カンムリツクシガモ
カンムリツクシガモ(冠筑紫鴨、Tadorna cristata)は、動物界脊索動物門鳥綱カモ目カモ科ツクシガモ属に属する鳥類。
分布
中華人民共和国北東部?[1]。記録がある地域は他に大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、日本、ロシア(ウスリー)[1][2]。
模式標本の産地(模式産地)は釜山周辺(大韓民国)[2][3][a 1]。
形態
全長60-64センチメートル[1][a 1]。翼長オス32センチメートル、メス31センチメートル[3]。後頭の羽毛が伸長(冠羽)する。頭頂から後頭にかけての羽衣は暗緑色[1]。雨覆は白い[1]。
嘴や後肢は橙色[1]。
オスは額や胸部の羽衣が暗緑色、頬から頸部の羽衣が灰色[1]。メスは額、頬から頸部の羽衣が白く、また眼の周囲に白い斑紋が入る[1]。胴体の羽衣は灰褐色[1]。
分類
1877年に本種のメスの標本が採集されているが、アカツクシガモとヨシガモの種間雑種と考えられていた[2]。後に下記の日本国内にて本種と思われる写生画が複数発見されたこと、オスの標本が採集されたことから新種として記載された[2]。
人間との関係
観文禽譜の記述から江戸時代享保期には朝鮮半島から日本へ飼鳥として輸入されていたとされる[2]。
模式標本、1877年のウラジオストック産のメス(コペンハーゲン博物館所蔵)、1913-1914年の群山周辺産のオス(模式標本も含めて山階鳥類研究所所蔵)の3標本しかない[1][2][3][a 1]。日本では江戸時代に本種の詳細な写生画が複数(松平頼考家所蔵「鳥づくし」、「観文禽譜」、黒田長礼家および松平直亮家所蔵の島津重豪による鳥類写生図、1822年に北海道函館付近で捕獲された雌雄の写生図など1989年までに計20点が発表[2]。)あることなどから、日本にも分布していたと考えられている[1][3][a 1]。1964年にウラジオストック周辺で3羽[3][a 1]、1971年に朝鮮半島、1985年にロシアで発見例がある[1]。1976-1988年に中華人民共和国で不確実な発見例がある。
絶滅(環境省レッドリスト)[a 1]参考文献
関連項目
外部リンク
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- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社、2000年、186頁。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 柿澤亮三、菅原浩 「江戸時代の写生図にみられる絶滅鳥カンムリツクシガモ Tadorna cristata (Kuroda)」『山階鳥類研究所研究報告』、山階鳥類研究所、1989年、326-339頁。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、39頁。
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