キアシシギ
キアシシギ(黄足鴫、学名:Tringa brevipes)は、チドリ目シギ科に分類される鳥の一種。シギの仲間である。その名前の由来は、足が黄色いことから。
分布
シベリア北東部やカムチャツカ半島などで繁殖し、冬季は東南アジア、ニューギニア、オーストラリアに渡りをおこない越冬する。
日本では旅鳥として、北海道から沖縄までの各地で、春は4月から5月、秋は他のシギ・チドリよりも早く7月下旬から観察され始め、10月ごろまでごく普通に観察される。九州や南西諸島では、越冬する個体もある。
形態
全長は約25cm[1][2]、翼開長は約55 cm[2]。成鳥夏羽は、体の上面が灰褐色で眉斑、頬、体の下面は白色。顔から頸にかけては灰褐色の縦斑が、脇から胸にかけては横斑がある。成鳥冬羽は、体の下面が淡い灰褐色になり、体の下面の斑は不鮮明になる。
足は黄色で、他のシギに比べて短めである。嘴は黒く、基部は灰色がかった黄色。
生態
非繁殖期には、砂浜や干潟、磯、水田などに生息する。群れで行動することが多い[1]。海岸部からかなり離れた河川でも観察されることもあるが、この場合、単独か多くても数羽のことが普通である。繁殖期は樹木の疎らな草原や川原、小石が混じったツンドラ地帯に生息する。
水深の浅い場所を歩きながら、カニや昆虫類などを食べる。防波堤、テトラポット、海岸の石の上などで休む[1]。
地上に営巣するが、木の上のツグミの古巣に営巣した例もある。20世紀始めまで、本種の巣は未発見だった。通常4卵を産む。
ピュイピュイとすんだ声で鳴いたり、飛びながらピュイーと鳴く。
- Tringa brevipes walking.JPG
海岸を歩く群れ
- Tringa brevipes flocks.JPG
海岸で休息する群れ
- Tringa brevipes in flight.JPG
飛行の様子
種の保全状況評価
国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[3]。
- 絶滅危惧II類 - 東京都(区部、北多摩、南多摩、西多摩)[5]、神奈川県(非繁殖期)[6]
- 一般保護生物(C) - 千葉県(環境省の絶滅危惧II類に相当。旅鳥として、干潟や湿地に飛来する。)[7]
- 準絶滅危惧 - 京都府(近年飛来数が減少している。)[8]、大阪府[9]
- 希少種 - 滋賀県(環境省の準絶滅危惧に相当)[10]
Sibley分類体系上の位置
近縁種
脚注
参考文献
- テンプレート:Cite book
- 真木広造他 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年
- 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年
- テンプレート:Cite book
関連項目
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