珍宝島
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珍宝島(ちんぽうとう、中国語テンプレート:簡体字、中国語テンプレート:ピン音、英語:Zhenbao Island)またはダマンスキー島(テンプレート:Lang-ru、中国語テンプレート:簡体字、英語:Damansky Island)は、中華人民共和国とロシア連邦国境のウスリー川中流域にある面積0.74km²の小島である。
概要
川を上下する航路より中華人民共和国側に位置し、長さは約1700m、幅は約500m。中華人民共和国側からの川幅は200m、ロシア側からの川幅は300mである。
帰属問題
1860年の北京条約でウスリー川が両国の境界(国境)となったが、中州の帰属については両国で見解が分かれていた。両国はそれぞれ領有権を主張し長年対立したが、1991年5月16日に結ばれた中ソ国境協定で中華人民共和国領とすることで合意され、この部分の領土問題は解決した。現在は黒龍江省虎林市に属している。
軍事衝突
1960年代の中ソ対立の下、1969年3月には中華人民共和国の人民解放軍とソ連軍の両軍が同島で武力衝突する「珍宝島事件」(ソ連側の呼称は「ダマンスキー島事件」)が発生し、中ソ国境紛争に発展した。
1969年9月、北ベトナムのホー・チ・ミン主席の葬儀の後にソ連側代表が北京に立ち寄り、双方の協議の結果戦闘は終結したが、この間国境地帯には100万人を超える双方の兵士が動員されていた。中華人民共和国では、紛争翌年の1970年11月1日に「珍宝島一周年」記念の切手が発行された。
映画
ロシアのドキュメンタリー映画『Остров Даманский. 1969 год 』は紛争の当事者および両陣営の主導者へのインタビューを元に製作された。