否認主義
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テンプレート:複数の問題 否認主義(ひにんしゅぎ、テンプレート:Lang-fr-short、テンプレート:Lang-en-short:ネガシオニスム)は、一般的には広くその存在が認められている歴史的な事象の存在そのものを否認する立場のことをいう。具体的には過去に行われていたとされる大量虐殺、ホロコーストの存在を否定する立場のことを指し、とりわけ第2次世界大戦にナチス・ドイツによって実施されたとされるホロコースト(希:Shoah)に関して用いられることが多い。ドイツ始めヨーロッパの多くの国ではホロコースト否認・ナチス賛美を主張・出版・公開することは非合法化されている(ドイツ刑法第130条第3項:民衆煽動罪)。ホロコースト否認の言論活動と、国境を越えた法規制の問題については戦う民主主義を参照。
否認主義の言説そのものは世界各地で見られ、国際的な見地から否認主義が存在すると認識されているものとして、第一次世界大戦中のオスマン帝国によるアルメニア人虐殺や、第二次世界大戦中の日本軍による南京事件 (1937年)、ソビエト連邦、カンボジア、ルワンダ、チベットにおける大虐殺などがその対象となっている。否認主義の立場からは、「それらの事実行為そのものが無かった」とするものから、通説で提示されている史料研究の結論の可謬性につけこんで、間違っている可能性があるから通説は間違いである、との論調に立つものがある。
歴史的な事象のみならず、幅広く認められている事実を否定する立場にも「否認主義」という名前が与えられることがあり、代表的なものとしてエイズ否認主義が挙げられる。