体積
テンプレート:物理量 体積(たいせき)とは、ある物体が 3 次元の空間でどれだけの場所を占めるかを表す度合いである。和語では嵩(かさ)。
容積(ようせき、capacity)・容量(ようりょう)は、ある容器を考えた時、その中に入り得る量のことを指す。物理量としては体積と同じであり、容積の単位は体積と同じものを使用する。日本の計量単位を定めている計量法体系においては、「容積」の語が用いられることはなく、すべて「体積」である[1][2]。
数学的な定義
数学的には、3 次元空間内の部分集合(つまり図形)の定義関数を積分して体積を定義する。つまりまず直方体の体積を定義し、一般の立体に対しては小さな直方体の集まりでその立体を近似した極限を以って体積を定義する。体積を 3 次元以上の空間に対して一般化した概念として測度がある。
1 次元の概念である線、あるいは 2 次元の概念である面に対しては体積を定義することができず、通常 0 として扱われる。
物理的な求め方
現実の物体では、形を求めてそれを積分するという手法は使われない。
液体の体積は、メスシリンダー等の目盛りの付いた容器に入れて測定できる。固体の体積は、液体に沈めたときの液体の体積の増加として測定できる。
より精密には、容器にギリギリまで液体(通常は純水)を満たし、物体を沈めたときに溢れた液体の体積を測定する。これは古代ギリシャのアルキメデスが考案した方法だが、現在でも高精度の測定には最もよく使われる手段である。
なお、溢れた液体の体積は、質量(直接測定するのは重量だが)を密度で割って得る。このような、質量を密度で割る方法は、対象物の密度が分かっているときには体積を求める有用な方法であり、天文学でも積極的に利用される。
体積の公式
基本的な体積計算の公式をいくつか示す。([[π|テンプレート:Π]] は円周率)
- 立方体 - s3(s は一辺の長さ)
- 直方体 - lwh(奥行き l, 幅 w, 高さ h)
- 円柱 - テンプレート:Πr2h(底円の半径 r, 高さ h)
- 球 - テンプレート:Sfracテンプレート:Πr3(球の半径 r)
- 円錐 - テンプレート:Sfracテンプレート:Πr2h(底円の半径 r, 高さ h)
- 角柱 - Ah(底面の面積 A, 高さ h)
- 回転体 - ∫A(h)dh (h は高さ方向の変数, h における断面積 A = A(h))
- 平行六面体 - |A · (B × C)|(A, B, C は平行六面体を張る独立な3次元ベクトル、"·" はドット積、"×" はクロス積)
体積の単位
- m³(立方メートル。立米(りゅうべい)と言うこともある)
なお cm³ は立方センチメートル(cc と同義)であり、m³(立方メートル) に補助単位を用いたものではない。 また、1,000cm³ = L(リットル)をベースとした単位もよく用いられている。
cc (cubic centimeter) という単位も良く利用されるが、cm³ を英語読みした時の略称で mL と同じ量を表す。