アッザム

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アッザム (ADZAM) は、アニメ機動戦士ガンダム』に登場する、架空の兵器

ジオン公国軍の試作型モビルアーマー (MA)。ただし、MAという兵器体系が確立する前に建造された機体 である(型式番号:MAX-03)。

アッザム

機体解説

テンプレート:機動兵器 アッザムは、月面に配備されていた移動式対地攻撃兵器G87ルナタンクを元に開発された「移動式重機関砲座」である[1]。最大のスペースを占めていた機体下部の燃料タンクに代わって、大出力のジェネレーター4基、ミノフスキークラフト、主武装の換装、アッザム・リーダーなどが搭載された。更にバーニアを廃しホバーエンジンを搭載、4基の接地用ダンパーを設置するなど、重力下でも使えるように再設計されている。また、使用目的に合わせてコクピットも改修された。乗員は操縦士と射撃手の2名であるが、非常時にはオートパイロット機能を使用して1名での運用も可能であった。

搭載されたミノフスキークラフトは試験段階のものであり、当時のジオン公国軍のミノフスキークラフトの技術は地球連邦軍に対し遅れていたためホバーエンジンによるサポートがあっても短時間しか浮遊できない[1](しかし劇中では長時間浮遊していた)。

武装はルナタンク時代の重機関砲から砲塔式のメガ粒子砲[2]に換装され、連装砲塔8基を円盤形の機体四方上下に配置。対地、対空双方に対応しており死角はない。ただし本機のメガ粒子砲はガンダムのシールドに何度も防がれており、威力は後に登場したMA「ブラウ・ブロ」や「ジオング」のメガ粒子砲に比べて劣る[3]。また、機体底部からアッザム・リーダーと呼ばれる特殊武器を搭載。これは、目標に電磁波(高周波)を浴びせ、高熱(最大4,000℃)にするとともに電子回路にダメージを与え、破壊するものである。攻撃手順は、まずカプセルから触媒(これをリーダーと呼ぶ)を目標周辺に振り撒き、次いで磁場発生装置から複数のワイヤーを降ろして即席の檻を形成し、その後高周波を目標に当てる。この放熱磁場は時間と共に弱まる[4]。マ・クベによればザクを行動不能にすることが可能とされ、ガンダムに対しても一定の効果を発揮した。後にこの武装は改良され、プラズマ・リーダーとしてヴァル・ヴァロに搭載された。

試作機として2機が建造され、うち1機はオデッサで交戦。本来は対トーチカ兵器として使用されるはずだったが、偶然にもガンダムと交戦することになった[1]。本機のモビルスーツ (MS) とは異なる設計思想は後のMAの原型となり、数々の機体が開発された。

劇中での活躍

テレビ版『機動戦士ガンダム』では、第18話にて登場。劇中ではマ・クベの飛行基地的に扱われ、かなり長時間飛行しているとみられる描写がある。本機にはオデッサ方面軍の司令であるマ・クベと前線視察に来た突撃機動軍のキシリア・ザビが搭乗し、戦闘機ドップ2機に護衛されて夜間飛行を行った。

翌日、本機は第102鉱山基地に駐機していた。そこへホワイトベースから脱走したアムロ・レイの乗るガンダムが襲撃をかけてきたため[5]、急遽マ・クベとキシリアが本機に搭乗してガンダムを迎撃した。アッザム・リーダーなどで攻撃したが決定打を与えられず、逆に砲塔を数基破壊され、辛うじて撤退している。この時ガンダムの性能を身をもって味わったキシリアは、「我らもテスト中の各モビルスーツの実戦配備を急がねばならない」と呟いており、中盤以降にジオン軍の新兵器が多数登場するようになる伏線となっている。なお、劇場版ではアッザムが登場するシーンはカットされている。

漫画『機動戦士ガンダム0079』では、接地用ダンパーや火薬式主砲を収納できる円盤型の機動兵器に描かれており、よりSF的なデザインになっている。連邦軍の陸上艦船を多数撃破するなどしたが、特殊な対空砲弾の反撃を受け、上空に避退。そこをセイラ・マスGアーマーに急襲され、撃墜された。

ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』では、発展機「アッザモード」が登場する。カラーリングは白。4基の接地用ダンパーにブースターを装備し、武装はビーム砲を実弾砲に変更され、新たにミサイルが搭載された。連邦軍のMS部隊を撃破するがホワイト・ディンゴ隊によって撃墜されている。

漫画『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』では、マット・ヒーリィ中尉の搭乗する陸戦型ガンダムを捕獲するため投入される。アッザム・リーダーの展開時の形状から、「トリカゴ」と呼ばれていた。アニッシュ・ロフマン曹長の陸戦型ジムを行動不能とするが、リーダーの射出口を狙われ撃破される。主砲はビーム砲であった。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ジャブロー攻略時に指揮官であるガルシア少将機が登場する。ジャブロー内部に侵入するもトラップにひっかかり、味方のMSもろとも岩盤の下敷きとなった。本作では、従来の設定で接地用ダンパーとされたものが脚とされ四足歩行を行っている。また上部に長いハッチが付属しており、フラスコのような形状になっている。デザインは『機動戦士ガンダム戦記』に登場したものの流用[6]だが、脚部を折り畳む機能が追加されている。

備考

監督の富野喜幸による「トミノメモ」の記載では番組終盤、宇宙用アッザムが量産化されて登場が予定されていたが、放映期間短縮によりガッシャキケロガ同様出番がなくなった。本来であればキシリアとシャアが搭乗し、かなりの活躍を見せる筈であった。このコクピットでキシリアはシャアに刺殺される場面も想定されていた(ガンダム記録全集・トミノメモ「グラナダ攻略」より)。

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バリエーション

  • G87 ルナタンク
  • MAX-03 アッザム
    • MAX-03M メタルアッザム
    • アッザム改
  • OMAX-03RF RFアッザム

G87 ルナタンク

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場するジオン公国軍の兵器。

月面のグラナダ基地防衛用に、MSの補助兵器として開発された機体。月面重力下のみで運用されるため、機体下部のキャタピラは車体に比べ小型となっている。戦闘は下面中央のロケットエンジンによって飛行状態で行なわれる。機体側面4か所の板は補助飛行システムと推定される。武装は2連装実弾砲を8基(機体上部、下部に各4基)装備。1名のパイロットと4名の砲手(後の火器管制システムの改良で2名に)によって操作される。 U.C.0077年から開発が始まり、U.C.0078年7月に1号機がロールアウト。開戦までには22輌が完成、当初の50輌の配備予定が75輌に変更されたが、U.C.0079年6月頃までの34輌の生産にとどまっている。全機がグラナダに配備され、U.C.0079年10月の月での動乱により28輌が消失。残存した機体も稼動不能となり、終戦後に全機解体されている。

モビルスーツバリエーションにおいて、長らく文字設定のみが存在していた。

メタルアッザム

漫画『NIGHT=HAWKS!』に登場。(型式番号:MAX-03M)

ジオン公国軍所属のMA。腹部には眼や口が付けられている。地球連邦軍基地を占拠したジオン公国軍W=ダブデ陸戦艇の部隊に配備され、第13独立電撃部隊ナイトホークスの旗艦「ウェルデア」への攻撃の際に投入された。アッザム・リーダーを放ってG・キャノンF1やG・タンクを苦しめるが、チャアミン・ブラウン曹長が搭乗するG・ダミーによって一刀両断され撃破された。

なお、『SDガンダム外伝 ジークジオン編』において同名のキャラクターが登場するが関連性は無い。

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RFアッザム

漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場。(型式番号:OMAX-03RF)

オールズモビルの戦力としてより大幅にアレンジされて登場。宇宙空間での行動も可能になっており、武装も単装メガ粒子砲を8基装備、内蔵式のミサイル、接地用ダンパーを近接戦用クローに換装するなどの強化が図られている。またビーム撹乱膜を展開する能力も持っており、艦砲を弾き返す堅牢さを見せた。4機が出撃し火星軌道上で第13独立機動艦隊に襲い掛かり、艦隊にかなりの損害を与えたが、最終的に全機撃破された。

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脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:宇宙世紀

テンプレート:Gundam-stub
  1. 1.0 1.1 1.2 機動戦士ガンダム公式Web「メカ-アッザム」
  2. 火薬式主砲との記述もある。公式サイトでは、アッザムの武装はメガ粒子砲と記載している。
  3. ブラウ・ブロやジオングのメガ粒子砲はルナチタニウム装甲のガンダムやガンキャノンを一撃で大破させる威力がある。またザクバズーカもガンダムのシールドを貫通することが可能である(第5話大気圏突入時の戦闘)。
  4. アッザムとガンダムの戦闘中におけるキシリアの発言より。
  5. アムロが第102鉱山基地をオデッサ基地と勘違いしたため。
  6. 漫画の枠外の著者コメントより。