ジル・ド・レ
ジル・ド・レ(テンプレート:Fr, 1404年9月10日 – 1440年10月26日、ジル・ド・レーとも)は、フランス王国のブルターニュ地方ナントの貴族、レ(地名)男爵。フランス元帥。ギー2世・ド・ラヴァルの息子でギー・ド・ラヴァルの孫。母方の祖父はジャン・ド・クラン、曾祖父はピエール・ド・クラン。フランス王国大元帥ベルトラン・デュ・ゲクランの曾姪孫に当たる。
レ (テンプレート:Fr) は所領の名前で、本名はジル・ド・モンモランシ=ラヴァル (テンプレート:Fr) である。
目次
経歴
若年期
ジル・ド・レは、1404年にシャントセ(現シャントセ=シュル=ロワール)の城で生まれた。
1415年11歳の時、母マリー・ド・クラン死去。同年10月、父ギー2世・ド・ラヴァルがアジャンクールの戦いで戦死。幼くして両親を失い、遺言で禁じられていたにもかかわらず、弟ともども祖父ジャン・ド・クランに引き取られた。甘やかされて育ったというテンプレート:誰。
この祖父は、領地を広げるために、ジル・ド・レを近隣の領主の息女カトリーヌ・ド・トアールと無理やり結婚させた。
活躍
成長し軍人となると、百年戦争のオルレアン包囲戦でジャンヌ・ダルクに協力し、戦争の終結に貢献し「救国の英雄」とも呼ばれた。
自分の領地に戻ると湯水のように財産を浪費し錬金術に耽溺。財産目当てのフランソワ・プレラティら詐欺師まがいの「自称」錬金術師が錬金術成功のために黒魔術を行うよう唆したことも加わり、手下を使って、何百人ともいわれる幼い少年たちを拉致、虐殺した。ジル・ド・レは、錬金術成功という「実利」のためだけではなく、少年への凌辱と虐殺に性的興奮を得ており、それによる犠牲者は150人から1500人だと伝えられている。
逮捕と処刑
1440年、所領を巡る争いからサン=テティエンヌの聖職者を拉致・監禁したことから、告発され捕らえられる。公開裁判では、すべてを告白し泣きながら懺悔し、その場にいた人間たちに許しを請うた。このため絞首刑になり死体が火刑になった。火刑の際にジルの魂が救われるよう、民衆が祈りを捧げたという。ただし、ジルの評伝の一部は宗教裁判の審理において述べられたものであり、裁判官である司祭(財産を狙う政敵達)により故意に誇張された一面があることも否定できない。ジャンヌが異端として捕らえられ、火炙りになったことから精神を病んだのだとも言われる。
死後
のちにペローの童話に登場する殺人鬼青ひげのモデルとなったと言われている。
ジル・ド・レに関する著作
ノンフィクション
- ジョルジュ・バタイユ『ジル・ド・レ論―悪の論理─』
- レナード・ウルフ『青髯ジル・ド・レー―悪魔になったジャンヌ・ダルクの盟友』
- 澁澤龍彦『異端の肖像』(幼児殺戮者)『黒魔術の手帖』
- 清水正晴『《青髯》 ジル・ド・レの生涯』
ジル・ド・レが登場する映画
ジル・ド・レが登場する小説
- ミシェル・トゥルニエ『聖女ジャンヌと悪魔ジル』
- ジョリス=カルル・ユイスマンス『彼方』
- 佐藤賢一『傭兵ピエール』
- 篠田真由美『彼方より』
- 藤本ひとみ『聖女ジャンヌと娼婦ジャンヌ』
- 虚淵玄『Fate/Zero』
- 宇月原晴明『聚楽〜太閤の錬金窟〜』
ジル・ド・レが登場する漫画
- 荻野真『孔雀王 退魔聖伝』
- 諸星大二郎『青ひげおじさん』
- 三山のぼる『女フィスト(メフィスト)』
- 有村しのぶ『青い牙』
- 安彦良和『ジャンヌ』
- 大西巷一『ダンス・マカブル〜西洋暗黒小史〜』
- 平野耕太『ドリフターズ』