫レーベルである。近年はライトノベル系レーベルにも分類される。
概要
コバルト・ブックスの後継として、1976年に『小説ジュニア』誌の作品を文庫化し集英社文庫コバルトシリーズとして創刊したのが最初である。その後、コバルト文庫と改名された。
母体となった小説ジュニアは少女文学誌であるので、少女向けのライトノベルに分類される作品が当初より多いが、SF作品(豊田有恒の「ロマンチックSF傑作選」、横田順彌の「2095年の少年」)や川端康成の「万葉姉妹」、山本直純の詩集といった作品が創刊翌年の1977年に発刊されているなど、必ずしも少女向けライトノベルに限定されてはいなかったようである。 1978年にはおりからの宇宙戦艦ヤマトブームの到来により若桜木虔による「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」が発刊され、これ以降のアニメブームに乗る形で、若桜木虔、藤川桂介、辻真先等により次々とノベライズ作品が発刊された。
現在では対象読者層に合わせて、ティーンズの淡い恋愛をテーマに扱ったものが多く、イラストや表紙に力をいれているのも特徴である。ファンタジーやサイエンス・フィクションの要素が加味されたものも少なくない。ここ最近はボーイズラブを題材とした作品の増加が顕著である。『りぼん』『別冊マーガレット』『コーラス』等といった集英社の有する少女漫画雑誌の連載作品を原作とするノベライズも扱っている。
多くは書き下ろしスタイルをとるが、隔月刊誌Cobalt連載後に加筆・文庫化するパターンもある。各シーズンごとに様々なフェアを行っている。
2014年からは、背表紙のデザインを変更した、発売日を集英社文庫と揃えた作品が刊行されている。
主催するコバルト・ノベル大賞の歴史は長く、直木賞作家の山本文緒、唯川恵、角田光代なども受賞者である。また創生期には平岩弓枝、川上宗薫などの作家陣が執筆していたことでも知られている。
コバルト文庫を中心に活動する作家に、氷室冴子、前田珠子 、桑原水菜、今野緒雪、藤原眞莉らがいる。赤川次郎も吸血鬼シリーズを隔月刊誌に掲載している。過去には新井素子、久美沙織、藤本ひとみ、窪田僚と言った面々も執筆していた。また、ジュディ・ブルーム『キャサリンの愛の日』(原題: Forever)、リチャード・ペック『レイプの街』(原題: Are you in the house alone?)などのアメリカ・ヤングアダルト小説の翻訳紹介も行っていた。
主な作家
関連項目
外部リンク
- Webコバルト - 集英社コバルト文庫オフィシャルサイト