日本アマチュア無線振興協会

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テンプレート:基礎情報 非営利団体 一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(にほんあまちゅあむせんしんこうきょうかい、The Japan Amateur Radio Development Association)(略称:JARD)は、アマチュア無線の健全な発展を図ることを目的とした一般財団法人である。無線設備技術基準適合証明等も行っている。

概要

業務

養成課程講習会

総務省が認定した団体または会社が行う講習で、講師が規定の時間の科目の講習を行い、終了試験に合格すれば国家試験が免除され、第3級、第4級アマチュア無線技師の資格が得られる。1991年にJARLから養成課程講習会を引き継いでいる。JARLの講習会に不正が発覚し、講師が受講者に終了試験の問題、解答を教えたとされる。現在、養成課程講習会はJARDの独占ではなく、QCQ企画[1]という会社でも行ってる。養成課程講習会は国家試験と異なり合格率が非常に高く、JARDの平成23年度の資料では、受講者数:9,941名合格率:98.5%となっている。国家試験は60%程度。

JARLで1975年当初行っていた電話級(現在の第4級に相当)の講習会は受講時間が無線工学、法規の各20時間ずつで計40時間という長時間であり、遅刻欠席は認められず再受講制度、再試験制度もないという厳しいものであった。JARDに移管された1991年以前に既に第4級の受講時間は10時間ずつ計20時間に短縮され、現在は無線工学6時間、法規4時間の計10時間、終了試験1時間で大幅に短縮されていて、2日または3日で終了する。

終了試験は無線工学、法規それぞれ10問ずつ出題され各6問以上正解すれば合格となる。解答は記述式で、国家試験のように選択式ではない。養成課程講習会の第4級の受講費用は一般が22,750円、高校生以下7,750円で、差額の15,000円をJARDが負担するとしている。終了試験に不合格だった人には再受験制度もあり、修了試験の結果通知書発行の日より1年以内なら9,050円を払うと再受験が可能。但し講習会に遅刻、欠席した人の再受講制度は無い。

第3級に関しては現在短縮コースのみで、第4級の資格を有していることが条件になっている。選抜試験の受講と、電気通信術(モールス)の単独の試験は不要となった。モールスについては法規の講習に含まれる。法規4時間、無線工学2時間、終了試験1時間で、受講費用は12,500円である。第3級と第4級の違いはモールス通信の可否(第4級は不可)、空中線電力(第4級が10Wまたは20W、第3級が50W)と、使用できるバンドの制限の違いとなっている。

QCQ企画

QCQ企画(きゅーしーきゅーきかく)は、JARDと同様養成課程講習会を行っているが民間企業で、JARD、JARLとの関係は一切なく、他には出版による書籍の販売も行っている。講習会の受講料はJARDに比較して安いが講習会の開催場所が関東、信越、近畿などに限られている。JARDは受講するときの年齢の下限に記載がなく、中学生以下の専用コースと記載されている。QCQ企画のホームページには受講者は小学生、中学生専用のコースは「小学生または中学生」と記載があり、小学生未満は受講できない。及び小学生は保護者の送迎を求めている。保護者は受講中の部屋には入れないが1名に限り同じコースに同時に申し込んで受講することは可能で、この場合は意図的に席が離される。

QCQ企画の講習費用は第4級で一般が18,000円、高校生以上20歳未満が12,000円、小学生と中学生は8,000円、第3級短縮コースが9,800円と、JARDより年齢が細分化された費用になっているが費用的に高校生が受講する場合はJARDは7,750円なのでQCQ企画より安く済む。

第2級の講習会の意見募集公示

総務省は、平成26年4月22日から、5月23日まで養成課程講習会を第2級アマチュア無線技師の資格取得まで拡大する意見募集の公示を行った。[2]平成24年度からe-ランニングというパソコンやDVDを使った遠隔授業も可能とはなっているが、今のところJARDなどではe-ランニングは行っていない。第2級アマチュア無線技師の講習会は第3級アマチュア無線技師の資格取得が前提でないと講習時間も長くなって時間も費用もかかるという懸念もある。

沿革

第三級・第四級アマチュア無線技士の養成課程をJARLから引き継ぐ。
空中線電力50W(28MHz帯以下は100W以下)のアマチュア無線設備について技術基準適合証明の証明機関に指定される。
  • 1992年(平成4年) 技術基準適合証明の無いアマチュア無線設備への保証認定業務をJARLから引き継ぐ
  • 1996年(平成8年) 技術基準適合証明の範囲が空中線電力50W(50MHz帯以下は200W)以下のアマチュア無線設備となる
  • 2001年(平成13年) 保証認定業務のみTSS株式会社へ移行
技術基準適合証明番号(工事設計認証番号を含む、以下同じ。)においてJARDを表す記号は1字目~2字目の02とされた。
  • 2003年(平成15年) 技術基準適合証明番号においてJARDを表す記号は1字目~3字目の002とされた
  • 2011年(平成23年) 一般財団法人へ移行

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. QCQ企画ホームページ
  2. 総務省、無線従事者養成課程の対象資格の拡大に関する意見募集

関連項目

外部リンク